6月は「麦秋」という言葉があり、麦の穂が実り、 麦茶の原料である大麦の収穫シーズンにあたります。
今回は、まろやかなテイスト、ノンカフェインでごくごく飲める「麦茶」のお話です。
6月1日は麦茶の日
6月1日は衣替えにもあたり、まさに、麦茶の季節の始まりにふさわしい日ということで、 1986年に全国麦茶工業協同組合が、6月1日を「麦茶の日」として制定しました。
毎年、各地で麦茶の無料配布などを行い、麦茶の普及をしています。
麦茶の歴史
日本では、早くから大麦を炒って、飲料にする風習がありました。緑茶が普及するはるか以前で、戦国の武将たちも愛飲していたと伝えられています。
江戸時代末期になると、麦茶は、町人衆の気軽な飲み物、お茶代わりとして商品化され、今でいう喫茶店のような「麦湯店」なるものが出て、大いに繁盛したようです。
人々は、縁台に座って、麦茶を楽しみました。
明治になってからでも、上野・浅草・両国などの下町では、夕方から夜中まで「麦湯」(今の麦茶)と書いた行燈が通りにならび庶民の憩いの場になっていました。
麦茶の効能
麦茶は他の飲料と違って、人工的な保存料や甘味料などが一切添加されていない本物の天然飲料です。
また、大麦を原料としており、タンニンやカフェインといった刺激の強い物質を含まないため、お母さんが安心して赤ちゃんにあげられる飲料としても、昔から勧められてきました。
さらに最近では、健康に大切なパワーが秘められていることも、次々と科学的に立証されています。
日本人の祖先伝来の知恵が、最近の科学で改めて証明されたといえそうです。麦茶は天然の機能性飲料なのです。
さらに詳しく
夏の水分補給に欠かせない麦茶は、単にのどを潤すだけではなく、血流を改善してくれます。というのも、麦茶の香ばしい香りの成分である「アルキルピラジン」に、血液サラサラ効果があるためです。
汗をかく夏場は、体内の水分が減少し、血がドロドロになって血栓(血のかたまり)ができやすくなることから、脳梗塞の発症が増える時期です。
脳梗塞だけでなく、熱中症予防のためにもこまめな水分補給が大切です。
血液サラサラ効果に加え、ノンカフェインで利尿作用のない麦茶は、夏場の水分補給に特にお勧めです。
ティーバックの麦茶であれば、水1リットルに10gの麦茶を入れて、冷蔵庫で1~2時間冷やせば、おいしい水出し麦茶が出来上がります。この夏は、麦茶で熱中症予防をしましょう。
参考
監修者情報 名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
そういえばそんなこともあった、
あの頃の体型にはヘルスライフ。