寒い冬でも換気が必要な理由は?室温を守る効率的な換気方法

換気

 

みなさんは冬に部屋の換気を行っているでしょうか?

 

インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症対策として、

換気が重要であることが様々なメディアで取り上げられていますよね。

 

「空気の綺麗さ」に関心が高まり、換気の重要性も見直されています。

 

しかし、換気が重要であることを理解していても「外の寒い空気を部屋に入れたくない!」と、

換気するのをためらってしまう人は多いのではないかと思います。

 

冬場に寒い思いをしながら換気することには本当に意味があるのか?

寒さを感じないように換気する方法はあるのか?

寒い冬の換気について、本記事で解説します。

 

監修者情報

佐藤祐造

名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

 

換気の重要性

 

そもそも、なぜ部屋を換気することが重要なのでしょうか?

 

実は、木や紙が使われた昔の日本の家屋は、隙間が多く自然に換気ができていました。

しかし、現代は木造建築でも気密性・断熱性が高くなっており、

空気がこもりがちになっているため強制的に換気を行う必要があります。

 

空気がこもったままにしておくと、壁や家具にニオイが付着して汚れたり、

湿気によりカビが発生して柱や土台などが傷んだりする原因となってしまいます。

 

また、冬の場合は感染症対策のためにも換気が重要となります。

 

冬になると以下のような状態になります。

・ウイルスや細菌は低温・低湿度で長く生存して、感染力が強くなる

・空気が乾燥していると、飛沫に含まれたウイルスが遠くまで飛ぶため感染範囲が拡大する

・寒さで人間の体温が下がるため、免疫力が低下している

・冬は夏より水分摂取量が少ないため、喉や気管支の粘膜が乾燥してウイルスに感染しやすい状態になっている

このような理由があるため、冬は感染症が流行しやすくなります。

 

マスクをつけたり、手指消毒をしたりといった感染症対策もありますが、

換気も感染症対策の1つとなります。

 

空気中に漂っているウイルスを吸い込むことで感染する、

「飛沫感染」や「マイクロ飛沫(エアロゾル)感染」などの感染経路は、

換気することで室内のウイルス量が減り、感染症予防になると注目されています。

 

冬場に感染症にかからないためにも、しっかりと換気を行う必要があります。

 

これらの理由から、住まいのメンテナンスのため、人の健康のために、

換気することは重要といえます。

 

 

換気することで得られるメリット

 

「換気することが重要」ということはわかりましたが、実際にどんなメリットがあるのでしょうか?

換気することで得られるメリットを3つご紹介します。

 

カビの発生防止

 

調理時や温かい食べ物・飲み物から出る湯気、部屋干し中の洗濯物など、

部屋の中には湿気を排出するものが数多く存在します。

 

部屋に湿気が溜まっている状態だと、カビが繁殖しやすくなります。

 

カビの発生条件には、以下のようなものがあげられます。

・湿度が60%~80%以上

・気温が25℃~28℃

・食品、ホコリ、ダニ、髪の毛などのカビの栄養がある

 

これらのうち、1つでも条件を満たさないように出来れば、

カビの発生を大幅に防ぐことができます。

 

気温25℃~28℃は私たち人間も過ごしやすい気温ですし、

カビの栄養も毎日掃除して完全に取り除くことは難しいため、

換気をして湿度を下げる方法が、カビの発生を防止する上で一番簡単な方法といえます。

 

シックハウス症候群の防止

 

シックハウス症候群とは、化学物質などによる室内汚染による健康被害のことで、

化学物質過敏症の一種とされています。

 

症状は、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹、目がチカチカするなど、

人によってさまざまです。

 

シックハウス症候群になる原因は、以下のようなものがあげられます。

・細菌・カビ・ダニの繁殖

・ストーブ使用による一酸化炭素、二酸化炭素、窒素酸化物の発生

・たばこの煙

・住宅の建材や塗料等に含まれるホルムアルデヒドやトルエンなどの化学物質

 

シックハウス症候群は室内の汚染された空気を吸うことにより発症するため、

換気をして部屋中の空気を入れ替えることで、

症状をなくしたり軽くしたりすることができます。

 

心と身体のリフレッシュ

 

換気をしないと、ニオイがこもったり二酸化炭素濃度が高まったりして、息苦しさを感じることがあります。

換気をして新しい空気を入れることで、心も身体もリフレッシュすることができます。

 

また、換気量を大きくすると学習効率がアップすることもわかっています。

換気をして新鮮な空気を取り入れることで脳の働きが良くなり、

作業効率や集中力を上げる効果が期待できます。

 

 

正しい換気の方法

 

換気を行う方法はいくつかあります。

換気システムを使用する方法と、窓を開ける方法の2つをそれぞれご紹介します。

 

24時間換気システムで換気する方法

 

2003年7月以降に着工された住宅には、「24時間換気システム(常時換気設備)」が設置されています。

24時間換気システムは、吸気口から外の空気が入り排気口から出ていく仕組みになっており、

このシステムを常に稼働させていれば、2時間ほどで室内の空気を入れ替えることができます。

 

