毎日暑い日が続いたり、仕事が多忙で疲労が蓄積してきたりすると、つい日中も眠気が襲ってきて困った経験はありませんか?
どなたにもありがちな事ですが、実は「過眠症」という病気の可能性が潜んでいる場合があります。
今回は「過眠症」とその対策について、ご紹介いたします。
過眠症とは。
不眠症より危険とされる「過眠症」。
下記のチェックテストでご自身の眠気の強さを確認してみましょう。
過眠症は睡眠障害のひとつで、不眠症と対極に位置するものと考えられています。
「過眠症」と聞くと、“夜の睡眠時間が長くなる”というイメージを持つ方が多いかもしれませんが、症状は夜ではなく日中に現れます。
日中に非常に強い眠気が発生するのです。
(睡眠不足のときに感じる眠気とは、レベルがまったく違うと言われます)
日中の活動時間帯に強い睡魔に襲われてしまうため、仕事中の作業ミスや運転事故につながる可能性が否定できません。
このことから、不眠症よりも危険な睡眠障害と考えられています。
過眠症の一つ「ナルコレプシー」は青年期に多く、症状は一日に3回~5回の居眠りをし、一回は20分ほどと短く、入眠時の幻覚、睡眠時の金縛りを伴いがちである事が特徴です。
さらに、笑う、驚くなど感情の変化に伴っての脱力があります。
睡眠時無呼吸症候群も過眠症の一つです。
治療で改善する事ができます。
その他にも過眠症には、イビキが特徴の睡眠時無呼吸症候群などもあります。
睡眠時無呼吸症候群は、最近では治療も進歩して、症状が改善する人も多くいます。
ここで、過眠症の可能性をチェックしてみましょう。
エップワース眠気尺度
次の問1~問8の状況下で、あなたは眠ってしまうことがありますか?
「絶対ない:0点」「たまにある:1点」「よくある:2点」「いつもある:3点」で加算してください。
問1.座って本を読んでいる時。
問2.テレビを見ている時。
問3.劇場や映画館や会議など、人が大勢いる場所で座っている時。
問4.他人が運転する車に乗車して、1時間くらい休憩なしで乗っている時。
問5.午後、横になって休憩している時。
問6.座って人と話をしている時。
問7.昼食後(お酒は飲んでいない状態で)静かに座っている時。
問8.自分が運転し、踏み切りや信号で数分間待っている時 。
得点の合計が高いほど、日中の眠気が強く、逆に得点が低いほど眠気は弱いという判定になります。
合計得点が11点以上の場合は、眠気が何らかの病気の可能性があります。
一度、専門医に相談することをお勧めします。
過眠症対策は
つらい眠気との戦いですが、対策もあります。
30分までの昼寝は午後からの生産性を向上するとして、厚生労働省も推奨しています。
① 昼休みに30分までの昼寝を
30分までの昼寝は午後からのパフォーマンスをあげるとして、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」でも推奨されています。
静かな環境で、体を楽にして昼寝しましょう。
② 体内時計リズムを整える
休日の寝だめは、平日のプラス2時間まで。
睡眠は貯蓄できません。
疲労回復に効果がある時間数は決まっています。
まずは生活習慣を整えて、良い睡眠を確保しましょう。
過睡眠の修正は、自身の努力と周囲の配慮が必要です。
静かな環境でゆっくりと休憩して正しい睡眠リズムを取り戻しましょう。
出典
監修者情報 名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
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