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    「血糖値が高いと言われてから、以前より空腹を感じるようになったかも?」

    自覚症状がほとんどない、または気づかずに進行してしまうことが多い糖尿病。

     

    そのため、皮膚が乾燥する、傷が治りにくい、手足を刺すような痛み、喉の渇きを感じるなど、

    変化に気づいた時にはかなり進行している可能性もあります。

     

    実は「空腹感を感じる」というのも糖尿病の症状の1つなのです。

     

    そこで本記事では、糖尿病と空腹感の関係から、空腹時の対処法をご紹介していきます。

     

    監修者情報

    佐藤祐造 []

    名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

    内科医、医学博士。名古屋大学大学院医学研究科修了。専門は内科・糖尿病学・スポーツ医学など。日本糖尿病学会理事、日本臨床スポーツ医学会会長、日本肥満学会会長などを歴任。著書に『糖尿病教室』(新興医学出版)ほか。

     

    空腹感を感じるメカニズムとは?

     

    冒頭で述べたように、「空腹感を感じやすい」というのは糖尿病の自覚症状の1つです。

    「空腹感」には、血糖値が深く関わっています。

     

    私達の体は、食べ物からエネルギーを産生して生命活動を維持しています。

    そのエネルギー源の一つが糖質です。

     

    通常、私達が糖質を含む食品を摂ると、糖質は消化吸収され、ブドウ糖になり、

    血液中に入り、血糖値(血液中のブドウ糖の量)が上昇します。

     

    しかし、食事を長時間摂らないなど、食事時間の間隔が空きすぎると、血糖値は下がったままで上昇しません。

     

    その結果、脳は体がエネルギー不足だと判断し、

    空腹感を感じさせて何か食べるように指示を出すのです。

     

    つまり、血糖値が低い状態を改善しようと脳から出される信号空腹感といえます。

     

    反対に、満腹感を感じる時はこれのほぼ逆のことが起こります。

    私達が食事をすると消化吸収されたブドウ糖によって血液中のブドウ糖の濃度が高くなり、

    血糖値が上昇します。

     

    そして、その情報が脳に送られると、脳はエネルギーの摂取はもう必要ないという情報を体に指示し、

    満腹感を感じることになります。

     

     

     

     

    糖尿病の人は常に満腹ではないの?

     

    1章の話では、血糖値が下がると空腹感を感じ、血糖値が上がると満腹感を感じる

    ということでした。

     

    しかしこの話でいくと、

    「常に血糖値が高い糖尿病患者の方は、常に満腹状態なのでは?」

    と疑問に思う方もいらっしゃると思います。

     

    血糖値は確かに空腹感や満腹感に関係していますが、

    厳密に言うとそれだけで決まるわけではありません。

     

    ここでのポイントは「胃に何もない状態かどうか」ということです。

    胃は、拡張・収縮する臓器で、

    その状態によって満腹中枢と摂食中枢のどちらに影響を与えるかが変わってきます。

     

    しばらく何も食べていない状態だと、胃が飢餓収縮して、

    摂食中枢に情報が伝えられて、空腹感を感じます。

    反対に、食事後は胃が拡張するため、その刺激が満腹中枢に伝えられ、満腹感を感じます。

     

    また、糖尿病患者の方のように長期間高血糖状態が続いている場合、

    空腹感と満腹感の境界があいまいになってしまい、正常に働かなくなる時もあります。

     

    このように、高血糖だからといって常に満腹状態であったり、

    空腹感を感じない、ということはないのです。

     

     

    糖尿病の人が空腹感を感じやすい理由は?

     

    糖尿病を発症していない健康な人でも、もちろん日常的に空腹感を感じますよね。

    健康な人が感じる空腹感と糖尿病による空腹感は、

    区別するのは難しいものの、ある程度の原因の違いは見られます。

     

    どのような原因が考えられるのか、見ていきましょう。

     

    頻尿と尿糖の排出

     

    高血糖になると、血液中に多量のブドウ糖が混ざっている状態になるため

    体は過剰な糖を尿から排出します。

     

    その際に多くのエネルギーが使われるため、それが強い空腹感となる原因となります。

     

    ただし、血液中の糖の量や体の働きは個人差があるので、

    人によってはさほど空腹感を感じないという人ももちろんいらっしゃいます。

    この原因は頻尿で尿糖が多い人に見られる現象です。

     

    低血糖

     

    糖尿病の人が低血糖になる原因は、

    インスリン注射が効きすぎている場合や、

    普段から偏った食生活で糖を過剰摂取しているためインスリンの分泌量が増え、

    空腹のときに低血糖が起きるというものです。

     

    また、インスリン製剤やスルホニル尿素薬など

    低血糖を起こす可能性のある薬を使用している場合、

    空腹感を感じることで低血糖を認識することもあります。

     

    頻繁に低血糖を起こすと、心血管リスクが高くなることもあり、危険です。

    意識を失うこともあります。

     

    何度も空腹感を感じるようであれば、

    一度かかりつけ医にご相談されることをおすすめします。

     

    ただの空腹感の可能性も

     

    空腹感は、糖尿病の人だけでなく健康な人でも誰もが感じるものですので、

    その原因が糖尿病に起因しているかどうかを判断するのは難しいと思います。

     

    残念ながらそれを区別する目安はありませんが、

    普段から糖尿病治療(薬物療法、運動療法、食事療法)を実践していれば

    自分の血糖値を把握されているかと思います。

    そこで普段と違う異常な数値がみられたり、不安がある場合は

    一度お近くの専門医に相談してみましょう。

     

     

    空腹感を感じても我慢が必要?

