「職場の救急箱」にはルールがある? 用意しておくべきものは何?

救急箱

 

 

どんな仕事にも、ケガをする可能性はあります。

そんな時の為に、救急箱の備えは十分ですか?

今回は、「職場の救急箱」についてのルールと用意しておくべきものについて紹介します。

 

 

職場の救急について

 

もし、職場で同僚が意識を失い、呼吸のない状態に陥ったら、どんな行動をとりますか?

すぐに救命措置を始めることができれば良いのですが、実際はパニックになり、適切な措置ができないかもしれません。

 

労働安全衛生規則と事務所衛生基準規則には、救急箱の設置に関する規定が定められています。

また、危険な作業や有害な作業が伴う職場での事故等に備え、労働安全衛生法や労働安全衛生規則で職場の救急に関する規定が定められています。

(労働安全衛生法第25条の2・第30条の3、労働安全衛生規則第24条の3から9)

 

 

正式には救急用具

 

色んな治療道具

 

全ての事業所には、労働安全衛生規則で救急箱の設置が規定されています。

救急箱は規則の中で救急用具と呼ばれます。

そして、第633条では、以下のように規定されています。

 


 

「事業者は、負傷者の手当に必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない。

事業者は、前項の救急用具並びに材料を常時清潔に保たなければならない」

 


 

さらに、救急用具の内容も規定されています。

 


 

「事業者は、前条第一項の救急用具及び材料として、少なくとも、次の品目を備えなければならない。

一 ほう帯材料、ピンセット及び消毒薬

二 高熱物体を取り扱う作業場その他火傷のおそれのある作業場については、火傷薬

三 重傷者を生ずるおそれのある作業場については、止血帯、副木、担架等」

 


 

 

 

 

ほう帯材料

 

ほう帯材料とは、ほう帯(弾性のあるもの・ないもの)・ガーゼ・ガーゼ用テープ・安全ピン・滅菌ガーゼ・脱脂綿・綿棒などです。

個包装してあるものが良いでしょう。

また、ほう帯をカットするはさみも必要です。

 

消毒などをする際には、使い捨てのビニール手袋や大きめの使い捨て綿棒も用意しましょう。

業種によって切創や大きなやけどが多い場合には、大きい滅菌ガーゼ、ガーゼ用テープも多めに用意するなど工夫しましょう。

 

 

その他の薬剤

 

外用薬として、下記のものを少量で用意すると良いでしょう。

 

1.局方消毒用アルコール (出きるだけ少量のものを採用しましょう)

2.創部消毒薬 (塩化ベンザトニウム等が主成分の物がよいでしょう)

3.抗生剤軟膏

4.かゆみ止め軟膏

5.湿布薬

 

内服薬は、次のものを参考にしましょう。

個包装の散剤、カプセルをできるだけ、少量ずつ購入しましょう。

瓶入り錠材は開封後6ヶ月が限度、個包装であれば、2-3年は保存可能です。

 

1.胃腸薬(制酸剤、H2ブロッカーを含まないもの)

2.整腸薬(乳酸菌製剤が適当)

3.感冒薬(催眠作用が少なくカフェインも少ないもの)

4.解熱・鎮痛薬(アセトアミノフェン単剤の製品が副作用が少ない)

 

救急箱2

 

 

他にあると便利なもの

 

1.血圧計(バイタルサインの基本)

2.体温計(インフルエンザ流行時には重宝)

3.マスク

4.ビニール袋(ゴミ袋代替、膿盆代替、シーツ代替、手袋代替)

5.絆創膏

6.紙袋(過呼吸)

 

 

管理方法

 

薬品管理者を決めて、薬品リストを作成し、出納を記入します。

また、月に一度は点検して、補充や期限切れを確認します。

直射日光の当たらない場所に保管し、救急箱の中や周りに「救急マニュアル」「緊急連絡先・連絡網」などを一緒に保存します。

救急用具配置場所については、全従業員がわかるところに掲示するか、配置することが必要です。

 

救急用具については、衛生委員会と産業医で相談し、配置場所や内容を決めると最適な内容になるでしょう。

年に一度、衛生委員会で救急措置について話し合い、救急用具点検をすることをおすすめします。

 

 

参考

常備救急用品、薬品 産業医 櫻澤 博文

 

監修:佐藤祐造(医師、愛知みずほ大学特別教授・名古屋大学名誉教授)