最近、スマホを片手に旅行やカフェでくつろぐシニアを見かけるようになりました。
以前は、「文字が小さくて読みにくい」「壊れそう」などとシニアから敬遠されがちだったスマホですが、いったい何が起こったのでしょうか。
監修者情報 名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
インターネットを活用する高齢者が増加
過去1年間にインターネットを利用したことがあるかについて、利用者の年齢階級別に5年前と比較すると、
70~79歳が14.3ポイント増と最も大きく、次いで60~69歳が12.2ポイント増などとなっており、
インターネットを利用する高齢者が増加傾向にあることがわかってきました。
また、インターネットを利用したことがあると回答した65歳以上の高齢者の使用頻度についてみると、
半数近くの45.2%が「毎日少なくとも1回」は利用していると回答しています。
スマホの保有率は?
NTTドコモモバイル社会研究所調べ(2018年1月)では、
・60代でスマホ保有が56%、フィーチャーフォンを逆転
・60代は男女ともスマホ&パソコンが多数派
・70代でスマホ保有率31%。女性はまだフィーチャーフォンが多い。
どちらの年代も前年比10%以上となっています。
今後もますますシニアのスマホ保有率は増加しそうです。
いったい何に利用しているの?
シニア(高齢者)の約9割がICT端末を所有・利用しているが、
ではどんなサービスを利用しているか1、2の例を挙げて尋ねたところ、「メール」が最も高く、約6割が利用していました。
次いで「情報の検索」「災害情報」「品物の注文」の順で利用が高く、3割を超えていました。
その一方、「健康アドバイス」「安否確認」「ホームサービス」といったサービスはほとんど利用者がいませんでした。
しかしながら、この3つのサービスは「今後使ってみたい」と答えた割合がいずれも4割を超えており、意向があるのに使われていない現状が浮き彫りとなりました。
シニアのスマホ利用のキーワードは、「健康」「安心」「家」であると調査ではまとめられています。
もっと健康になりたいシニア層
現状では、シニアはスマホやパソコンなどを利用して「健康」に関するサービスの利用は少ないが、スマホ所有者全体の25%が今後は「使いたい」という意向を持つシニア層。
それでは、いったいどのような意向を持っているのでしょうか。
ICTで行う健康サービスへの利用意向は高いが、具体的なサービスについては7割が知らず、興味があるのに、認知が進んでいない状況が明らかになりました。
さらにサービスを知っている3割の人の多くは利用していないのは「きっかけ」がなかったことが理由と回答をしています。
この結果をみると、サービスが今後広がりを見せるには、「きっかけ作り」が必要ということではないだろうかと前述の調査ではまとめられています。
スマホを利用してアクティブシニアに。
もっと健康になりたいシニアには、スマホからの健康情報は効果的かもしれません。
文字が見やすい、安心して利用ができる、簡単操作でシンプルな機能をもつ情報提供ツールであれば、シニアをもっと元気にすることができそうです。
一昔前のシニアとは違う現代のアクティブシニア。スマホを片手に旅行に、健康づくりに活躍しそうですね。
出典
総務省 高齢者白書
NTTドコモ モバイル社会研究所 シニアのICT利活用生活の検討