いまや、くるみは注目のスーパーフード。
しかし、田舎では川岸に鈴なりに実っているのに、あまり、興味をもたれない「くるみ」。
今回は、アンチエイジングフード「くるみ」のお話です。
9月30日はくるみの日
9月30日は「くるみの日」です。
長野県のクルミ愛好家らが、「く(9)るみ(3)は丸い(0)」の 語呂合せで制定したといわれています。
くるみは、最近になって「ブレインフード」「スーパーフード」「アンチエイジングフード」などと呼ばれ、人気の品になっているのですが、一体なぜなのでしょうか?
くるみとは
くるみは紀元前7000年には食用されていたという、最古のナッツです。
代表的なペルシャグルミは紀元前2000年には栽培されていたようです。
日本には、江戸時代にペルシャグルミの変種であるテウチグルミが中国から、明治時代にペルシャグルミがアメリカから渡来しました。
南北アメリカ、ヨーロッパ、アジアまで広く分布していますが、現在の主生産地はアメリカや中国などです。
木の実はパン、菓子、料理や油の原料に、木は家具や建具にと用途が広いことが特徴です。
なお、日本にはオニグルミ、ヒメグルミという原産種があります。
くるみの栄養
くるみの栄養で良いところは以下の3点です。
- ビタミンやミルをはじめ、食物繊維など健康維持・増進に必要な成分が豊富なこと
- オメガ3脂肪酸が多いこと(なんと、くるみはナッツ類でNo.1)
- 抗酸化作用があること(加齢による慢性疾患予防の可能性が研究で示唆されています)
体に良い脂肪のオメガ3脂肪酸、抗酸化物質(ポリフェノール、メラトニン)が豊富に含まれる他、ビタミン、ミネラル、たんぱく質や食物繊維など、体に良い成分や栄養素がギュッと詰まっています。
低糖質でグルテンフリー。今注目の低糖質ダイエットやグルテンフリーダイエットにも適した食材です。
良質な脂肪と食物繊維、食感が満腹感を与えるので小腹がすいたときにぴったり、ダイエット中でも安心のヘルシースナックです。
ナッツ類の中でも、特にくるみに多く含まれるオメガ3脂肪酸には、
悪玉コレステロール値や中性脂肪値を下げたり、血管を柔軟(若さの尺度)に保つ効果があり、
糖尿病や心臓血管疾患、肥満やメタボなど生活習慣病予防のリスクを下げたり、脳活にも良いことが様々な研究で分かってきています。
カリフォルニアくるみ協会HPによると、おすすめの摂取量は毎日ひとつかみ程度。
1日に必要なオメガ3脂肪酸脂肪酸を摂ることが出来るそうです。
注目のオメガ3脂肪酸
くるみに含まれるオメガ3脂肪酸は、認知機能をサポートする栄養素とされ、研究が進んでいます。
くるみに豊富に含まれる植物由来のオメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸(ALA)は、
脳の灰白質形成に重要な影響を及ぼすDHAの親的な存在で、脳の発達に必要な栄養を供給し、認識機能をサポートする栄養素として知られています。
手で割れるくるみ?
日本では、山野に自生する「オニグルミ」等が古くから食料として利用されていましたが、
園芸作物として栽培されるようになったのは意外と新しく、その発祥の地は長野県とされています。
江戸時代には、「カシクルミ(テウチクルミ)」が中国、朝鮮半島経由で伝来しましたが、
「セイヨウクルミ(ペルシャクルミ)」が明治時代に欧米から導入され、
これらの2種が長野県東部でめぐりあい(交配され)、誕生したものが「シナノクルミ」と呼ばれています。
殻をむいたくるみはスーパーにもよく売られていますが、殻付のくるみは見つけても買うのを躊躇されるのではないでしょうか?
「くるみ割り人形」にも代表されるように、くるみの殻を割る器具はいくつかあります。
しかし、なんとシナノクルミは手でも割れるくらい殻が薄いのです!
くるみは秋が旬です。皆さんもぜひご賞味ください。
出典
農林水産省 maff 2016年10月5日【手で割れるくるみ】
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
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