今回は、夏になると気になるからだのニオイ。
年とともに気になるニオイ、「加齢臭」についてお話しします。
「オジサン独特のニオイ」と思われがちな「加齢臭」、実は中高年の男性だけではなく、男女ともに 40 歳を過ぎた頃から発生するニオイです。
加齢臭の原因は、老化による皮脂成分の変化です。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
加齢臭はなぜ発生する?
加齢臭の原因となる成分「ノネナール」は、1999 年に世界で初めて解明しました
皮脂の成分は加齢とともに変化し、40 歳を過ぎた頃から脂肪酸の一種である「9-ヘキサデセン酸」や、活性酸素によって酸化された脂質「過酸化脂質」などが増えてきます。
9-ヘキサデセン酸自体は無臭ですが、酸化が促進されると、脂臭くて青臭い「ノネナール」がつくられます。
ノネナールが多くなると、汗や皮脂のニオイと混ざって中高年特有の体臭と感じさせます。
「ノネナール」は 20~30 代の人からはほとんど検出されませんが、男女ともに 40 歳を過ぎた頃から体臭に含まれるようになります。
ニオイは人によってさまざまですが、「ロウソク」「古本」などのニオイに似ていると例えられています。
(※ノネナールは資生堂の登録商標です)。
加齢臭Q&A
Q. 加齢臭は個人差があるようですが、ニオイが強くなるのはどんな人?
A.加齢臭の元であるノネナールは男女ともに 40 歳を過ぎた頃から発生します。
体臭は全般的に食生活やストレス、生活習慣に影響されます。
脂っこい食事を好む人、喫煙や飲酒をする人は体臭も強くなる傾向にあります。
Q.なぜ男性のほうが女性よりも加齢臭が強いの?
A. 最近ではお洒落な男性も増えていますが、一般的に女性は男性に比較して入浴やデオドラント商品の使用、化粧など、普段の生活シーンでよりこまめに身体のお手入れをする傾向にあるため、男性より加齢臭が感じられにくいと考えられます。
また、男性は女性よりも皮脂分泌量が多いため、ノネナールの分泌量が多い可能性があります。
さらに男性はスーツやコートなど、女性と比べて同じ衣服を続けて着用することが多かったり、衣服をクリーニングに出す回数が少なかったりすることがあり、その結果衣服にニオイがこもっていると考えられます。
Q. 加齢臭は夏より冬の方が感じやすいって本当?
A. 暑い夏は汗をかくのでこまめに入浴したり、服を洗濯したりします。
しかし、冬はコートやセーターなど、頻繁に洗濯しない衣服が増えるため、知らず知らずのうちにニオイやニオイの元となる成分が衣類に移ってしまい、冬の方が加齢臭を感じやすくなります。
あなたもチェック!! 加齢臭
体臭は常に鼻に入ってくるため、慣れてしまって自分では気づきにくいものです。
着ていた洋服などを脱いで、しばらく時間がたってわきや襟などのニオイをかいでみてください。
自分でニオイを感じるようでしたら、周囲の方もニオイに気づいている可能性があります。
体臭は親しい間柄でもなかなか指摘しづらい面もありますが、自分の体臭には気づきにくいものです。
時にはご家族の方に、服装のチェックをするように、 チェックしてもらってはいかがでしょうか?
ここが重要! 加齢臭対策
加齢臭は、肌が加齢とともに変わっていくのと同様に、いわば「体臭の加齢現象」であり、誰にでも起こることです。必要以上に神経質にならず、対策方法を知ることでうまく つきあっていきましょう。
① 入浴・シャワーで清潔に
入浴やシャワーで、ニオイ発生の原因となる皮脂を洗い流しましょう。
外出時にはシートタイプのデオドラント製品で汗や皮脂をふき取るとよいでしょう。
② 衣類の洗濯・クリーニングはこまめに
ニオイの原因物質は衣類にも蓄積されるので、こまめに洗うことを心がけましょう。また、スーツは、一日着たら二日間休ませ、ニオイの蓄積を抑えましょう。
③ バランスの良い食生活を心がける
ニオイの原因となる動物性の脂肪など(肉・加工品など)の取りすぎに注意しましょう。
ニオイの元となる活性酸素を抑える「抗酸化物質」を含む食品として、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを多く含む食品は積極的に摂るとよいです。
④ ストレスを溜め込まないよう、適度なリラックスタイムを作りましょう。
⑤ ノネナールの生成を防ぐ抗酸化成分や、ニオイを目立たなくする機能性香料などが配合されたデオドラント製品を使うのも効果的です。
ただ、過度に香りの強いものを利用すると「香害」となり、他人の体調不良を引き起こす原因となる恐れがあります。
おススメは消臭タイプの機能性スプレーなどです。
出典
資生堂 NEWS RELEASE 2014-2「あなたは大丈夫!?加齢臭対策」
エチケぴゅあ
ドクターがすすめる日々の健康管理法。
毎日の健康管理はヘルスライフで歩数を確認することから。