アトランティック・ヘルスシステムとは
アトランティック・ヘルスシステムは、アメリカのニュージャージー州に本社を置き、全米で18の病院を経営している会社です。
1996年に設立され、2017年時点で従業員数は11,926人、収入は22.4億ドルです。
この病院は、毎年 “Fortune 100 Best Companies to Work for” にランクインしている「働き甲斐のある」病院です。
病院のスタッフだけでなく、優秀な医師もこのアトランティック・ヘルスシステムで働きたいということで全米から集まってきます。
アトランティック・ヘルスシステムの取り組み
アトランティック・ヘルスシステムの取り組みは、働き方改革という観点から学ぶ点が多数あります。
その一部を、ご紹介します。
なお、以下の内容は、Great Place to Work Institutesがホームページにて公表している内容を参照させていただき、当社がまとめたものです。
全てを和訳しているわけではないことをご理解の上、ご覧ください。
【授業料返還プログラム】
より高い教育を受けることを望む従業員の教育費を、補助するプログラムです。
最大で、年間5,000ドルの補助があります。
従業員は、大学含めた多数の教育機関から選ぶことができ、かつ地元の大学で教育を受ける場合はアトランティック・ヘルスシステムの従業員としての割引を受けることが出来ます。
さらにEdAssist等によって、学位を取得するまでのサポートを得ることも出来ます。
【不妊治療および妊産婦福利厚生】
不妊治療については、治療薬や体外受精手続きにかかった費用を病院が無制限に負担し、妊産婦については子供の送り迎え、病院費用含めて100%カバーをしています。
女性スタッフの76%が、この制度を活用しているそうです。
【メンターシッププログラム】
職位や職域を超えて、コラボレーションする機会が与えられています。
経験を積んだ従業員が、自発的に自身の専門性や経験を共有し、ベテラン社員と新社員が独自の関係性でお互いに成長を分かち合うことができます。
【ペットセラピープログラム】
アトランティック・ヘルスシステムでは、患者のストレス低減の為のツールとして利用しているペットセラピーを、従業員にも利用しています。
さらに、アトランティック・ヘルスシステムの従業員は、自分のペット犬をアトランティック・ヘルスシステムの公認ペットチームとすることが推奨されています。
【レクリエーション】
ブロードウェイミュージカルやスポーツ観戦など、様々なイベントの割引チケットが提供されており、全ての従業員がメールを通じて申請するだけで利用できます。
【Food for Thought】
CEOが、従業員と会話をする為に会場を用意・招待します。
参加した従業員は、その場で自由に自分の考えや意見を述べることが出来ます。
この取り組みは、アトランティック・ヘルスシステムのコミュニケーション改善にも役立っています。
【Shout Outs 】
従業員が同僚をたたえる言葉を、イントラネット上のメッセージボードに掲載するものです。
仕事における、努力や会社に貢献するアイデアへの感謝の気持ちを伝えるために使われています。
2015年中に、アトランティック・ヘルスシステムの従業員は、311,000回以上もこの Shout Outsのページを見たそうです。
【School at Work】
6ヶ月のカリキュラムで組まれる、職場でのキャリア開発システムです。
勤務時間中に、ヘルスケア分野における他のキャリア開発の為に必要なスキルを学ぶことができます。
【組織開発コース】
従業員に対して、組織開発コースに参画する機会を提供しています。
アトランティック・ヘルスシステム独自の、ボランティアポータルを運営しています。
このサイトを通じて、従業員は近くのボランティア活動を見つけることが出来ます。
24時間を超えてボランティア活動に勤しんだ従業員に対して、毎月認証が提供されます。
最後に
以上、一部を引用してご紹介しました。
福利厚生が充実しているという見方もありますが、従業員に対し、働くことを通じて自らを開発し、かつ地域に貢献していってほしいという想い、そして従業員と一緒に、地域に貢献できる素晴らしい組織体になっていきたいという気持ちが強く伝わってきます。
以前、アトランティック・システム社をご訪問した際、大変歓迎していただき、丁寧な対応をいただくとともにとても印象深いプレゼンテーションをしていただきました。
従業員が、自分の働く環境に誇りをもって、いきいきと働くことができると、その組織はとても素晴らしい組織になると強く感じました。
全ての企業で、同じことができるわけではありません。
しかし、同じような考え方を持ち続けて、自社でできることを実践していけば、従業員と、地域とともに、成長していくことが出来そうです。