柏市と高齢化
柏市は、中核都市及び業務核都市に指定されている、千葉県の北西部の都市です。
都心からJR東日本・常磐線、東京メトロ・千代田線及び首都圏都市鉄道・つくばエクスプレスが、南北には東武アーバンパークライン(野田線)が通っており、東京・茨城方面への国道6号線や常磐自動車道、埼玉・千葉方面への国道16号線が通っています。
首都圏のアクセスに利便性の高い都市であり、東京都特別区部への通勤率が高い典型的なベッドタウンとしての性格を持っています。
市の北部には、大学、研究所、産学連携施設などが置かれており、日本を代表する文教地区としての顔も持っています。
柏の葉地域には、東大柏ベンチャープラザ、東葛テクノプラザといった先端産業のためのインキュベーター施設があり、ベンチャー企業の育成が行われています。
また、柏の葉キャンパスシティとして、ITにより社会インフラを管理するスマートシティ構想、新たなイノベーションを生み出す国際学術研究都市の創設など公民学の連携で新しい都市づくりが進められています。
柏市の人口は2015年9月時点で411,290人、世帯数は173,524世帯となっています。
年齢階層別では、年少人口(14歳以下)は緩やかに増加していますが、生産年齢人口(15~64歳)は2018年頃までは緩やかに減少し、その後緩やかな増加に転じることが見込まれています。
一方、高齢者人口(65歳以上)は急速に増加することが見込まれています。
柏市では、1990年に一般的に「高齢化社会」といわれる高齢化率7%を超え、2004年には「高齢社会」と言われる高齢化率14%を超えています。
「高齢化社会」から「高齢社会」に到達するまでの期間は国全体で24年間である一方で、柏市は14年間で到達し、柏市における急速な高齢化を表しています。
さらに今後、高齢化率は2015年には23.6%、2025には25.2%まで上昇し、約4人に一人が高齢者となる見込みとなっています。
また、今後75歳以上と65~74歳の高齢者の割合が逆転し、75歳以上の高齢者の方が多くなる見込みとなっています。
柏市健康増進計画
柏市は2009年に第2期柏市地域健康福祉計画を策定し、 地域と連携した健康福祉施策の充実を図ってきました。
さらに2013年には柏市健康増進計画を新たに策定し、
柏市健康増進計画では、「健康寿命の延伸」及び「生活習慣病の発症予防及び重症化予防の徹底」を計画の基本目標とし、その基本目標に対する目標値を設定することで計画の方向性及び目標をより明確にするとともに、計画の進捗状況の把握や管理を行い、計画の推進、中間見直し、最終評価、次期計画の策定等総括的な評価を進めています。
(資料出所:柏市健康増進計画)
さらにこの基本目標を達成するため、生活習慣及び生活習慣病について、①「栄養・食生活」②「身体活動・運動」③「休養・こころの健康」④「喫煙」⑤「飲酒」⑥「歯・口腔の健康」⑦「糖尿病」⑧「循環器疾患」⑨「がん」の9つの重点分野を設定し,各重点分野において健康目標を設定し,その実現に向けた取り組みを行っています。
柏市による超高齢化社会のためのまちづくり
柏市では、東京大学と独立行政法人都市再生機構(UR都市機構)と連携し、市内の豊四季台地域で今後の超高齢化社会におけるまちづくりについて検討する「高齢社会総合研究会」を2009年からスタートさせています。
厚生労働省のホームページ上に掲載されている資料によると、豊四季台に新設されるサービス付高齢者住宅に、24時間対応の在宅医療支援診療所、訪問看護ステーション、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の各種サービスを併設予定で、これらの訪問サービスはサービス付き高齢者住宅の居住者だけでなく、地域の高齢者全体にサービスを提供する予定とのことです。
さらに、柏市と医師会が中心となって、地域の各専門職が「顔の見える関係」をつくるための各種連携会議を実施しており、在宅医療従事者の負担を軽減するために主治医・副主治医制によるバックアップ体制地域内に構築したり、在宅医療研修の実施により在宅医療に従事する専門職を構築したり、情報共有システムを構築し連携を強化したり、市民啓発を行ったりしています。
また、柏市では高齢者の健康維持と地域課題の解決の両方に寄与する「生きがい就労の創生」を行っています。
具体的には、自治体として民間事業者・地域高齢者双方の啓発及びコーディネートを行い、各民間事業者が高齢者を直接雇用するための支援を行っています。
これまでに休耕地を利用した都市型農業事業、団知敷地内を利用した植物栽培ユニット事業、建て替え後リニューアル団地における屋上農園事業、コミュニティ食道、学童保育事業などを実施しています。
>>次へ 柏市 秋山浩保市長へのインタビュー
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