厚生労働省より、新型コロナウイルス感染者と接触したかどうかを知ることができるアプリ「COCOA」がリリースされています。
現在、屋内外問わず、イベント等への参加には「COCOA」のインストールと登録が義務づけられているケースが多くあります。
今回は、そんなCOCOAについて「よくわからない」「使った方がいいの?」と思われている方へ簡単なご紹介をさせていただきます。
ぜひ、みなさんもCOCOAを利用してみましょう。
監修者情報 名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
COCOAとは
【COVID-19 Contact Confirming Application】の頭文字をとっています。
諸外国では、同様のアプリを利用しているところも多く、症状等を入力できたり、退院後の連絡に役立ている国もあります。
しかし日本では、シンプルに陽性感染者との接触通知のみに機能を絞っています。
ダウンロードはApp StoreまたはGoogle Playで「接触確認アプリ」で検索してインストールしてください。
Google Playはこちら。
App Storeはこちら。
COCOAでわかること
COCOAは、知らない間に新型コロナウイルス感染者と接触していたことが後からわかるアプリです。
そのため、お知らせが届いても「現在、自分が陽性(感染者)であること」がわかるわけではありません。
また、過去に接触した人が「陽性になった(だった)」ことがわかるため、現在、一緒にいる人が陽性であるかがわかるアプリではありません。
あくまでこのアプリの目的は、アプリを利用することで、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性が素早く分かり、検査の受診など保健所、医療機関のサポートを早く受けるように行動できることです。
個人情報は漏洩しないの?
COCOAは、スマートフォンを利用するアプリですが、スマートフォンの位置情報(GPS)や携帯電話番号、その他個人情報を利用していません。
また、そのような個人情報が特定できる仕組みも持っていません。
COCOAは、イヤホンなどで利用するBluetoothという近接通信機能を利用しています。
このBluetoothを利用して、他のスマートフォンとの距離と接触時間をスマートフォン本体に暗号化して記憶します。
ここでの記録は、14日後に自動消去されます。
ただし、Androidの場合にかぎり、Bluetooth機能をONにするとOSの仕組みで位置情報もONにしなければなりません。
これは、Bluetoothを有効にするために必要な設定であり、アプリでは位置情報の収集は一切行っていないそうですのでご安心ください。
(厚生労働省HP 接触確認アプリ利用者向けQ&Aより)
接触の目安は?
COCOAでは、Bluetoothが他のスマートフォンとの距離と接触時間を判断します。
利用しているスマートフォン同士が、概ね1メートル以内の距離で15分以上の近接した状態にあった場合、接触として検知される可能性が高くなります。
機器の性能や周辺環境(ガラス窓や薄い障壁など)、端末を所持する方向などの条件や状態により、計測する距離や時間に差が生じますので、正確性を保証するものではありません。
通知はいつ来る?
COCOAでは、各スマートフォンへのプッシュ通知を1日1回程度行っています。
通知は、リアルタイムで来るものではありません。
COCOAを利用するメリットは?
