気温が上昇してくると熱中症対策のために、水分補給が呼びかけられます。
今回は、水分補給に必要な「水分」、しかも無糖飲料についてお話します。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
6月10日は無糖茶飲料の日
6(む)10(とう)の語呂合わせから伊藤園が制定しました。
製造・販売する無糖茶飲料のPRと、健康への関心が高まっていることから、
無糖茶飲料にもさらに注目してもらうことが目的です。
同社からは、
緑茶、ほうじ茶、玄米茶、むぎ茶、そば茶、烏龍茶、ジャスミン茶、ルイボスティーなど数種類の無糖茶飲料が発売されています。
無糖茶飲料の動向
無糖茶飲料で最大カテゴリーは、緑茶飲料です。
2018年調べでは、一番人気は、伊藤園の「お~いお茶」、それを「伊右衛門(サントリー)」が追う、という構図のようです。
さらに、麦茶・ほうじ茶の人気が始まっているようです。
麦茶は、自然な甘さやカフェインフリーであることなどから人気を獲得、麦茶飲料市場は5年で2倍に成長しています。
今夏は熱中症対策飲料として、さらに注目が高まり、市場規模も一層の拡大が見込まれそうです。
しかし、無糖茶飲料を含む茶系飲料の生産量は、炭酸飲料、ミネラルウォーター、コーヒー飲料に続いて第四位で、炭酸飲料の約3分の2の生産量です。
人気が出始めたとはいえ、甘いジュースなどには、まだまだ追いつかないようです。
ちなみに・・・
一般的に、成人が1日を過ごすのに必要な水分は、約2.5リットルと言われています。
そのうち、0.9リットルを食品自体の水分と調理水、0.3リットルは体内の酸化燃焼から得ており、残り1.3リットルをあらゆる飲み物から摂取するといわれています。
ただし、その量はその日の汗の量や、気温によって異なります。
いつでも、どこでも、手軽に飲める清涼飲料水は、そんな水分補給に便利な商品といえます。
無糖茶飲料の歴史
緑茶がドリンク飲料の形態に加工されて、販売されるようになったのは、1983年(昭和58年)のこと。
ポッカコーポレーション(現 ポッカサッポロフード&ビバレッジ)と宇治の露製茶が「ほうじ茶」を発売したことがきっかけです。
さらに85年(昭和60年)には、伊藤園が缶入り緑茶を発売しました。
自然・健康志向の高まりで、無糖飲料が好まれるようになっていく中、茶系飲料市場で日本茶本来の風味に加え、はとむぎ、大麦、大豆、玄米、どくだみ、ウーロン茶、ハブ茶、プーアール茶、月見草、シイタケ、ミカンの皮、ヨモギ、アマチャヅルなど何種類もの原料が、バランスよくブレンドされたブレンド茶飲料という新しい分野が確立されました。
1993年(平成5年)3月、アサヒビール(現 アサヒ飲料)から業界で初めて16種類の原料をブレンドした「アサヒ十六茶 缶340g」が発売されたのが始まりです。
糖類含有飲料が中心だった日本ですが、健康志向の高まりとともに、無糖茶飲料も500mlサイズのペットボトルが導入され、利用の中心となってきました。
もともと、おおむね1リットル未満の小型サイズについては、散乱ごみに対する懸念から業界では使用を自粛していましたが、リサイクルの取り組みが本格化した96年、消費者ニーズに応えて500mlサイズのペットボトルを導入することになりました。
ペットボトル飲料をおいしく飲んだ後は、正しくリサイクルしましょう。
そして、くれぐれも熱中症にはご注意を。
出典
JMR生活総合研究所 消費者調査データ No.278 無糖茶(2018年9月版)
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