口が乾く病気「ドライマウス」の原因とは?

口が乾く病気「ドライマウス」の原因とは

 

口の中が乾いたり、口の中がねばつく、

口臭が気になる…

もしかしたら、それは口腔乾燥症とも呼ばれる

「ドライマウス」かもしれません。

 

年々、症状を訴える人が増加している

「ドライマウス」の原因は、

ある病気や薬の副作用となっている可能性もあります。

 

原因をつきとめ、対処法を実践し、

口の中の健康を保っていきましょう。

 

ドライマウスの症状を訴える人は年々増加

 

唾液の量は、

加齢とともに減っていくことが多いのですが、

すぐに口が渇いて、しょっちゅう水が飲みたくなる、

口の中がねばつく(唾液がネバネバする)、

唾液が少なくて食べ物が飲み込みにくい、

口が乾いて長くしゃべれない

などの症状があるようなら、

年齢に関係なくドライマウスかもしれません。

 

ドライマウスの症状を訴える人は年々増加しており、

国内に数百万人がいると推定されています。

徐々に進行するため気づきにくく、

自覚していない人を含めると、

ドライマウス予備軍は

数千万人に上るともいわれています。

 

ドライマウス チェック

 

多少口が乾きやすいという程度なら、

こまめに水分を摂るなどして対処できますが、

ドライマウスが原因で口臭が強くなると、

人間関係に支障が出たり、

人と会うことが楽しめなくなるなど、

生活の質(QOL)が大きく低下することもあります。

 

また、口の中を浄化する唾液が不足することにより、

虫歯ができやすくなったり、悪化したりするので、

放置するわけにはいきません。

 

さらに、ドライマウスが重症化すれば、

舌の痛みやひび割れ、痛みで食事が摂れないなど、

大きな苦痛へと発展します。

 

病気や薬の副作用が原因で起こることも

 

ドライマウスの原因はさまざまですが、

気をつけたいのは、何か病気が隠れている場合です。

その代表例がシェーグレン症候群。

これは、国が指定する難病のひとつで、

唾液を出す唾液腺や、

涙を出す涙腺が障害される病気です。

唾液だけでなく涙も出にくくなり、

目の乾燥(ドライアイ)も出現します。

 

シェーグレン症候群

 

シェーグレン症候群の患者さんの数は、

2021年の時点で6万8483人とされますが、

実際には10~30万人いると考えられています。

40~50歳代で発症する人が多く、

男女比は1対17.4で

圧倒的に女性に多い病気です。

関節リウマチの患者さんでは、

5人に1人の割合で発症します。

 

一方で、シェーグレン症候群であっても、

症状がドライマウスとドライアイのみで、

しかも乾燥があまり強くなく、

ほとんど健康な状態で過ごしている人も

半数近くいます。

 

 

シェーグレン症候群以外にも、

糖尿病や腎臓病、

甲状腺の病気(甲状腺機能亢進症)、

心不全など、

ドライマウスの原因になる病気は数多くあります。

精神的ストレスや、

更年期症状の1つとして起こることもあります。

 

また、薬の服作用として

ドライマウスが出現することもめずらしくありません。

降圧薬、利尿薬、抗ヒスタミン薬、抗不安薬、

胃酸の分泌を抑える薬などが代表的ですが、

高血圧などの治療のために必要な薬であれば、

薬の種類を変えてもらうか、

ドライマウスの治療をしながら

これらの薬を続けることになります。

 

ドライマウスの原因

 

まずは原因をつきとめ適切な治療で症状を軽減

 

ドライマウスの治療は、

もし原因となっている病気があるなら、

その治療を行うことが基本です。

それと同時に、口のなかの清潔を保ち、

乾燥を防ぐためのケアを行います。

 

歯ブラシは柔らかめを選び、

歯茎などを傷つけないように磨きましょう。

うがいは口のなかをうるおすのに効果的です。

水が全体に広がるように、

30秒間ほどブクブクして吐き出します。

 

その後、口腔内用の保湿剤を口のなか全体に塗ります。

とくに夜寝る前は、

保湿剤で夜間の乾きを防ぎましょう。

 

 

食事の前は唾液腺マッサージを。

唾液腺は、耳の前で上の奥歯にあたり、

あごのエラの骨の内側、

あごの先端の骨の内側にあります。

耳の前は人差し指・中指・薬指をそろえて

やさしくゆっくりとマッサージし、

あごは親指の腹で軽く押すと、

じわ~っと唾液が出てきます。

 

ドライマウスの治療

 

これらのケアは大切ですが、

まずは医師に相談し、

原因を明らかにすることが大切です。

ドライマウスの原因になるような病気や治療のために、

すでに病院にかかっている場合は、

その担当医の意見を聞いてみましょう。

とくに病気がない場合は、

内科や口腔外科で相談するのがよいでしょう。

 

 

取材・文:NPO法人 医療機関支援機構 カルナの豆知識 編集部

医療ライター/看護師  天野 敦子

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※記事/図版等の無断使用(転載)、引用は禁止といたします。


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