神奈川県厚木市とあゆコロちゃん
厚木市は神奈川県の中央に位置し、秦野市、愛甲郡清川村・愛川町、相模原市、座間市、海老名市、高座郡寒川町、伊勢原市、平塚市の6市2町1村に接しています。
新宿へのアクセスも良好なことから、ベットタウンの位置づけにあります。
同時に、西に大山があり、北から東にかけて相模川が流れているなど自然豊かな都市としての性格も持っています。
厚木市では、一人一人が地域に関心を持ち、日頃から助け合い、市民協働で身近な課題に取り組むことで、笑顔で暮らせる安心・安全なまちを作ることができると考えています。
家庭や地域で思いやりの心を育み、ふるさとを世代を超えて愛し、誇れるまちとするため、「市民ふれあい都市」宣言を行っています。
以下は、その宣言の内容です。
■ ふれあいの家庭づくり
家族との絆(きずな)を深め、人を思いやる豊かな心を育み、ぬくもりのある「心ふれあう家庭」をつくりましょう。
■ ふれあいの地域づくり
地域に暮らし、働き、学ぶ中で、地域活動の輪を広げ、みんなで支え合う「心ふれあう地域」をつくりましょう。
■ ふれあいのまちづくり
人とのつながりの輪を広げ、希望に満ちた、未来に輝く「心ふれあうまち厚木」をつくりましょう。
厚木市のご当地キャラクターであるあゆコロちゃんは、あつぎの名産「アユ」と「厚木シロコロ・ホルモン」のブタがモチーフになっているキャラクターです。
花火やサツキの花、温泉などあつぎの魅力いっぱいの手作りハッピが一番のお気に入りです。
あつぎの魅力をPRする「シティセールス大使」として、日々あつぎを盛り上げるために頑張っています。
厚木市の健康づくり
厚木市の人口は、2017年1月時点で約226,600人となっています。
全国平均と比べると高齢化率は低いものの、2013年に20%を超え、2015年には22.9%となっていて、今後さらに高まっていくことが予想されています。
厚木市では、国民健康保険加入者の40 歳から74 歳までを対象に特定健康診査を実施しています。
2015年度の特定健康診査の受診率(法定報告値)は、男性全体では27.2%、女性全体では36.8%でした。
その中で、内臓脂肪症候群該当者の割合は、男性全体では26.8%、女性全体では10.2%となっています。
健診受診率向上と生活習慣予防活動の増進が、大きな課題となっています。
2016年度に、健康増進及び食育推進を図る「第2次健康食育あつぎプラン」を策定しました。
『生涯現役健康都市』の実現を目指し、健康寿命の延伸を実現するために、基本目標として「健康寿命の延伸、みんなで描く健幸生活」を掲げています。
また、「基本方針」として「生活習慣病の発症予防と重症化の予防」「生涯にわたる食育の推進」「生活習慣及び社会環境の改善」「市民との協働による健康づくりの推進」の4つを設定しています。
また、「心のケア」については、「こころの体温計」という仕組みを構築しています。
「こころの体温計」は、簡単な質問に答えるだけで、様々なキャラクターがストレスの大きさや落ち込み度を教えてくれます。
「家族モード」「ストレスタイプテスト」「赤ちゃんママモード」「アルコールチェックモード」「大切な人を突然亡くされたあなたへ」などがあります。
さらに、市内の飯山・七沢地域にある各旅館が独自で環境・運動・食事・温泉の4つの要素を組み合わせた健康プログラム「健康づくり大学」や、認定資格を取得した森の案内人による自然を活用した「森林セラピー」などの健康づくり活動を行っています。
あゆコロちゃんGENKIポイント
厚木市では、市民が気軽に楽しみながら健康づくりを実践し、市民の健康意識の向上を図るため、「あゆコロちゃんGENKIポイント」を実施しています。
20歳以上の市内在住者、在勤者、在学者が対象で、6月1日から翌年2月15日までを実施期間としています。
この期間中、各種健診事業の受診、健康増進事業・関連事業等への参加、健康や食育に関する個人目標の実践によりポイントを貯め、応募すると抽選で様々な特典が当選する仕組みです。
特典は、市内にある七沢温泉・飯山温泉の温泉入浴券、夢未市・厚木市まるごとショップあつまるなどの商品券、厚木市・友好都市の物産引換券などです。
