千葉県糖尿病性腎症重症化予防プログラム
「健康ちば21(第2次)」の中間評価の結果、施策Ⅲでは「糖尿病性腎症重症化予防の推進のため、プログラムの周知や関係機関との連携体制を構築」する旨を定めました。
そして、新たに千葉県糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定しました。
糖尿病性腎症予防については、国の健康日本21(第二次)等において、その取組が強力に全国的に展開されることが期待され、国保保険者努力支援制度の項目の一つにもなっています。
千葉県では、国の定めるプログラムの内容を踏まえた上で、特に、積極的に介入して保健指導や専門医への受診を促すことが重要であるとの方向性に基づき、以下団体に所属する13名の委員からなる予防対策推進検討会を設置して議論を行い、「対象者の抽出基準」「介入方法」「連絡体制」についてプログラムに示しました。
・ 船橋市
・ 我孫子市
・ 千葉県後期高齢者医療広域連合
・ 健康保険組合連合会千葉連合会
・ 全国健康保険協会千葉支部
・ 千葉県国民健康保険団体連合会
・ (公社)千葉県医師会
・ (一社)千葉県糖尿病対策推進会議
・ (独)国立病院機構千葉東病院
・ (国)千葉大学
・ (公財)日本糖尿病協会千葉県支部千葉県糖尿病協会
・ 千葉県保健所長会
各団体からの委員が参加する検討会での議論に基づき、千葉県医師会、千葉県糖尿病対策推進会議、千葉県保険者協議会、千葉県糖尿病協会が関係機関4団体と連携します。
そして、県内の医療資源を最大限活用して、糖尿病性腎症重症化予防に取り組むための介入方法を以下のような形で想定しています。
(資料出所:千葉県糖尿病性腎症重症化予防プログラム概要より引用)
医師・保険者・薬局等が連携して、対象者を把握し、予防への早期取組を促すための仕組みとなっています。
さらに、糖尿病性腎症の発症・重症化のリスクがある糖尿病未治療者・健診未受診者・治療中断者や、糖尿病による通院中で重症化リスクの高い人等に対して、継続受診を勧奨します。
併せて、適切な保健指導を行うために、連携体制の構築を以下のような形で目指しています。
(資料出所:千葉県糖尿病性腎症重症化予防プログラム概要より引用)
本プログラムは、県内の各医療保険者が医療機関等と連携して重症化予防に取組むための考え方や標準的な内容を示すものです。
各保険者における取組内容については、実情に応じて柔軟に対応することになっています。
現在、千葉県や県医師会、地区医師会が中心となって、医師や保健指導従事者向けの研修会を開催しています。
今後、市町村や各健保組合等があるエリア毎に研修会を展開していき、県内全域の各保険者の自律的な運営を促していくための活動をしていきます。
保健所圏地域・職域連携推進事業
「健康ちば21(第2次)」の施策Ⅳにある通り、「地域の特徴に応じて健康づくりに関する取組の推進」を図るためのつながりの強化や環境の整備に取り組んでいます。
その一つに、保健所圏地域・職域連携推進事業があります。
千葉県内にある習志野・市川・松戸・野田・印旛・香取・海匝・山武・長生・夷隅・安房・君津・市原の各保健所が主体となり、保健所圏内の自治体・保険者・商工会議所・医師などからなる協議会を開催しています。
また、保健所単位で、地域保健と職域保健の連携により喫煙対策、食と健康、働きざかりの心とからだの健康づくり、糖尿病重症化予防など、各テーマに則った事業を開催しています。
事業の内容としては、例えば啓発チラシ・リーフレットの配布、講習会・イベントの開催などがあります。
このように、千葉県では、保健所が主体となった事業に商工会や保険者等も参加することにより、職域を通じての働く世代の健康増進の取組への働きかけを行っています。
その他、働く世代の健康増進に向けて
働く世代に対しては、千葉県糖尿病性腎症重症化予防プログラムでの職域保険者との連携や保健所圏地域・職域連携推進事業以外にも行っていることがあります。
県として、ウォーキングや市町村独自の体操をホームページに掲載して普及啓発を行っています。
「健康ちば21(第2次)」の施策Ⅱ「ライフステージに応じた心身機能の維持・向上」での重点的テーマであるロコモティブシンドロームについても、高齢期前からの心身機能の維持向上の取組が必要です。
そこで、働く世代への認知度の向上にも努めており、普及啓発に力を入れています。
(出所:千葉県ホームページ)
2015年5月15日に日本整形外科学会から発表されたロコモ度を判定する「臨床判断値」のホームページへの掲載や、日本整形外科学会のリーフレット配布によって、ロコモ度判定やロコモを防ぐ運動の実践も呼びかけています。
また、女性と男性は、身体のつくりや生理的な機能が異なるだけでなく、かかりやすい病気や、病気になった時の経過・薬の効き方などにも違いがあります。
千葉県では、こうした視点から病気の予防や健康づくりを進めるため、2002年度から、「女性の健康支援事業」の取り組みをはじめました。
2007年度には、男性の健康支援も含む「性差を考慮した健康支援事業」、2013年度からは「一人ひとりに応じた健康支援事業」として、取り組んできました。
健康相談・健康教室・保健医療従事者等研修会の開催、女性のための健康リーフレットの作成、若い女性の健康支援などを行っています。
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