今回は、「もっと早く知っていたら!」という情報や読み終わったら
「なんだか健康になりたくなる」そんな情報をお伝えしていきます。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
目の前に浮かぶ黒い点
明るいところや白い壁、青空などを見つめたときに、目の前に虫や糸くずなどの「浮遊物」が飛んでいませんか?
視線を動かす、目をこすっても消えない。でも、暗いところに行くと気にならなくなる。それは、きっと飛蚊症。
飛蚊症は、あらゆる年齢層に起こりますが、高齢者ほど、特に近視の人ほど多く見られます。
原因は、目の中に
実は、目の前の浮遊物は実際にあるのではなく、目の中にすでにあるのです。
眼球の中の大部分は、硝子体と呼ばれるゼリーのような透明な物体です。
この硝子体になんらかの原因で「にごり」が生じると明るいところでは、その濁りが網膜に映り、さも、目の前に存在するかのように見えてしまいます。
濁りの原因は2つ
にごりの原因は、①生まれつき ②生まれた後の2つに分類されます。
①生まれつき
生まれつきである場合には、本来は、出生時になくなっているはずの硝子体の中の血管が残存してしまった場合です。
このような生まれつきの濁りは、視力さえ良ければ特に急いで治す必要もありませんし、時々検査をして異常がなければ放置していても心配のないものです。
②生まれた後
硝子体の加齢が原因です。
硝子体の中のゼリーが液状に変化し、硝子体自体が収縮する、その際に硝子体が網膜から剥がれ落ちるなどの老化現象によって発生します。
気をつけるのは、病気由来の場合
硝子体の老化現象以外でも飛蚊症が起きる場合があります。
硝子体の周囲の出血や炎症性物質が硝子体内に入ってきたもの、遺伝性の硝子体の病気、全身の病気によって起こるものがあります。
飛蚊症の急な変化は目の病気のサイン
飛蚊症の数が急激に増えた、視力が急に落ちた、目がかすむなどいつもと違う症状が起きた場合には、網膜などに病的な変化が起きた場合が考えられます。
その際には、すぐに眼科を受診してください。
硝子体が網膜から剥がれ落ちたことが原因で「網膜裂孔」「網膜はく離」が起きた可能性も考えられます。早期に治療をすることが重要な病気です。
さらに、硝子体出血という病気があります。
糖尿病や高血圧、外傷などで眼底出血を起こした場合にその出血が硝子体に入ってしまうと起こります。
突然、飛蚊症が起こる、目の前に赤いカーテンが引かれるなどの症状があり、出血場所によっては、急激な視力低下が見られます。
細菌やウイルスがブドウ膜に進入した際も、同様に飛蚊症の症状が起こります。
目のアレルギー、炎症に起因する血管からの白血球や滲出液が硝子体に入ることでも起きますので、目をこすったり、汚れた手で触ることには十分注意しましょう。
早めに
飛蚊症は、健康な目にも起こる加齢による変化であり、病気ではありません。
しかし、その急激な変化の中には、病気に関するものがあり、注意が必要です。
数が急に増える、視力が落ちる、目やにが増えるなど他の変化を伴う場合には、早めに眼科を受診してください。
眼科疾患も、早めの治療開始が重要です。
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