健康知立(ともだち)マイレージで市民の健康づくりを目指す 知立市

ちりゅっぴ

 

 

知立市は愛知県のほぼ中央に位置し、主要国道、県道、そして名鉄本線、

名鉄三河線が交差する交通の要衝となっています。

馬市があったことで知られている東海道五十三次の39番目の宿場町

「池鯉鮒宿(ちりゅうじゅく)」があった場所です。

 

また、「伊勢物語」の中で在原業平が三河八橋において愛でた

「かきつばた」が市の花となっています。

 

「知立の山車文楽とからくり」が、ユネスコ無形文化遺産に登録されるなど歴史との

ゆかりが深く、また、地元の和菓子である大あんまきは知立名物として有名です。

 

2018年6月時点の人口は72,035人、高齢化率は19.6%となっています。

合計特殊出生率が2008年から2012年で1.79と高く、知立市の人口は自然増を続けています。

 

現在、「第6次総合計画」において、「知立駅周辺の整備効果の本市全体への波及」、

子どもや子育て世帯の暮らしやすさの向上」、「自助・共助・公助が息づく協働のまちづくり

を基本的な方針として掲げています。

特に、これからを担う子どもや若者がいきいきと暮らし、活躍できるまちへの取り組みを推進しています。

 

 

健康知立ともだち21計画

 

知立市は2003年度に「健康知立ともだち21計画」を策定し、健康づくりを進めてきました。

一次予防に重点を置き、生涯を通じた健康づくりを進めること、

みんなで支える健康づくりを推進すること」を基本方針としています。

 

2015年度からの「第2次健康知立ともだち21計画」では、「健康知立ともだち21計画」

を引き継ぎつつ、少子高齢化が進む社会において、子供から高齢者まですべての

市民が健やかで心豊かに生活できる環境整備を目指して、10年間の健康づくりの計画を定めています。

 

「第2次健康知立ともだち21計画」は「すべての市民が共に支え合い、希望や生きがいを持ち、

各世代に応じた健康づくりを実践するまち~輝くまち みんなの知立~」を基本理念とし、

以下の3つを基本方針としています。

 


 

1)生活習慣を見直し健康を増進します。

生涯を健康に暮らしていくために、市民一人ひとりが健康の重要性を自覚し、

正しい生活習慣のあり方について理解し、実践していけるように支援します。

 

2)疾病の発症予防と重症化予防を徹底します。

生活習慣の改善等により、疾病の発症を予防するのと同時に、健康診査やがん検診等により

疾病を早期発見、早期治療につなげ、合併症の発症や重症化を予防する対策を推進します。

 

3)社会で支える健康づくりを推進します。

行政だけでなく、地域、事業所、団体等が連携しながら市民の健康づくりを支援します。

また地域活動やボランティア活動などを通じて、市民が健康に関心を持ち、地域全体で

健康づくりに取り組める環境整備を行います。

 


 

第2次健康知立ともだち21計画の周知・活動戦略は、以下の通りとなっています。

 

① 健康づくり応援キャラクターを活用した親しみやすい情報発信

② ウェブを有効活用し、若年層が効果的に取り組める情報発信

③ 各課と連携した一元的な情報提供

④ 健康マイレージ事業など市民が意欲的に健康づくりに取り組める仕組みづくり

⑤ 実施計画策定による事業の明確化

 

健康づくりの活動には、関心が高い人とそうでない人がいます。

そこで、市民に親しまれている知立市のマスコットキャラクター「ちりゅっぴ」や

健康づくり応援キャラクターである「かっきー」から情報発信をしてもらい、

健康づくりをより身近に感じてもらえるように、はたらきかけています。

 

また、市内施設「福祉の里八ツ田」で開催した福祉健康まつりでは、健康の広場を

設け、葉っぱの形をした紙に、市民一人ひとりに健康づくりの目標を記入してもらいました。

その目標を「健康の樹」のポスターに貼ってもらったところ、葉っぱの数はポスターが

一杯になる400枚を超えました。

 

様々な年齢層で、考え方もそれぞれ違う市民が一緒に健康づくりに取り組んでいく

ためには、こういった親しみやすさや市民とのふれあいとの中で、一人ひとりに

意識を持ってもらうことが重要だと考えています。

 

 

健康知立(ともだち)マイレージ

 

健康知立マイレージは、第2次健康知立ともだち21計画の実践の一つ

として、2015年度から実施している施策です。

健康づくりに取り組んで、ポイントをためる仕組みになっています。

 

以下のA~Dのそれぞれの方法で健康づくりに取り組み、合計で50ポイントに

達したら、チャレンジシートを提出して参加賞と「まいか」を入手することができます。

さらに、同時に賞品の抽選に一口応募することができます。

 

その年度の期間中、一人何口でも応募することができます。

ただし、「まいか」についてはその年度で一人1枚のため、入手できるのは

最初の50ポイント提出時の一回のみとなります。

 

健康知立マイレージ チャレンジシート

(資料出所:健康知立マイレージ チャレンジシートより)

 

AからDのポイントについて説明します。

 

【A レッツ健(検)診ポイント】

健(検)診を受診すると、健(検)診の内容に応じて1ポイント

または5ポイントもらえます。

 

レッツ健(検)診ポイント

(資料出所:健康知立マイレージ チャレンジシートより)

