前回は、一般的な長引く咳の原因や種類をお伝えしました。
今回は、長引く咳の中でもなかなか思いつかない「オトナの喘息(ぜんそく)」についてお話します。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
オトナの喘息の特徴
風邪などの感染症が治っても、咳が長期間(発症後8週間以上)続く場合は、咳喘息のおそれがあります。
咳喘息は、発作的な激しい咳が夜中から明け方に出る、気道が刺激に過敏になっていて、アレルゲンが咳の誘因になる、季節によって悪化するなどの点は喘息とよく似ています。
違いとしては、「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴や呼吸困難を伴わない 痰はあまりからまない といった点です。
1~2ヶ月の薬物治療で治ることが多いとされていますが、大人の約3~4割(子どもではさらに高率)が、喘鳴を伴う典型的な喘息に移行するという報告があります。
喘息は子供だけのものではない
日本では、子どもの5~7%、大人の3~5%が喘息にかかっているといわれています。
子どもの喘息は男子に比較的多く、アレルギーが原因であることがほとんどとされています。小学校高学年ぐらいから発作がなくなる時期がありますが、20~30歳代に再発することもあります。
大人の喘息の6~8割が大人になって初めて発症した人たちで、男女比も変わりません。子どもの喘息に比べ、原因が明確に特定できない場合が多いとされています。
最近では、洗濯時に利用する「柔軟仕上げ剤」も原因とされています。
柔軟剤仕上げ剤の中には、芳香が強い種類のものが流行しています。
その化学的なにおいが刺激となり咳が止まらないという訴えが、国民生活センターに多く寄せられるようになりました。(化学物質過敏症)
咳喘息という病気があります
風邪、インフルエンザ、百日咳、マイコプラズマなど、感染症によっても発作性の咳が出ます。
感染症による炎症がきっかけとなり、喘息(ぜんそく)を発症することもあります。
また、長く続く症状が結核やがんであることもあります。
風邪などはセルフケアによって短期間で治ることも多いのですが、感染力が強い、重症化しやすいなど、抗菌薬による治療が必要となる感染症もあり、症状が激しい場合や長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
喘息に似た症状の病気・移行しやすい病気
出典
第一三共ヘルスケア くすりと健康の情報局「喘息(ぜんそく)」
昨日より今日、今日より明日 もっと良くなるあなたの健康。
予防法の気づきがもらえる健康コラム。
いつもポケット中に健康コラムとヘルスライフを。