睡眠不足になってしまう理由とは? 良い睡眠のために出来る環境づくり

寝ている人

 

 

仕事に日常に追われて、睡眠不足になってはいませんか?

今回は、良い睡眠をとるためのヒントです。

 

 

良い睡眠のために必要なこと

 

自分にあったリラックス法が眠りへの心身の準備となります。

どんな方法があるのでしょうか?

 

習慣としている自分の就寝時刻が近づくと、脳は目覚めた状態から徐々にリラックスした状態に移り、やがて、睡眠に入っていきます。

スムーズに眠りへ移行するには、このような就寝前の脳の変化を妨げないよう、自分にあったリラックスの方法を工夫することが大切です。

例えば、入浴は、ぬるめと感じる湯温で適度な時間、ゆっくり入るとよいでしょう。

 

 

環境づくり

 

寝具や温度など、環境はとても重要です。

良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。

寝室や寝床の中の温度や湿度は、体温調節の仕組みを通して、寝つきや睡眠の深さに影響します。

環境温が低過ぎると、手足の血管が収縮して、皮膚から熱を逃がさず体温を保とうとします。

 

また、温度や湿度があまり高いと発汗による体温調節がうまくいかずに、皮膚から熱が逃げていきません。

どちらも、結果的に、身体内部の温度が効率的に下がっていかないために、寝つきが悪くなります。

温度や湿度は、季節に応じて、眠りを邪魔しない範囲に保つことが基本で、心地よいと感じられる程度に調整しましょう。

 

 

 

 

寝室の照明

 

照明

 

寝室照明は、明るい白ではなく温かみのある中間色を選びましょう。

明るい光には目を覚ます作用があります。

そのため、就寝前の寝室の照明が明るすぎたり、特に白っぽい色味であったりすると、睡眠の質が低下します。

就寝時には、必ずしも真っ暗にする必要はありませんが、自分が不安を感じない程度の暗さにすることが大切です。

気になる音は、できる範囲で遮断する方がよいでしょう。

 

 

朝に起きられない原因

 

1日の覚醒と睡眠のタイミングを司っている体内時計は、起床直後の太陽の光を手がかりにリセットし、1日の時を刻んでいます。

光による朝のリセットが毎朝起床直後に行われないと、その夜に寝つくことのできる時刻が少しずつ遅れます。

 

起床時刻が遅くなることで、夜型化してしまいます。

それは、朝、暗いままの寝室で長い時間を過ごすことで、起床直後の太陽光による体内時計のリセットがうまく行えないためです。

このリセットが行えないため、夜の睡眠の準備が遅れ、さらに朝寝坊の傾向を助長してしまうのです。

 

 

体内時計のリズムを保つ

 

休み明けにすっきり起床できないのは、体内時計がずれているためです。

若年世代は、平日と比べて、休日に起床時刻が2〜3時間程度遅くなることが世界的に示されています。

これは、平日の睡眠不足を解消する意味がある一方で体内時計のリズムを乱してしまいます。

このことから、休日後、通勤日の朝の覚醒・起床を困難にさせることにつながるのです。

 

起床時刻を3時間遅らせた生活を2日続けると、高校生では体内時計が45分程度遅れることがわかっています。

こうした休日の睡眠スケジュールの遅れは、夏休みなどの長期休暇後に大きくなります。

 

 

スマホやゲームが寝不足の原因に

 

若年世代では、夜更かしが頻繁に行われることで、体内時計がずれ、睡眠時間帯の不規則化や夜型化を招く可能性があります。

特に、寝床に入ってから携帯電話、メールやゲームなどに熱中すると、目が覚めてしまいます。

さらに、就床後、光の刺激が長時間入ることで覚醒を助長することになり、夜更かしの原因になるので、注意が必要です。

 

スマホをいじる人

 

スマホやゲームなどの物理的刺激だけでなく、体内時間のずれも寝不足の原因になることがわかっています。

単に睡眠時間が短いこと、質が悪いことだけでなく、起きるタイミングもとても重要です。

スマホのアプリなどを利用して、眠りが浅い時に起きるなどの工夫をしてもよいでしょう。

 

 

出典

厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014

 

監修:佐藤祐造(医師、愛知みずほ大学特別教授・名古屋大学名誉教授)