長引く鼻風邪が治らない方、必見!もしかしたら”副鼻腔炎”かも!?

「風邪を引いたあと、
鼻水や鼻づまりだけがなかなか治らない」

「花粉の時期が過ぎても
花粉症のような症状が続く……。」

 

そんなときは、

「副鼻腔炎」が起きているのかもしれません。

 

本記事では、

副鼻腔炎とはなにか、副鼻腔炎の症状の種類、

治療法について、ご紹介しています。

 

なかなか鼻風邪が治らないことでお困りの方には、

その原因が副鼻腔炎であることに気付き、

耳鼻咽喉科にて、症状を改善できるかもしれません。

 

副鼻腔炎は中耳炎の原因になることもあるので、

早めにしっかりと治すことが大切です。

 

 

副鼻腔炎になっても気づかない人が多い

 

顔の骨には、

鼻や目を取り巻くように

4対の空洞があります(下図)。

 

空洞は、額の裏側にあるものを「前頭洞」、

両眼の間にあるものを「骨洞」、

頬の裏側にあるものを「上顎じょうがく洞」、

鼻の奥の方にあるものを「蝶形ちょうけい骨洞」といい、

これらをまとめて副鼻腔ふくびくうと呼んでいます。

 

副鼻腔の構造

 

副鼻腔に何らかの原因で

細菌やウイルスが入り込み、

炎症を起こした状態が副鼻腔炎。

風邪や花粉症が原因になることもあります。

 

副鼻腔炎はとてもありふれた病気のひとつです。

副鼻腔はすべて鼻の穴(鼻腔)とつながっているため、

風邪やインフルエンザのウイルス、あるいは細菌が

入り込みやすいのです。

 

しかし、鼻水と鼻づまりが主症状であるため、

「風邪が長引いている」と思って、

副鼻腔炎であることに気づかないまま

過ごしている人がほとんどです。

 

急性と慢性では症状が異なる部分も

 

副鼻腔炎には急性のものと慢性のものがあります。

 

鼻水と鼻づまりは共通していますが、

急性副鼻腔炎の場合は、

顔の痛みや頭痛を伴うことがよくあります。

副鼻腔内に入り込んだウイルスや細菌が

繁殖して炎症が起こると、

頬のあたりや額、左右の眼の間や眼の奥、

頭が痛くなったり、押すと痛みを感じたりするのです。

歯が痛くなることもあります。

 

熱が出て、粘り気のある黄色い鼻水が

たくさん出ることもあり、

このような症状が1~2週間続きます。

 

目に近いところで炎症が起こると、

まれに視覚異常をきたすこともあるので、

注意が必要です。

 

 

慢性副鼻腔炎は、

鼻水と鼻づまりのほかに、

においがわかりにくい、体がだるいなどの症状が

3ヵ月以上続きます。

 

副鼻腔のなかに膿がたまり、

そのために頭が重い、集中力が続かない、

膿のせいで嫌なにおいがするなどの症状も出現します。

 

また、「後鼻漏こうびろう」といって、

鼻水がのどに流れ落ちる症状も特徴的です。

流れ落ちた鼻水が気管を刺激して

咳を誘発することもあり、長引く咳の原因が

副鼻腔炎だったという例もあります。

 

副鼻腔炎を長く放置すると、

粘膜が腫れて、「鼻タケ」と呼ばれる

キノコ状の良性腫瘍(ポリープ)ができ、

除去手術が必要になることもあります。

副鼻腔炎かも…と思ったら、

早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

 

副鼻腔炎の検査

 

治療は最後までしっかり行うことが大切

 

副鼻腔炎の治療法には、

薬の内服、鼻水や膿の吸引、鼻洗浄、

鼻のネブライザー、手術などがあります。

 

薬の内服による治療では、

細菌を殺す抗菌薬(抗生物質)、

症状を抑える消炎酵素薬や消炎鎮痛薬、

膿を出やすくする薬、抗アレルギー薬などを、

症状に応じて組み合わせます。

抗菌薬の内服は、

急性副鼻腔炎の場合、ふつう2週間ですが、

慢性副鼻腔炎の場合は、

少量の抗菌薬を3~6ヵ月飲む方法もあります。

 

鼻ネブライザーは、

抗菌薬や炎症を抑える作用のある

ステロイド薬(副腎皮質ホルモン薬)を霧状にして、

吸入器で鼻などから直接副鼻腔に送り届ける方法です。

副作用が起こりにくく、

子どもや高齢者でも簡単に行えるのが利点です。

鼻吸引のあとに行うとより効果的です。

 

慢性副鼻腔炎で抗菌薬を

3ヵ月以上内服しても症状がよくならない場合や、

鼻タケがある場合は、

炎症の強い粘膜や鼻タケを

取り除く手術を行うことがあります。

現在はほとんどの場合、内視鏡を使った

「内視鏡下副鼻腔手術(ESS)」で行われ、

入院期間は、左右両側を行っても

1週間から10日程度です。

 

副鼻腔炎の治療

 

副鼻腔炎は気づきにくい病気ですが、

治療することによって、

頭重感や集中力の低下、だるさなど、

いままであきらめていた症状の改善が期待できます。

薬の内服を中断すると、

炎症が長引く要因となるので、

完治するまで根気よく諦めずに治療しましょう。

 

予防も重要で、

風邪を引かないようにすることと、

鼻をかむときは片方ずつ、

少しずつかむことが大切です。

 

最近は、「好酸球性副鼻腔炎」という

治りにくい副鼻腔炎が増えています。

喘息の人に起こりやすく、

濃い鼻水や鼻づまりのほか、

味覚障害を起こすこともあるので、

気になる場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。

 

 

取材・文:NPO法人 医療機関支援機構 カルナの豆知識 編集部

医療ライター/看護師  天野 敦子

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※記事/図版等の無断使用(転載)、引用は禁止といたします。

 


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