 

【B チャレンジ健康づくりポイント】

自分で健康づくりのための目標を決めて、30日間記録をつけたら

25ポイントもらえます。

 

チャレンジ健康づくりポイント

(資料出所:健康知立マイレージ チャレンジシートより)

 

【C ボランティア・健康に関するイベント・地域活動へGO!ポイント】

任意のイベントや地域活動に参加して、活動内容と活動日を記入すると5ポイントもらえます。

 

ボランティア・健康に関するイベント・地域活動へGO!ポイント

(資料出所:健康知立マイレージ チャレンジシートより)

 

【D スタンプポイント】

対象となるイベントに参加して、スタンプを押印してもらうとそれぞれ10ポイントもらえます。

 

スタンプポイント

(資料出所:健康知立マイレージ チャレンジシートより)

 

「まいか」は初回のみですが、参加賞については、チャレンジシートの提出毎にもらうことができます。

 

参加賞は障がい者就労施設の製品で、以下のようなものがあります。

参加賞を受け取った参加者の評判もよく、参加賞をきっかけに購入を

続ける市民の方もいて、事業所にとっても認知度向上にもつながっています。

 

賞品

 

抽選で当たる賞品については、主に、協賛企業の協力によって提供を受けています。

 

保健センターが企業を訪問して、協賛としての抽選賞品提供を依頼したところ、

様々な企業・店舗から商品が集まりました。

賞品が充実することで市民の参画への意欲も高まると考え、知立市からも

商品券やちりゅっぴのぬいぐるみを抽選賞品として提供して、賞品の充実を図っています。

 

さらに多くの企業・店舗に健康知立マイレージ事業への理解と応援をいただくこと

ができれば、より賞品が充実し、参加者にとっての健康知立マイレージ事業への魅力が高まります。

そのため、保健センターとしても継続的に協力企業・店舗への依頼に取り組んでいます。

 

なお、2018年度は、以下のような企業・店舗からの協賛を得ました。

 

2018年度の賞品

 

 

健康知立マイレージの今後の取組について

 

知立市は健康知立マイレージの導入の前から、様々な形で、ウォーキングの活動を行っています。

 

例えば、都市計画課は池鯉鮒散歩みち協議会にて市内に「散歩みち」を策定し、

その散歩みちを市民で歩く「わくわくウォーキング」を開催しています。

 

また、生涯学習スポーツ課は毎年5月に「市民歩け歩け運動」を開催しており、

知立中学校から明治用水緑道沿いを八橋の文化広場まで約4kmのコースを市民で歩いています。

 

さらに、市民ボランティアによる「健ボラ・ウォーキング」として月2回

(ただし夏は暑いので休み)を目途に5km程のコースを歩くイベントがあります。

保健センターからも告知を行うなどして一緒に取り組んでいるほか、地区健康推進員活動

でのウォーキング、町内会でも自発的にウォーキングをしている人もいるようです。

市民有志でのウォーキングの活動も盛り上がっています。

 

こういった各部署およびボランティアが開催するイベントは、知立市のこれまでの

有志の方々が培ってきた重要な資産であり、市民の参画者も多いのです。

また、地域に根差して頻度高く開催されているため、市民のウォーキングへの

参加意識を高める上でも大きな役割を担っています。

 

健康知立マイレージは、「市民歩け歩け運動」と「わくわくウォーキング」に

参加するとDのスタンプポイントを獲得できるようにして、連携を図っています。

 

また、知立市は協会けんぽ愛知支部と包括協定を締結し、職域での健康づくりに

ついて協会けんぽ愛知支部と連携して取り組んでいます。

協会けんぽからは知立市民の被保険者に対して、健康知立マイレージのチャレンジシートを

送ってもらうことで、働き世代にも健康知立マイレージの制度を知ってもらう

ことができるよう、協力をしてもらっています。

 

健康知立マイレージへの参加者は、チャレンジシートの提出枚数でようやく1000枚を

上回ったところであり、さらなる普及・啓発が必要な状況です。

「職場のすすめ」や「家族知人のすすめ」による参加者が増加しており、こういった

取り組みによる口コミ、PR効果が重要であると考えています。

知立市ならではの親しみやすさと市民とのふれあいの中で、健康づくりに継続的に

取り組む環境をつくっていきたいと考えています。

 

なお、健康知立マイレージはA~Dポイントの合計で50ポイントを獲得すると、

チャレンジシートを提出して申請することができます。

 

ただ、提出されているチャレンジシートの統計を取ると、Bポイントの比率が

高いことが分かっています。

1か月間毎日健康づくりの記録をつけると、Bポイントだけで合計50ポイント獲得できます。

その一方で、健(検)診を受けるともらえるAポイントの比率が低いことが課題ととらえています。

 

健(検)診を受けてもらうことは、市民に自分の健康状態を知り、予防のための

生活習慣改善につなげてもらうための第一歩です。

そのため、健(検)診を受けてもらうように、Aポイントの普及・啓発を強化

していきたいと考えています。

 

知立市は、市民への声かけやコミュニケーションの中で健(検)診の受診や

健康づくりを呼び掛けることが大切であると考えています。

例えば、妊婦さんや子育ての母子に健(検)診の重要性を呼びかけ、家族の健康づくりに

つながるような、そういった取り組みを継続していきたいと考えています。