今年の夏も暑そうですね。
海に山に出かけるチャンスも多くなりそう。夏を満喫しましょうね。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
私の足は痒くない
そう思っている人は多いのではないでしょうか。
実は、かゆみのある水虫は、全体の半分以下なんです。
ひょっとしたら、あなたの足も水虫にかかっているかもしれません。
これからの季節は水虫菌(白癬菌)が活発になります
足の裏は白癬菌にとって栄養のかたまり
水虫の原因は、白癬菌というカビの一種です。
多くのカビがそうであるように、白癬菌は高温多湿が大好きです。
カラダの中で蒸れやすい足に水虫ができやすいのは、そのためです。
また、白癬菌は皮膚の硬くなった角質という部分を構成するケラチンというたんぱく質を栄養源としており、足の裏の角質はカラダの他の部分と比較して厚めであり、白癬菌にとっては栄養のかたまりのようなものです。
これも、また、足に水虫ができやすい理由です。
水虫のカタチ
水虫にもいろいろなカタチがあります。
足の水虫は
①足の指の間の皮がめくれたり、ジュクジュクする趾間(しかん)型
②足の裏に小さな水ぶくれができ、かゆくなる小水泡型
③足の裏、特にかかとの皮が硬くなり、かゆみがほとんどない角質増殖型に大きく分類されています。
通常、趾間型と小水泡型から始まり、これらを繰り返しているうちに角質増殖型へと移行していきます。
時には、爪にまで白癬菌が入り込み、爪が白くにごったり厚くなったりする爪白癬が起こることがあります。
根気が大切
治療は根気が大切です。
残念ながら、水虫は、自然に治ることはありません。
キチンと根気よく治療することが大切です。
趾間型や小水泡型の水虫には、主に塗り薬が使われます。
きれいに見える場所にも白癬菌が潜んでいる可能性があるので、症状が現れている場所だけでなく、広範囲にしっかりと塗りましょう。
皮膚が新しい角質層に生まれ変わるまでには、3カ月ほどかかります。症状がおさまったとしても3か月間は薬を塗るように しましょう。
塗り薬というのは、すぐに取れてしまったり、なかなか浸透しなかったりと苦労をするものですが、角質増殖型や爪白癬には、内服治療が有効です。
この場合も3~6ヶ月飲むようにしてください。
なお、最近、爪白癬にも浸透しやすい塗り薬が開発され、爪白癬の治療に用いられています。
家族内感染に注意!!
夏でもスリッパ履いていますか?
白癬菌が皮膚に付着してから、角質層に入り込むまでには、24時間以上かかります。
そのため、白癬菌が付着しても一日一回足を洗って落とせば、水虫になる可能性はかなり低くなりますね。足を洗った後には、乾いたタオルでしっかりと水分をふき取り、よく乾燥させましょう。
日ごろから、通気性のよい靴や靴下を選ぶことやしっかり乾燥したバスマットなどを利用することも効果的です。
注意するのは、家庭内。夏は、家の中をはだしで歩くため、家族の一人が他の家族に移してしまうことがよくあります 。
①バスマットは共用しない。
②水虫のある人は、家の中ではスリッパを履く。
③掃除機と雑巾がけで床や畳はこまめに衛生的に。
なお、水虫のある家族のタオルや靴下と一緒に洗濯をしても、白癬菌は洗い流されるので感染の心配はありません。
最近は、新しい薬も加わり様々な薬が市販されていますが、なかなか治癒しない時、気になる症状がある時には、皮膚科を受診してください。
出典
Life 2018.6 この夏こそ、本気で治そう!「水虫」