社員が健康経営を通じて誇りと希望を持てる会社を目指す 大有建設

大有建設ロゴ

 

 

大有建設株式会社(以下「大有建設」)は、愛知県名古屋市に本社を置く建設会社です。

本社以外に東京・大阪・東北・静岡・三重・中国に支店があり、本社、本店、支店、営業所、

工場、機材センターを含めて、社員数は428名(2017年7月時点)となっています。

 

1928年の創業以来、身近な生活道路から国土の大動脈である高速道路の建設ならびに、

日々の生活に欠かせない電力、ガス、上下水道の建設を行ってきました。

 

さらにはプラント設計やその運転など幅広い事業を手掛けており、特に、社会環境保全を

目的とした数々の技術と、安全性を高める工法を他に先駆け開発し、人と社会に貢献してきました。

 

また、1981年以来、技術者派遣・研修生の受入・合同研究・学会への参加などを通し、

積極的に海外との技術交流を図っています。

 

2007年には海外事業に進出し、排水性舗装や橋面舗装など、弊社製品と併せて

日本の道路技術の普及活動を行っています。

 

イメージキャラクターのカワセミ

(資料出所:大有建設株式会社ホームページ)

 

 

健康経営への取り組みの成果

 

大有建設は2017年2月21日に、健康経営への取り組みが優良な法人として

日本健康会議より「健康経営優良法人2017(中小規模法人部門)」に認定されました。

 

認定証

(資料出所:大有建設株式会社ホームページ)

 

また、同年6月20日には、全国健康保険協会愛知支部により

健康取組優良事業所の銀賞の認定を受けました。

 

銀賞

(資料出所:全国健康保険協会愛知支部ホームページ)

 

 

大有建設の健康経営の取り組みについて、大有建設株式会社 総務部 安全管理課の

皆様(以下 「大有建設」と記載します)にインタビューさせていただきました。

 

 

安全と健康は一体

 

【勤次郎】

貴社は全国に支店や営業所がありますが、どのように社員の健康管理を行っていますか?

 

【大有建設】

基本は、本社の安全管理課で活動をしています。

安全管理課の業務としては、健康管理だけでなく現場の安全管理があります。

 

安全管理課では1年で200以上の現場を回っていますし、安全大会にも必ず行きます。

安全と健康は一体で、ともに声がけが重要だと思っています。

現場に行ったときに安全だけでなく、健康についても声がけをするようにしています。

 

1年に200以上の現場を回るためには、1日に3ヶ所から4ヶ所

現場を回らなければなりません。

 

そのため、まとまった時間を取れないことが多いのですが、昼の食事の時

に顔を出して一言二言声をかけるようにしています。

そういった工夫をして、健診受診を呼びかけるなど、啓発の活動をしています。

 

【勤次郎】

健診の受診率は、どれくらいですか?

 

【大有建設】

一般健診は義務なので、もちろん100%です。

愛知・三重・岐阜の3県には合計11拠点ありますが、この11拠点

についてはバス健診を行っています。

 

毎年5月から6月にかけて、バスが11拠点を回ります。

バスはそれぞれ日程を決めて順番に各拠点を回っていきますが、

最後の日程は本社と決まっています。

 

各拠点であらかじめ定められた日程で急用ができて受診できなかったとしても、

最後の本社の日程で受けてください、という仕組みにしています。

 

また、バス健診は社員だけでなく、協力業者の企業にも受けてもらうようにしています。

もちろん費用は協力業者それぞれに負担してもらいますが、その割り振りはすべて当社の方で行っています。

一社単体ではなかなかバス健診を呼ぶことは難しいので、多くの協力業者に活用していただいています。

東京・大阪・東北・静岡・中国など、その他の支店では、一般健診を各支店で管理して、

それぞれ受けやすいように実施してもらっています。

 

法定の一般健診とは別に、生活習慣病健診があります。

生活習慣病健診については、予約などの管理はどの支店の社員で

あっても、すべて本社の安全管理課で行っています。

 

【勤次郎】

法定の一般健診と生活習慣病健診とは、分けて行っているのですか?

 

【大有建設】

法定健診は法的義務なので、全員受けていただきますが、生活習慣病健診は

あくまで本人の意思です。

 

できるだけ受けるように呼びかけるまでは、強制することはできませんが、

健診費用の半額を会社が負担しています。

生活習慣病健診の受診率は、例年35歳以上及び女性の対象者の

95%前後となっています。

 

【勤次郎】

法定健診と生活習慣病健診の年2回の健診にもかかわらず、

95%もの人が受けているというのはすごいですね。

 

【大有建設】

生活習慣病健診だけではありません。

社員には工場や研究所の作業員もいるので、特殊健康診断の対象者もいます。

多い人は法定健診+特殊健診、生活習慣病健診、2回目の特殊健康診断と

毎年3回の健診を受けていることになります。

 

また、生活習慣病の補助は社員だけでなく、扶養家族も対象となりました。

社員の場合と違って扶養家族の場合は、個人で受けやすい健診機関を

選んで生活習慣病健診を受けることになります。

 

健診機関によって、生活習慣病健診の項目や価格体系が違ったりする場合もあります。

この場合は、項目は自由に決めていただくようにして、その代わり価格については

会社の補助の上限を定めるようにしています。

扶養家族が何人いても、人数分の補助が出ます。

 

 

 

 

「奥様にも検診プロジェクト」

 

【勤次郎】

配偶者の方にも、会社から補助が出るというのはいいですね。

たくさんの方が、生活習慣病健診を受診されているのではないでしょうか?

