健康管理関連アプリの開発とデジタル・ヘルスの推進の関係性とは?

遺伝子

 

 

増え続けている健康管理アプリ

 

現在、毎日約200のアプリがAPP StoreやGoogle Playなどに新規で掲載されているそうです。

 

健康関連アプリで最も大きな割合を占めているのは、wellness Management(ダイエット含めた健康増進関連)アプリです。

近年は、Health Condition Management(患者対応を含めた健康状態管理)関連アプリも同様に伸び続けているそうです。

 

このHealth Condition Managementの中では、特定の疾患に関連するアプリの構成比が最も高いそうです。

次に治療関連情報を提供したり告知したりするアプリが続き、さらに女性の健康や妊活に関するアプリが続いています。

 

特定の疾患に関連するアプリとしては、メンタルヘルスや行動障害に関するものが28%と最も構成比が高く、糖尿病関連が16%、心臓・循環器関連が11%と続いています。

1千万以上ダウンロードされている健康管理関連アプリのうち、約55%以上がセンサーが自動時にデータを取得するものとなっています。

 

ウェアラブルデバイスはそのセンサーの典型ですが、その多くが消費カロリー、歩行距離、歩数、心拍数などを自動測定できるようになっています。

さらに、睡眠時間も測定できるものも増えています。

また、血糖値、血圧、血中アルコール濃度など、かつて専用機器で測定する必要があった項目も、ウェアラブルデバイスで自動計測できるようになっているものもかなり出てきています。

 

健康関連アプリの73%は、英語対応をしています。

それに続くのが、中国語です。

ヘルスケアの領域では、最初からグローバルマーケットを視野に入れる必要があるといえます。

 

 

ヘルスケア関連アプリの今後の課題

 

これからヘルスケア関連アプリの市場は拡大していく一方で、消費者の目も厳しくなっていくと考えられます。

 

センサーを用いた自動的なデータ取得技術と特定の領域での高い専門性を持った健康関連アプリがグローバルマーケットで多くのユーザーを獲得し、その獲得したユーザーからのデータに基づきさらに技術をブラッシュアップしていくことになるかもしれません。

 

領域はダイエットやエクササイズから、予防さらには治療の領域へと急速にシフトしています。

そういった時代の流れをつかみながら、ターゲットを明確に定め、技術的優位性と独自性を発揮したアプリが生き残っていくのではないでしょうか?

 

健康関連アプリやデバイス、電子カルテ、院内システム、遠隔医療システムといったハード・ソフトを含めたデジタル・ヘルスの市場規模は、年々拡大し、グローバルで1000億ドルを到達する勢いです。

ハードとソフト、それぞれのテクノロジーが共にイノベーションを起こして新しいマーケットを作り出しており、まださらなる成長が続くと考えられます。

しかし、この領域で日本の世界におけるプレゼンスは決して高いとはいえません。

 

 

最後に

 

デジタル・ヘルスの推進にあたっては、一企業だけで完結するのではなく、官民連携した仕組み、さらには大学・保険者・異業種企業までもが協働してシステムを設計し、実装し、実行していく必要があると考えられます。

マルチステーク・ホルダーによるオープンイノベーションは、日本企業が苦手とするところです。

しかし、世界に先駆けて超高齢社会を迎えた日本こそ、その取り組みは不可欠であると考えられます。

 

健康経営のさらなる普及が、ヘルスケア新産業を創出し、デジタルヘルスの分野でも日本が世界をリードできるようになることを期待されています。