仕事に、日常に追われて睡眠不足になってはいませんか?
今回は、良い睡眠をとるためのヒントです。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
最近、ぐっすり眠れていますか?
度重なる緊急事態宣言や営業制限など、経済活動に対する不安から、慣れない生活や不穏なニュースに心身の疲労がたまっていませんか?
睡眠には、そんな心身の疲労を回復させる働きがあります。
このため睡眠が量的に不足したり、質的に悪化したりすると健康上の問題や生活への支障が生じてきます。
睡眠時間の不足や睡眠の質の悪化は、生活習慣病のリスクにつながることがわかってきました。
また、不眠がうつ病のようなこころの病につながることや、睡眠不足や睡眠障害による日中の眠気がヒューマンエラーに基づく事故につながることも明らかになっています。
睡眠について正しい知識を身につけ、定期的に睡眠を見直して、適切な量の睡眠の確保、睡眠の質の改善、睡眠障害への早期対応によって、事故の防止とともに、からだとこころの健康づくりを目指しましょう。
適度な運動、しっかり朝食、眠りと目覚めのメリハリを
適度な運動を習慣づけることは、入眠を促進し、中途覚醒を減らすことにもつながります。
また、しっかりと朝食をとることは朝の目覚めを促します。
これらの生活習慣によって、睡眠と覚醒のリズムにメリハリをつけることができます。
一方で、就寝直前の激しい運動や夜食の摂取は、入眠を妨げることから注意が必要です。
寝酒は睡眠薬の代わりではなく、睡眠の質を低下させます
就寝前にリラックスすることは入眠を促すために有効です。
一方、就寝前の飲酒や喫煙はかえって睡眠の質を悪化させるため、控えた方が良いでしょう。
睡眠薬代わりに寝酒を飲む習慣を持っている人が男性で多いことがわかっています。
アルコールは、睡眠薬代わりに少し飲んでいる場合でも、慣れが生じて量が増えていきやすいことが知られています。
また、アルコールは、入眠を一時的には促進しますが、中途覚醒が増えて睡眠が浅くなり、熟睡感が得られなくなります。
さらに、アルコール依存になる、トイレが近くなる、生活習慣病のリスクが上がる、睡眠時無呼吸症候群が悪化する、睡眠の質が低下するなどといった様々なデメリットにさらされる危険性があります。
ゆくゆくはアルコール依存のような状態になり、睡眠の質も悪くなっていくことが想定されます。
アルコール依存が疑われる人は早めの受診を心がけましょう。
就寝前の喫煙やカフェイン摂取を避ける
カフェインは健康ドリンク剤にも含まれています
ニコチンには覚醒作用があるため、就寝前の喫煙は入眠を妨げ、睡眠を浅くします。
寝酒や喫煙は、そもそも生活習慣病の発症・重症化の危険因子になるとともに、
直接、睡眠の質を下げるだけでなく、睡眠時無呼吸症候群のリスクを増加させるなど、二次的に睡眠を妨げる可能性も指摘されています。
就寝前3~4時間以内のカフェイン摂取は、入眠を妨げ、睡眠を浅くする可能性があるため、控えた方が良いでしょう。
これは、主にカフェインの覚醒作用によるもので、この作用は3時間程度持続します。
また、カフェインには利尿作用もあり、夜中に尿意で目が覚める原因にもなります。
カフェインは、コーヒー、緑茶、紅茶、ココア、栄養・健康ドリンク剤などにも多く含まれています。
それぞれのカフェイン濃度は以下の表をご覧ください。
睡眠薬代わりの寝酒は睡眠の質を悪くします。
朝起きた時「すっきりしない」「良く寝た感じがしない」のは、睡眠の質に問題があることが多いようです。
短時間でもしっかり、質の良い睡眠をとれるように生活を見直してみましょう。
出典
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