     

    「糖尿病にとって肥満は大敵だし、空腹感を感じてでもあまり間食はしない方がいいのでは…」

    「血糖値をあげないためにもあまり食べない方がいいのでは…」

    という考えを持っている方もいらっしゃると思います。

    糖尿病の方は空腹時でも食べるのを我慢した方がいいのでしょうか?

     

    答えはNOです。

     

    空腹感を感じているのに何も飲まず食わずの状態でいると

    以下のように、体に様々な不調が起こり始める可能性があります。

     

    ・めまい

    ・イライラ

    ・思考能力の低下

    ・手の震え

    ・動悸

    ・冷や汗

    ・脱力感

     

    もちろん、我慢をするのがいけないということではありません。

    食事を摂ることは肥満の原因に繋がるので、我慢することで肥満の予防になります。

     

    ただ、前述のような低血糖の症状が出始める場合もあるため、

    我慢することが良いとも言いきれません。

     

    この状況に対処するには、

     

    1回の食事量を減らし、食事の回数を増やす

    ・噛む回数を増やしてゆっくり食事を摂る

    ・間食を摂る時は、食べるものを選ぶ

     

    などの対処法が考えられます。

     

     

    空腹感で我慢できない時はこれだ!糖尿病におすすめの間食

     

    「お腹が空いて我慢できない…」

    そんな時は我慢せず、食べるものを考えて間食を摂りましょう。

    以下に糖尿病の方にもおすすめの食べ物を紹介していきます!

     

    ナッツ類

     

    ナッツ類

     

    ナッツ類は他の食べ物に比べても低糖質で

    かつ普段不足しがちなマグネシウムなどの栄養素も含まれており

    噛み応えもあるのでおすすめです。

     

    ただし、少々カロリーが高めなので、120粒程度に抑えましょう。

    また、塩味のものだと塩分を多く摂ってしまうので、無塩タイプがおすすめです。

     

    ハイカカオチョコレート

     

    ハイカカオチョコレート

     

    お菓子類の中でおすすめなのが、ハイカカオチョコレートです。

    商品によって差はありますが、1(5g)あたりの糖質は2.0g以下と、非常に低糖質です。

     

    また、ハイカカオチョコレートは血糖値の上昇を抑え、

    過剰な糖を中性脂肪に変えるのを防ぐはたらきが期待できるので

    血糖値の改善に役立つ可能性もあります。

     

    フルーツ類

     

    フルーツ

     

    フルーツの中でも特におすすめなのが、キウイです。

    キウイは、ビタミンや食物繊維を豊富に含んでいます。

     

    「フルーツは甘いけど糖質量は大丈夫なの?」

    と心配される方も多いと思いますが、

    フルーツに含まれる糖質(果糖)は血糖値をほとんど上昇させないので

    適量を守れば高血糖になりにくいです。

     

    もちろん、食べ過ぎると中性脂肪に変わってしまうので

    なるべく80kcal以内くらいに抑えましょう。

     

    80kcal以内の目安は以下の通りです。

    ・キウイ:1個半

    ・グレープフルーツ:半分(高血圧のお薬を服用の方は要注意)

    ・いちご:5.6

    ・りんご:半分

    ・みかん:2

     

    目安80kcal以内のフルーツ

     

    また、こちらの記事にも糖尿病の方におすすめの食べ物・飲み物

    コンビニで買える低糖質商品なども紹介していますので

    ぜひ参考にしてみてください。

     

     

     

     

    まとめ

     

    前述のように、「空腹感を感じる」というのは糖尿病の症状の一つです。

    その原因には、頻尿や尿糖の排出、低血糖など様々なものが考えられますが

    健康な人が感じる「空腹感」と区別をするのはなかなか難しいです。

     

    糖尿病だからといって、

    「少しでも食べるのを控えなきゃ…」

    「お腹が空いても食べない方が…」

    と我慢しすぎるのは、かえって体に悪影響を及ぼすこともあります。

     

    そこで、そんな時は今回ご紹介した対処法や、

    低糖質で糖尿病の方にもおすすめの間食を選んで、我慢しすぎずに食べましょう。

     

    「それでもあまりに空腹感が紛れず不安…」

    という方はかかりつけの医師に相談されるのが良いかと思います。

     

    我慢のし過ぎはかえって体に毒です。

    あまり思いつめず、上手に病気や自分の身体と向き合っていきましょう。

     

     

    【出典】

    H2株式会社 「糖尿病で空腹を感じやすいのはなぜ?〜原因・対策を分かりやすく解説〜」

    スマート脳ドック 「糖尿病でも食べていいお菓子ってあるの? 間食の仕方や注意点をご紹介」

    糖尿病お助け隊 「糖尿病で起こる空腹感の原因と対処方法」

    横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック 「管理栄養士が教える、糖尿病の方でも血糖値に影響が出にくい間食“8つ”のルール」