 

【大有建設】

社員の場合は、安全管理課が生活習慣病健診受診の呼びかけをして、

予約まですべて行っているので高い受診率になっています。

 

ただし、扶養家族の場合は自分で予約して、自分で管理しなければいけません。

まだ今年(2017年)から始めたばかりなので分かりませんが、「費用の一部を負担しますよ」

だけでは受診率は社員の割合程には、高くならないのではと思っています。

 

そこで、協会けんぽの仕組みである「奥様にも健診プロジェクト」を活用しています。

「奥様にも健診プロジェクト」では、被扶養者に対して、当社の社長名で

「健診のお願い」という案内が届きます。

 

この案内は、協会けんぽが作成しています。

併せて会社からも、社員に対して「奥様にも健診プロジェクト」をやることを通達しています。

被扶養者は受診率が低いので、このプロジェクトで被扶養者の受診率が高まる

ことを期待しています。

 

奥様にも健診プロジェクトの事業フロー

(資料出所:全国健康保険協会愛知支部ホームページ)

 

【勤次郎】

健診の受診奨励のために、会社から補助を出されているのですね。

 

【大有建設】

健診以外にも、前年度からインフルエンザの予防接種についても、

1回のみですが会社が全額補助をしています。

インフルエンザにかかると本人もつらいですが、周りにうつすという

リスクもあるので大事だと考えています。

 

インフルエンザの予防接種を受けるように、前から呼びかけを行ってきました。

特に、全額補助にしてからは予防接種の接種率が大きく高まったと思います。

 

【勤次郎】

健診結果は、どのように管理されているのですか?

 

【大有建設】

健診が終わって、再検査が必要な社員がいると病院から安全管理課に

電話がかかってきます。

そこで安全管理課の方から、すぐに対象となる社員に口頭で病院に

行くように伝えています。

場合によっては、その日のうちに病院に行くように呼びかけることもあります。

 

【勤次郎】

社員の方々にとっては、大きな安心感となりますね。

 

【大有建設】

産業医には定期的に来てもらっていますし、保健指導も本社で行っています。

特定保健指導については、先生が本社に来てくださる日に、あらかじめ1日に

6人とか8人とか枠を定めているのですが、毎回その枠がいっぱいになっています。

自発的に特定保健指導を受ける社員もいますし、安全管理課から「来なさい」

と働きかけることもあります。

 

 

声がけから始まる健康経営

 

【勤次郎】

それ以外に、社員の健康のためにどのような取り組みをされていますか?

 

【大有建設】

例えば、バランスのよい弁当を会社で食べられるようにしています。

外食に行くと、好きな食事に偏りがちですが、会社で朝注文できる弁当ならば

栄養バランスがとれていてヘルシーですよ、と。

 

弁当業者の弁当は「手作り」のイメージを意識した弁当で、毎日弁当を注文している

社員も、若手含めてたくさんいます。

 

特に重視しているのはコミュニケーションで、労働組合が主催する

ボーリング大会があるのですが、管理職も一緒に参加しています。

 

部門毎にそれぞれ工夫しながら行っていて、部門によっては協力会社も

一緒に参加することがあります。

労働組合から補助が出るので、それで賞品を用意したりして盛り上がっています。

 

また、社員同士の親睦のために、年に1回、会社から補助金が支給されるという制度があります。

歓送迎会や忘年会で使うことは禁止で、そういったイベント以外で、

あえて親睦を目的とした機会を設けて使うようになっています。

 

もちろん歓送迎会や忘年会も親睦の上でも重要ですが、それは自分たちの

お金でやってくださいよ、ということになります。

 

少し不思議な制度なのですが、この補助金を使うために社員同士の親睦の機会を

自分たちで工夫して作っているので、確かにコミュニケーションの促進になっていると言えます。

 

ストレスチェックの制度が始まり、今年(2017年)で2年目となりますが、

どうすれば高ストレスにならない職場が作れるのか、弊社としてもまだ事例がない状態です。

 

組織としても具体的な対策はまだ検討段階で、今のところは高ストレス対象者

に対して産業医の先生にケアをしてもらうという対応が中心になっています。

 

一方でコミュニケーションがよい職場は、個人がストレスを抱えすぎる

ことを防ぐことができると思っています。

 

そういった点でも、コミュニケーションの促進は重要だと思います。

 

【勤次郎】

特別な取り組みをするということよりも、一つ一つの取り組みを社員のためによく考えて

実践することを重視されているということが本当によく理解できました。

まさに、「声がけ」から始まる健康増進ですね。

 

【大有建設】

健康のためには、本人がその気にならなければなりません。

それまでは、啓発を続けていくことが大事だと思います。

たとえ口うるさいと思われたとしても、社員の安全と健康の方が大事です。

むしろ、社員に嫌がれる部署にならないといけないとも思っています。

 

【勤次郎】

本日はありがとうございました。