真夏日と猛暑日の違いとは? 天気の言葉の使い分け

天気予報

 

2018年7月23日、埼玉県熊谷市で最高気温41.1℃と、日本の最高気温の記録を更新しました。

この暑さの報道においては、度々、「猛暑日」「熱帯夜」といった暑さを表す言葉が使われています。

他にも似たような言葉として「真夏日」「夏日」がありますし、冬には「真冬日」「冬日」という言葉も使われます。

これらの言葉の違いを知っていますか?

 

監修者情報

佐藤祐造

名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

 

「猛暑日」 「真夏日」 「夏日」 「熱帯夜」 などの言葉

 

温度計

 

まず、「猛暑日」は、最高気温が35℃以上となった日を表します。

最高気温が30℃以上となった日は「真夏日」、25℃以上となった日は「夏日」といいます。

また、朝の最低気温が25℃を下回らないような寝苦しい夜を「熱帯夜」といいます。

(厳密には、夜間だけではなく、1日を通して最低気温が25℃を下回らない日をいいます。)

 

一方、寒候期における寒さを表す指標として、最高気温が0℃を下回り、一日中氷点下の状態である日を「真冬日」、最低気温が0℃を下回る日を「冬日」といいます。

これらの言葉を使って、地球温暖化の影響を評価することもできます。

具体的には、地球温暖化の進行とともに、年間の熱帯夜、真夏日、夏日、猛暑日といった暑い日の日数は増加傾向にありますし、冬日、真冬日といった寒い日の日数は減少傾向にあります。

 

 

雨量を表す言葉

 

一方で、強い雨が降っているときに使われる言葉がいくつかあります。

1時間に80mm以上、50mm以上、30mm以上、20mm以上、10mm以上降るような強い雨を、それぞれ「猛烈な雨」、「非常に激しい雨」「激しい雨」「強い雨」「やや強い雨」といいます。

地球温暖化の進行に伴って、大雨の頻度が増加することが指摘されていますが、実際、日本では、「猛烈な雨」や「非常に激しい雨」の年間発生回数が増加傾向にあります。

 

雨で濡れたフロントガラス

 

 

「大雨注意報」「大雨警報」「大雨特別警報」とは

 

また、2018年の夏、「平成30年7月豪雨」と命名された災害が発生しました。

この大雨災害においては、11の府県で大雨特別警報が気象台から発表されました。

大雨特別警報とは、数十年に一度の降雨量となる大雨が予想され、重大な災害の起こる恐れが著しく大きい場合に発表されます。

通常、大雨が予想される場合は、段階的に、大雨注意報、大雨警報が発表されます。災害の起こる恐れがある場合は大雨注意報、重大な災害の起こる恐れがある場合は大雨警報です。

つまり、大雨特別警報が発表された段階では、既に災害が発生していることも考えられるので、実際の避難行動を終えておきたいところです。

 

【特別警報】

重大な災害の起こる恐れが著しく大きい場合に発表します

 

【警報】

重大な災害の起こる恐れがある場合に発表します

 

【注意報】

災害の起こる恐れがある場合に発表します

 

天気に関する言葉には、季節を表す抒情的なものも数多くありますが、猛暑や大雨といった災害に直結するような極端な現象を表す言葉、防災上欠かすことのできない言葉がたくさんあります。

これを機に、関連する言葉を整理して上手に活用してほしいと思います。

 

 

出典

環境省HP  COOL CHOICE ウェブサイト 「知っているようで知らない天気の言葉」

多森 成子(たもり せいこ)地球温暖化防止コミュニケーター・トレーナー/三重テレビ気象キャスター/気象予報士/防災士

 

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