雨が多い時期になると、お風呂やサッシ際の黒い点々が現れます。
いわゆる「カビ」と呼ばれる彼らは、大量に出現しても少しも喜んでもらえない・・・。
でも、私たちが日頃、口にしている調味料の一部は、「カビ」のおかげでできたもの。
今回は、人間にとって敵? それとも味方? カビの正体のお話(前編)です 。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
カビの種類は驚きの・・・
カビの種類は、現在わかっているだけでも9万7千種以上もあります。
それらは「糸状菌」「キノコ」「酵母」という3タイプに分けられます。
いわゆる、カビとして最もよく知られているのは糸状菌です。
ミカンやお餅などに生えるカラフルなカビの多くは糸状菌と思って間違いありません。
「えっ!? キノコってカビなの!?」と思われるかもしれませんが、キノコもれっきとしたカビの一種です。
また、浴室の壁にポツポツとできる黒いカビは酵母の一種です。
パンを発酵させるイースト菌も酵母、つまりカビの仲間です。
人から愛されるカビ達もいる
嫌われがちなカビですが、人に愛されているカビもいます。
味噌、しょうゆ、日本酒、人気の塩麹など、日本の食文化を担う食品の多くは、実はカビを利用して作られています。
ワインやビール、パン、チーズもカビの助けがないと作れません。
また、アオカビから作られるペニシリンは、抗生物質として利用されています。
あるドラマで、大変有名になりましたね。
病気を引き起こすカビがいる一方、病気を治すのに役立つカビもいるというのが、カビの世界の奥深い所です。
一方で、病気を引き起こすカビもいる
カビという呼び方は俗名で、専門的には「真菌」または「菌類」といいます。
真菌は細菌の一種と思われがちですが、実はまったく別ものです。
カビは、ヒトと同じ真核生物という「高等生物」の一種で、ヒトと細胞構造が同じです。
だからというわけでもないのですが、カビはヒトの病気の原因なることもあります。
あの病気の正体も実はカビ?
世界に5億人といわれる水虫患者。
水虫の原因となるのは、「白癬菌」というカビ。
白癬菌は、風呂場をはじめ、いたるところにいるので水虫になりやすいのです。
他にも、夏場に続く空咳の原因がカビアレルギーによる「夏型過敏性肺炎」だったり、「アレルギー性鼻炎」だったりします。
次回は後半、カビ退治編をお届けします。
出典
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