それに加え、企業賞、後期高齢者賞、国保賞などがあります。
特に企業賞については、以下のような市内各企業から様々な提供を受けており、参加者の人気が高いです。
あゆコロちゃんGENKIポイントは、厚木市市民健康部健康医療課(現 健康長寿推進課)が主体となって2015年度から開始しました。
第1回となる2015年度の協力企業はわずか2社でしたが、2016年度は事業開始前から市内の企業に訪問し、結果として15社の企業等の協賛により、特典の提供を受けました。
企業賞は、ホームページで随時更新しており、チラシやポスターにも協賛企業として掲載しています。
企業賞は抽選で選定され、「この商品が欲しい」という指定をすることはできません。
ポイントが30ポイント貯まれば1口応募でき、6月1日から2月15日までの事業期間内ならば一人当たり申請口数の制限なく応募できます。
そのため、期間内で何口も応募する参加者も多くいます。
参加賞は30ポイントコース、90ポイントコースそれぞれ全員1回のみとなっています。
2015年度はピンバッチ、2016年度はハンドタオルが配布されました。
ハンドタオルは、「ウォーキング等で汗をかいたときのために」という意味も込めています。
ポイントは、以下の3つの行動によって付与されます。
① 健診・検診等の受診
② 指定の教室・市主催事業等への参加
③ 個人目標への取り組み
【① 健診・検診等の受診】
人間ドックの受診で30ポイント、各種健(検)診等を受診すると15ポイントが付与されます。
応募1口30ポイントなので、人間ドックを受診すれば、すぐに申込ができることになります。
【② 指定の教室・市主催事業等への参加】
あらかじめ指定した講座に参加すると、講座に応じて、10ポイントまたは1ポイントが付与されます。
対象事業は、事前に市の広報紙や市ホームページに掲載し、告知しています。
「家にこもらず、一歩でも外に出ることで健康につながる」というコンセプトです。
必ずしも健康関連の講座だけでなく、防災訓練、朝市、鮎まつり、ボランティア、町内会の草むしりなどもポイントの対象としています。
対象講座については、市民に選択肢を幅広くもってもらうために、全庁をあげて連携して取り組んでいます。
初年度にあたる2015年度は、40歳以上の方は必ず1つ以上健(検)診又は予防接種を受けるという必須項目を設けました。
しかし、より気軽な参加してもらおうという考えで、2016年度からは「必須項目なし」としました。
協賛の中に医師会、歯科医師会、薬剤師会も入っており、病院や診療所でもカード等が配布されています。
先生によっては事業の意義を感じられ、健診受診者に積極的に配布しています。
また、ポイント対象事業としている医師会主催の講演会もあります。
対象講座には、健康長寿推進課が管理しているあゆコロちゃんの大きなぬいぐるみやのぼり旗を持っていき、ポイント対象であることを目立つように掲げています。
【③ 個人目標】
健康や食育に関する目標(歯磨き・ウォーキング・血圧測定など)、それぞれ掲げた目標を毎日コツコツ続けることで、1日1ポイントが付与される項目です。
1か月続ければ30ポイントたまるので、1口応募できます。
期間中何口でも応募できるので、6月から2月まで毎日継続することもできます。
「一つのことを継続することの習慣づけてもらおう」という考えで、個人目標が設けられました。
あゆコロちゃんGENKIポイントを、組織でうまく利用して取り組んでいる例もあります。
例えば、介護施設のスタッフが入所者にカードを配り、「体操をやったら1ポイント」など、施設側で体操等の継続の動機づけに活用している例もあります。
また、協賛企業の1社は、健康管理部門にも声をかけて、社員向けのウォーキングイベントをポイント対象事業とした例もあります。
厚木市としては、今後は企業の健康管理部門にも積極的に声をかけ、企業の健康経営にも活用できないかと考えています。
参加者には参加賞を、当選者には参加証と賞品を発送する際、アンケートを同封しています。
そのアンケートの結果を踏まえて改善し、今後は参加者を増やしていくことを目的としています。