東京都では、令和3年1月15日(金曜日)より、容態の変化を早期に把握するため、
酸素飽和度を測定する「パルスオキシメーター」の貸与を都内全域の自宅療養者を対象に開始しています。
当面は、高齢の方など優先度の高い方から優先的に貸与しているとのことですが、パルスオキシメーターっていったい何でしょう?
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
パルスオキシメーターとは?
もともとは、医療施設などで、「呼吸器症状」などを評価するための酸素飽和度というものを計測するために利用していました。
指先など体に光を透過させることで、動脈血の酸素飽和度(SpO2)を計測できる測定器です。
1974年に日本光電工業株式会社の青柳卓雄氏らによってその原理が発明され、
その後、ミノルタカメラ(現コニカミノルタ)より「オキシメーター」として特許出願がなされたのがそもそもの始まり。
酸素飽和度って何?
生物は酸素がなければ生きていけません。
酸素(空気)を肺に取り込み、取り込んだ酸素を全身に運んで生きています。
酸素が充分に運ばれなければ各種臓器に不具合が生じ、臓器不全や生命の危機に繋がります。
特に脳細胞は全身の25%の酸素を消費しており、酸素供給が途切れれば、2分程度で脳神経細胞の破壊が始まります。
パルスオキシメーターは、血液の酸素供給が正常に行われているかどうかを、リアルタイムで測定できる医療機器です。
生きるために必要な酸素、健康であるために必要な酸素が、充分に体に供給されているかどうかを確認するために酸素飽和度は測られます。
感染が分かるの?
一時。テレビ番組などでパネリストや芸能人が「パルスオキシメーター」を勧めていましたが、
パルスオキシメーターの数値によって、新型コロナウイルスの感染判断はできません。
しかし、病状の重症度の判断には有効で、急性呼吸不全を起こす可能性のある慢性疾患患者の日常管理や病状判断に重要な検査です。
東京都で配布されたタイプは?
今回、2021年1月7日の小池東京都知事の会見で説明のありました、
軽症・無症状の自宅療養者への配布用パルスオキシメータ(コニカミノルタ社は「パルスオキシメータ」として表記)として配布されたのは、
コニカミノルタ社の「PULSOX-Neo」という機器でした。
こちらは、医療機器として国に登録がしてあります。
パルスオキシメーターは、動脈血酸素飽和度と同時に心拍数も計測してくれる優れもの。
ただ、動脈血酸素飽和度と心拍数ってどちらも似たような2ケタ数字なんですよね。
間違いやすいので、ディスプレイは、
酸素飽和度と心拍数が「わかりやすく区別できるタイプ」がおすすめです。
特に、酸素飽和度は96%以上が基準値になりますが、100%を超えることはありません。
緊急時に「酸素飽和度が102です!」とか言ってしまうと大変なことになります。
アマゾンでは、品切れが少し目立ってきました。
また、コニカミノルタさんでは、
「一般家庭で、パルスオキシメータを感染予防目的のために購入されることはお避け下さい。」としていますので、
まずは、在宅療養中の方、持病などがあって心配な方から検討くださいね。
出典