定義
血中脂質の運び役であるリポたんぱくの一つで、動脈壁の沈着した余分なコレステロールを、肝臓に運び戻し、動脈硬化を予防する作用があり、善玉コレステロールと呼ばれています。
余分なコレステロールを回収して動脈硬化を抑える。
増えすぎたコレステロールを回収し、さらに血管壁にたまったコレステロールを取り除いて、肝臓へもどす働きをします。
増えすぎたLDLコレステロール(悪玉コレステロール)が動脈硬化を促進するのとは反対に、抑制する働きがあるので善玉コレステロールといわれます。
HDLとは「High Density Lipoprotein」の頭文字で高比重リポタンパクの意味です。
コレステロールは、血液に馴染みやすいようにアポタンパクと結合してリポタンパクという粒子になります。
粒子に含まれる脂肪とたんぱく質の量によって比重が異なる5種類のリポタンパク質があり、それぞれ役割が異なります。
生活改善提案
・マーガリンなどトランス脂肪酸の摂取を控えましょう。
・3食を規則正しく摂取し、間食や夜食は控えましょう。
・食物繊維はコレステロールを下げるので、食物繊維(野菜、海藻、キノコ類、こんにゃく等)を多く摂りましょう。
・夕飯は少なめに、遅い時間の摂取は控えましょう。
<運動>
・有酸素運動の実施は、HDLコレステロールを上昇させます。ゆっくり大きく筋肉を動かすようにしましょう。
<喫煙>
・喫煙者は禁煙をしましょう。
<アルコール>
・禁酒、節酒しましょう。
<肥満>
・食事や運動で肥満を解消しましょう。
LDLコレステロールを減らしHDLコレステロールを増やすには、日々の食事を見直すことが重要です。
豆腐・納豆などに含まれる大豆たんぱくは、コレステロールの吸収を抑える働きがあります。
オレイン酸が豊富なオリーブ油、あじ・さんまなど青背の魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)などの不飽和脂肪酸は、HDLコレステロールを下げずにLDLコレステロールを減らす働きがあります。
生活習慣においては、運動不足や喫煙がHDLコレステロールを下げる原因であると考えられています。
関連する疾患
低値:動脈硬化症、脂質異常症、糖尿病、肝硬変、狭心症、心筋梗塞