自分の人生の最後について、考えたことはありますか?
今や人生100歳時代となり、よりたくさんの人生を歩める時代となりました。
しかし、人生は、いつ、どこで何が起こるか分からないものです。
もしも、いざという時に家族や友人に伝えておきたいことがあったら、どうしますか?
今回は、2019年4月に発表された新しいマークである、「人生会議」(ACP)について紹介します。
新しいロゴマーク
人生の最終段階における医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合う取り組みをACP(アドバンス・ケア・プランニング)といいます。
厚生労働省は、そのACPをより馴染みやすい言葉となるよう「人生会議」という愛称で呼ぶことにしました。
黄色の輪の中に、人生会議の文字をあしらったこちらのマークには、以下のような意味が込められています。
「人生は、空に架かる虹であり、現在から未来への架け橋です。
また、一筋の流れとして分水嶺に端を発し、大河となって大地を潤して海へと回帰する川の流れです。
人生の流れと次代に継続させる力がデザインコンセプト」となっています。
自らが望む人生の最終段階における医療・ケア
誰でも、いつでも、命に関わる大きな病気やケガをする可能性があります。
命の危険が迫った状態になると、約70%の方が医療・ケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることが出来なくなると言われています。
自らが希望する医療・ケアを受けるため、大切にしていることや望んでいること、どこで、どのような医療・ケアを望むかを自分自身で前もって考えましょう。
そして、周囲の信頼する人たちと話し合い、共有することが重要です。
もしもの時のために
「アドバンス・ケア・プランニング-これからの治療やケアに関する話し合い」というものがあります。
万が一の時に備えて、自分で大切にしていることや望み、どのような医療やケアを望んでいるかを、自分自身で考えたり、信頼できる人たちと話し合ったりすることです。
この話し合いは、もしもの時に信頼できる人が、自分の代わりに治療やケアについて、難しい決断をする一助となります。
万が一、自分の気持ちを話せなくなった時、代わりに心の声を伝えることができるかけがえのないものになり、ご家族やご友人の心の負担は軽くなるでしょう。
アドバンス・ケア・プランニングは、自分だけでなく、家族、または周りの人など、多岐にわたって必要なことになり得るのです。
話し合いましょう
いきなり、人生の終末の話をするのは、どんな人にも難しいことです。
例として、以下の4点をきっかけに話をしてみましょう。
① 自分が大切にしていること、ものは何ですか?
② 自分が信頼できる人は誰ですか?
③ 信頼できる人や医療・ケアチームと話し合ってみましょう
④ 話し合いの結果を大切な人・信頼できる人に伝えて共有しましょう
これらは、心身の状態や環境・周囲の人間関係などによって意識が変化します。
そのため、何度も繰り返し考えたり、話し合いをしたり、共有することが大切です。
人生の終わりまで、どのように過ごしたいですか?
一度、自らが望む、人生の最終段階の医療やケアについて話し合ってみませんか?
参考
監修:佐藤祐造(医師、愛知みずほ大学特別教授・名古屋大学名誉教