アンガーマネジメントに学ぶ4パターンの怒り方とコーピングマントラ

 

 

日々、働いていると色々なことが起きます。

部下に指導をしていても「叱責されている」と思われたり、相手のためを思っているはずなのに「パワーハラスメントだ」と言われたりすることもあります。

 

上手くいかないことでイライラすることは、誰しもあるのではないでしょうか?

そんな時は、アンガーマネジメントでうまく怒りをコントロールしてみましょう。

 

 

こんな怒り方・叱り方をしていませんか?

 

怒りは人間に備わった自然感情のひとつであり、なくすことはできません。

怒ること自体は、感情の開放にもなり、ストレスコーピングのひとつとして考えられるレベルであれば、必ずしも悪いことではないのです。

ただ、次のような怒り方は要注意です。

 

① 強度が強い

 ちょっとしたことでもすぐに激昂し、大声で怒鳴る。

 コントロールが利かなくなる。

 

② 持続性が高い

 昔のことをずっと根にもったり、突然、過去のことを思い出したりして怒る。

 

③ 頻度が高い

 一日中ずっといらいらしたり、小さなことですぐカッとなり、おさまらない。

 

④ 攻撃性がある

 誰かを攻撃したり、自分自身を攻めたり、ものに当たったりする。

 

これらの4つのパターンの怒り方・叱り方をしている場合は注意しましょう。

部下や同僚から「怒りっぽい人」「すぐ怒鳴る人」「同じことで何度も怒る人」といった悪い印象を持たれてしまいます。

 

 

怒り方・叱り方に大事なこと

 

目を細める猫

 

必要なのは、自分自身が悪い怒り方をしていると気づくことです。

もしくは、影響力のある人から注意をするなどの気づきがなければ、次へは進めません。

 

まずは、「どういう怒り方をしているか」を見せることや伝えることをしてみましょう。

 

それによって

・ 本当に怒る必要があることなのか?

・ 攻撃的な話し方をしていないか?

・ 感情だけで話していないか?

などを、自分自身でチェックしてみましょう。

 

 

今すぐにできること

 

そうはいっても、すぐに辞めることはなかなか難しいことです。

そこで、イライラを感じたときにすぐ実践できる方法があります。

 

それは、落ち着く言葉を唱えることです。

自分が落ち着くと思う言葉のことをコーピングマントラといいます。

 

マントラとは「文字」、「言葉」という意味があります。

マントラには、唱えることで気持ちが静まり、精神が穏やかになっていく効果があります。

長時間に渡ってマントラを唱え続けることで、悩みから解放され、生命力を回復させ、さらに自然治癒力があがるとも言われています。

仕事中に長時間マントラを唱える必要はありませんが、「コーピングマントラを唱えること」に気づくことがまず第一歩と考えましょう。

 

コーピングマントラは、自分が落ち着くと思う言葉であればどのようなものでも大丈夫です。

たとえば、「大丈夫、大丈夫」はいつでもどんなシチュエーションにでも利用できます。

まあいっか」は、ネガティブ感情が強い怒り方や怒りの持続性が高い人など執着の強い怒り方をする方に向いているかもしれません。

自分自身の怒りを、リセットするイメージで唱えましょう。

 

ここでおすすめしたいのは、「なんくるないさ」です。

沖縄の言葉で「なんとかなるさ」と、楽観的な見通しを意味する言葉としてよく使われています。

本来は、「いつかよい日がきっと来る」という意味で利用されていたそうです。

ポジティブに、明日に向かって進んでいくという前向きな言葉です。

 

コーピングマントラを唱えるときには、唱えることに集中しましょう。

思考を一つの動作に集中することで、建設的な感情や思考の沈静化を引き起こします。

イラっとしたときには、まず自分のお気に入りのコーピングマントラを繰り返し唱えましょう。

 

少しずつでも意識することで、人は変わることができます。

まずは、自分の感情をコントロールすることを意識してみましょう。

アンガーマネジメントは、意識しながら生活の中に取り入れ、習慣にしていくことが重要です。

 

 

出典 

中央労働災害防止協会 怒りを上手にコントロール 本多優子 著

 

監修:佐藤祐造(医師、愛知みずほ大学特別教授・名古屋大学名誉教授)