24時間換気システムが設置されていない建物でも、

台所や洗面所の換気扇を使うことで、最小限の換気量を確保することが可能です。

 

窓を開けて換気する方法

 

冬場に窓開けによる換気を行うと、一時的に室内温度が低くなってしまいます。

寒さを軽減させたい場合は、暖房器具を使用して室温が18℃を下回らないようにしながら

換気を行うのがおすすめです。

 

この時、暖房器具に近い窓を開けると、外から入ってくる空気を暖めることができるため、

室内温度の低下を防ぐことができます。

 

また、対角線上にある2箇所の窓を開けると空気の通り道ができて

効率的に換気することができます。

 

もし、窓が1つしかない、もしくは、窓がない部屋の場合は、

扇風機を窓の外や部屋の外など空気を逃がしたい方向に向けて回しましょう。

部屋の中に向けて扇風機を回す方法は、外の新鮮な空気は部屋に入りますが、

部屋の中の汚れた空気が外に出ていかず十分に換気ができないことがあります。

 

窓開け換気

 

冬場の換気時には、こちらの暖房器具を使用してみてはいかがでしょうか?

 

 

換気の頻度・時間帯

 

前章で換気の方法を解説しましたが、

どの時間帯にどのくらいの頻度で換気すれば良いのでしょうか?

 

24時間換気システムは常に稼働させる必要があるため、

今回は窓開けによる換気の頻度と、換気におすすめの時間帯をご紹介します。

 

換気を行う頻度

 

窓や部屋の大きさに左右されますが、

換気は1時間に5分の換気を2回行うのが目安となります。

 

換気は1回の換気時間を長くするより、回数を増やした方が効率的です。

冬場の換気が寒いと感じた場合は、1回の換気時間を短くしても良いので

こまめに換気しましょう。

 

換気する時間帯

 

換気をするのにおすすめの時間帯は、

春夏は12~16時、秋冬は12~14時の湿度が低い時間帯です。

 

湿度が高い時間帯に換気を行うと、

室内に入り込んだ水分により結露やカビが発生しやすくなってしまうので、

湿度の低い時間帯を狙って換気しましょう。

 

しかし、日中の気温が高い時間帯は花粉の量が多いため、

花粉が気になる方は早朝に換気をすることをおすすめします。

 

 

番外編!エアコンや空気清浄機で換気はできる?

 

「エアコンや空気清浄機を使用すれば、簡単に換気出来るのではないか?」

と考えたことがある方はいらっしゃいませんか?

 

実は、エアコンも空気清浄機のどちらも換気は十分に出来ません

 

【エアコン】

エアコンは、部屋の空気を取り込んで温度調整した後に部屋に空気を戻す、

という仕組みになっています。

 

つまり、部屋の中の空気を循環させており、部屋の外の空気を取り入れている

わけではないため換気は出来ていません。

 

【空気清浄機】

空気清浄機は、空気中のホコリや花粉をフィルターを通して除去することで、

空気をきれいにしています。

 

しかし、「空気の入れ替え」は行っていないため、

ストーブを使用することで発生する一酸化炭素や、人間の呼気に含まれる二酸化炭素などは、部屋にとどまったままの状態になります。

 

このような気体を部屋の外に逃がして、新鮮な空気を取り入れるためには、

やはり換気を行う必要があります。

 

窓開け換気で外の空気を部屋に入れると、花粉も一緒に部屋の中に入れてしまうので、

換気しつつ空気清浄機も稼働させると空気がさらにきれいになるのでおすすめです。

 

こちらの空気清浄機は、「ホコリブロックプレフィルター」「ダブル脱臭フィルター」「静電HEPAフィルター」の

3つのフィルターで、しっかりと集じん・脱臭して、空気をきれいにすることができます。

室内でホコリや花粉が舞うのが気になる方は、購入を検討してみてはいかがでしょうか?

 

 

空気清浄機のスペック表

※参考:SHARP 加湿空気清浄機 KC-L50

 

また、空気清浄機を効果的に使うために、設置場所も意識しましょう。

 

【吸気口が前面、もしくは背面にあるタイプ】

空気が入ってくる窓の正面の隅に吸気口を向けて設置しましょう。

【吸気口が側面にあるタイプ】

窓に近づけて、正面から少し横にずらした位置に設置しましょう。

 

 

まとめ

 

換気を行うと、カビの発生防止、シックハウス症候群の予防、心と身体のリフレッシュなど、様々な効果を得ることができます。

また、感染症対策にもなるため、冬場でも換気をすることが重要です。

 

1時間あたり5分×2回を目安に、こまめに換気しましょう。

冬場の換気が寒いと感じる方は、暖房器具を使用して室温が18℃を下回らないようにしながら換気することをおすすめします。

 

 

【出典】

サワイ健康推進課 予防したのに…気をつけたい感染症

厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)

DAIKIN 上手な換気の方法~住宅編~

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