新生活のスタートは、期待と不安にあふれています。
新しい環境や人間関係は、とにかくストレスが溜まるものです。
「ストレス」と聞くと、何を連想しますか?
嫌なことやつらいもの、溜め過ぎて心や体の調子を崩すものなど、様々あります。
では、うれしいことや、楽しいことは、ストレスにはならないのでしょうか?
実は、これもストレスの原因になり得ます。
毎日を快適に過ごすために、まずはストレスを正しく理解し、ストレスを溜めないコツをつかみましょう。
ストレスの原因
そもそもストレスとは、外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことです。
外部からの刺激には、以下のような要因があります。
・ 天候や騒音などの環境的要因
・ 病気や睡眠不足などの身体的要因
・ 不安や悩みなどの心理的な要因
・ 人間関係がうまくいかない、仕事が忙しいなどの社会的要因
つまり、日常の中で起こる様々な変化は刺激となって、ストレスの原因になるのです。
進学や就職、結婚、出産といった喜ばしい出来事も変化であり、刺激であるため、ストレスの原因になります。
ストレスサインを知る
ストレスを受けることで、体調を崩すだけでなく、気持ちが不安定になることは誰でも経験することです。
つらくて食欲がない、気持ちが落ち着かなくて、眠れない夜を過ごす、といった経験はありませんか?
こうした症状を「ストレスサイン」といいます。
ストレスサインが出ているからと言って、必ずしもこの時点で「こころの病気」にかかっているという訳ではありません。
しかし、ストレスサインが出ていながら、これまでと同じようにストレスを受け続けていると、こころも体も悲鳴をあげ、さらに調子を崩してしまいます。
そして、こころの病気にかかってしまうこともあります。
重要なのは、「自分のストレスサインは何なのかを知っておくこと」です。
早めのセルフケアを
ストレスサインに気づいたら、早めのセルフケアをしましょう。
こころの健康を保つのも、体と同じように早めの対処が大切です。
たとえば、気持ちが落ち込む、イライラする、眠れない、食欲がない、疲れやすいといったとき、早めのセルフケアが必要です。
また、人によっては特有のストレスサインも存在します。
たとえば、疲れるといつも歯が痛くなる、腰に出てくる、耳鳴りがするなど、自分特有のストレスサインを知っておくことも大切です。
そして、気づいたときには、十分に休息をとり、気分転換をするなど、早めにセルフケアをするようにしましょう。
ここで、手軽に実践できるセルフケアをいくつか紹介します。
【リラックスできる時間を日常生活の中に取り入れる】
ゆっくりと腹式呼吸をする、ぼんやりと窓の外を眺める、ゆったりお風呂に入る、軽くストレッチする、好きな音楽を聴くなど、気軽にできることをやってみましょう。
お酒を飲んでつらさを紛らわせようとするのは、睡眠の質を低下させ、うつ病等のこころの病気を引き寄せます。
【毎日の生活習慣を整える】
ストレスが溜まると、生活習慣が乱れやすくなります。
バランスの取れた食事や良質の睡眠、適度な運動習慣を維持しましょう。
ストレスを解消でき、健康の基礎固めになります。
【考え方や見方を変えてみる】
ストレスを感じると、物事を固定的に考えてしまいがちになります。
たとえば、「必ず、○○をしなければならない」と考えていて、それがうまくいかないときには、強いストレスを感じてしまいます。
問題点や、ダメな点ばかりに注意が行きがちです。
そんな時は、ダメな点ばかりではなく、実際にできていること、うまくいっていることに注意を向けてみましょう。
考え方や見方を少し変えてみるだけで、気持ちが少し楽になることがあります。
困ったときは誰かに相談
セルフケアではどうにもならないほど、「困った」「つらい」と感じることもあるかもしれません。
そんな時は、誰かに相談してみましょう。
話を聴いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。
話すことで、自分の中で解決策が見つかることもあります。
相談に乗ってもらえたという安心感も、気持ちを落ち着かせるでしょう。
友人、家族、同僚、地域や趣味の仲間など、日頃から気軽に話せる人を増やしておきましょう。
それでもこころと体の症状が続くときは、早めに専門家に相談しましょう。
医師やカウンセラーなどの専門家や、地域の精神保健福祉センター、市町村の保健センター、職場の健康管理センター、自治体の相談所など、相談できる場所はたくさんあります。
弊社が提供する『ヘルス×ライフ』では、ストレスチェックの結果をシステム及びアプリ内に登録し、いつでも確認することが出来ます。
出典
厚生労働省HP 知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス 「ストレスって何?」
監修:佐藤祐造(医師、愛知みずほ大学特別教授・名古屋大学名誉教授)