COCOAは、知らないうちに新型コロナウイルス感染者と接触したことがわかります。
接触後には、下記のような通知が来ます。
接触した人が、どこの誰かわからないように符号化されています。
下記の通知も来るので、心配な方はまず相談ができます。
また、アプリの画面に表示される手順に沿って、ご自身の症状などを選択すると、帰国者・接触者外来などの連絡先が表示され、検査の受診などが案内されます。
不安な場合には、電話相談等を利用し、まずは相談してみましょう。
受診の際に、こちらの画面が必要なことがあります。
スクリーンショットで保存をしておきましょう。
COCOAでPCR検査が無料に
COCOAを自身のスマートフォンにインストールすると、陽性患者と濃厚接触した場合、通知が来ます。
この通知を受けた人は、症状の有無にかかわらず、無料でPCR検査が受けられるようになっています。
これまでは、陽性感染者との接触があっても症状がない場合には検査を受けられませんでしたが、現在は症状の有無にかかわらず検査を受けることができます。
帰国者・接触者相談センターにご相談の上で、検査を実施することとなった場合には、ご利用者ご本人の検査に係る費用負担なしに検査を実施することができます。
ただし、医療機関を受診されて検査を受けることになった場合については、当該医療機関における初診料等が必要になる場合もあります。
また、個別の状況やご本人のご希望等を聞いた上で、医師や帰国者・接触者相談センター等で検査が不要と判断されることもあります。
分からない点があれば、まずは相談窓口へ相談してみましょう。
COCOAのデメリット
有用なCOCOAですが、弱点もあります。
それは、陽性患者の登録が自己判断にゆだねられていることです。
COCOAは、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システムから処理番号を本人に発行し、本人がアプリで入力するというシステムを採用しています。
これは、PCR検査を受けて陽性ではないと診断された方が、故意または誤って登録しないようにするためです。
COCOAをインストールしている人が「陽性」と判明しても、アプリに本人が陽性と登録しなければ、濃厚接触した相手に通知が行くことはありません。
テレビやラジオなどで度々問題になった「陽性バッシング」、「誹謗中傷」により、個人情報がわからないとはいえ本人が「陽性」登録をすることに若干の抵抗があるようです。
また、新型コロナウイルスでは、その潜伏期間の長さが問題となることがあります。
そしてPCR検査結果の通知を受けるまでに数日かかる自治体もあり、土日の週末がはさまれると検査で陽性が出たとしても、陽性者本人に通知が届くまでにもかなりの時間を要します。
さらに、接触した人には、1日に1回程度しかプッシュ通知が来ないので、接触してからのタイムラグは非常に大きなものになります。
COCOAをどう利用する?
まず、COCOAを利用する上で重要になってくることは、陽性者が登録することを躊躇わない社会自浄性を持つことです。
感染した人が「後ろめたい」と思わない、バッシングされない社会でなければ陽性者が陽性登録をできません。
感染した人には「早く元気になってください」という気持ちを持ち、感染予防をした上で、困っていれば手助けをすることが大切です。
もう一つは、もし、濃厚接触者通知が来た場合、冷静になることです。
心配な気持ちはわかりますし、ご家族等にうつしたらと思う気持ちもわかります。
ただ、この通知は先述の通り、「陽性」通知ではなく、あくまで 知らない間に新型コロナウイルス感染者と接触していたこと のお知らせです。
そのため、無症状であるのに、覚えがないのに検査会場に駆け込んで慌てて検査を受けることはありません。
まず、「電話で相談をする」「アプリの画面にそって症状の有無等を回答する」ことを冷静に対応しましょう。
検査会場には、毎日大勢の患者さんが詰め寄っています。
もちろん、重症患者さんもいらっしゃるでしょう。
その中で、長い時間を過ごすのも不安ですよね。
また、症状がない場合、濃厚接触歴がない場合には受検できない可能性もあります。
まずは、受検をするかの確認を電話で行いましょう。
連絡先は、接触通知とともに送られる簡単なアンケートに回答することでもわかります。
福岡市では、子どもと高齢者のインフルエンザ予防接種費用の一部助成や、在宅の要介護高齢者に対する歯科検診等の無償実施を準備されています。
ただ、条件として新型コロナウイルスの感染拡大や重症化の予防のため、これらの助成を受けるためにCOCOAのインストールを義務付けているそうです。
心配な新型コロナウイルスですが、落ち着いて行動することが感染予防にもつながります。
そして、2021年に入り、ファイザー製やアストラゼネカ製をはじめとした新型コロナウイルスワクチンが各都道府県で多くの方が接種されています。
ほんの少しずつではありますが、新型コロナウイルスの猛威を退ける準備が進んでいるのではと感じます。
みなさんも、新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」( COVID-19 Contact-Confirming Application) をダウンロードしてみましょう。
Google Playはこちら。
App Storeはこちら。
出典
官邸HP 「COCOA普及のための取組について」西村大臣発言
厚生労働省 事務連絡 新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)で通知を受けた者に対する行政検査等について
新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA) COVID-19 Contact-Confirming Application