防災は、日ごろから情報収集を習慣にしておく必要がありますが、
高齢者など情報弱者の方々は、少し心配な側面があることが指摘されていました。
そこで、国土交通省が推進しているのが「逃げなきゃコール」です。
今回は、住民自らが避難の呼びかけをすることで減災をはかる仕組みを説明します。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
きっかけは平成30年の豪雨
2018(平成30)年7月の豪雨では、避難をしなかったために、自宅で被災してしまった方が少なくありませんでした。
これらの方も、家族など身近な人たちからのひと声があれば、災害から守ることにつながったのではないかという思いがありました。
そのため、離れた場所でも、大切な人が住む地域の災害情報を入手・通知してくれるシステムを開発する必要があると考えたのです。
そこで、国土交通省は、NHK(NHK 防災アプリ)、ヤフー(株)(Yahoo!防災速報アプリ)、KDDI(株)(登録エリア災害・避難情報メール)の協力を得て、このシステムを開発し、サービスを開始しました。
利用は簡単
このシステムの利用方法ですが、以下のポスターのように、簡単です。
離れて住む子どもが、指定のアプリを入手して、知りたい地域を登録します。
登録した地域で避難勧告などが発令されると、子どもの携帯電話へプッシュ通知が送信されます。
それを見た子どもは、親など離れて暮らす大切な人へ電話をすることができます。
この電話が「逃げなきゃコール」です。
電話を受けた人は避難行動をとることができるというものです。
年々多くなる災害
こういったシステムやサービスが多く作られる背景には、国内で発生する災害が年々増えているという問題があります。
日本の年平均気温は、100年あたり1.19℃の割合で上昇しています。
また、猛烈な雨(1時間降水量80mm以上の雨)の年間発生回数も、増加しています。
地球温暖化の進行に伴って、大雨や短時間に降る強い雨の頻度は、さらに増加すると予測されています。
台風や豪雨による風水害・土砂災害発生リスクが高まっています。
また、地方では、がけ崩れや土砂などの被害が想定されていますが、首都地域でも水害により甚大な被害が発生することが推定されています。
荒川や利根川が氾濫すれば、広範囲での住宅の浸水被害が予想されています。
みなさんも、「逃げなきゃコール」を活用して離れて暮らす大切な人を災害から守りましょう。
出典
国土交通省 住民自らの行動に結びつく水害・土砂災害ハザード・リスク情報共有プロジェクト
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