メタボリックシンドロームとは
内臓脂肪の蓄積により、さまざまな生活習慣病のもととなるメタボリックシンドローム。
その状態を改善する最良の方法は「減量」です。
からだについた余分な脂肪を落とす食べ方や調理のコツをマスターしましょう。
そのために、まずは減量!
エネルギー摂取量を減らすコツを、つかみましょう。
食べすぎないための工夫
一品で手軽に食べられる丼物やめん類などは、炭水化物と塩分が多く栄養バランスが偏りがちです。
できれば、主食、主菜、副菜などがそろった定食を選びましょう。
単品料理を食べる場合は、野菜が入った小鉢などをつける、できるだけ具の種類が多いものを選ぶなどのひと工夫をしましょう。
できれば、多過ぎるごはんは残し、野菜のおかずを1品プラスしてみましょう。
帰宅時間が遅くなるなどの理由で、昼食から夕食の間が長くあいてしまう場合、空腹による食べ過ぎが心配です。
そこで、間食をうまく利用しましょう。
例えば、夕方、勤務先でおにぎりなどの主食を食べて、帰宅したら主食以外のおかずを食べるようにします。
間食も夕飯もしっかりと食べてしまうと、エネルギーオーバーになるので注意しましょう。
おかずとごはんを順繰りに均等に食べることで、口の中でうまみが引き出されます。
これを、「口中調味」といいます。
塩分はだ液でほどよい濃度に調整され、薄味のおかずでもおいしく食べることができます。
味わうことを楽しみ、バランスよく栄養をとりましょう。
積極的に食べたいもの
野菜や海藻類、きのこなどに含まれる食物繊維は、糖質やコレステロールの吸収を緩やかにする、食後血糖値の上昇を抑制するなど、メタボリックシンドローム改善に有効です。
野菜をたっぷり食べるコツは、加熱することです。
具だくさんのスープにしてみると、良いでしょう。
また、ミニトマト、きゅうりなどすぐに食べられる野菜を常備しておくことなどもオススメです。
気をつけたい食べ物
ごはんなどの炭水化物のエネルギー量は、1gあたり4kcalなのに対し、脂質(油)は9kcalあります。
そのため、スナック菓子、揚げ物を食べる機会を減らすだけで、摂取エネルギーをダウンさせることができます。
また、ファストフードは、フライドポテトなどとセットで注文するよりも、単品+サラダの組み合わせがおすすめです。
食べ方にも一工夫
よくかんで食べると、少量の食事でも満腹のサインが脳に伝わりやすく、食欲が抑えられます。
かみごたえのある食品を選び、かむ回数を増やしましょう。
かみごたえのある食品選びとして、以下のように食品を変えるとかむ回数が多くなります。
・ ごはんから麦ごはん
・ 食パンからフランスパン
・ ハンバーグからポークソテー
・ マグロの刺身からイカやタコの刺身
・ いもの煮物からごほうやれんこんの煮物
また、大きさも小さくしてしまうと飲み込みやすくなり、かむ回数が減ります。
なるべく大きく切ること、柔らかくなるまで煮てしまわないことなどに注意しましょう。
メタボは万病のもと
メタボを、単なる「おなかぽっこり」とあなどってはいけません。
内臓のまわりに脂肪が蓄積されているだけでなく、高血圧、高血糖、脂質異常のうち複数のリスクがある状態です。
放置すれば、さまざまな生活習慣病の引き金となり、脳卒中や心臓病を招きやすくなります。
メタボで始まる負の連鎖
メタボの怖いところは、放置すると次々と高血圧症、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を発症することです。
これを、メタボリックドミノといいます。
「食生活が乱れているな」と思った方は、今後抱える様々な病気の発症を防ぐため、できるだけ早い段階で食生活を整えましょう。
また、ウォーキングをはじめとした運動で、体を動かしましょう。
出典
MSD株式会社 メタボリックシンドロームの方のためのやさしい食卓
監修:佐藤祐造(医師、愛知みずほ大学特別教授・名古屋大学名誉教授)