朝食抜きが良くないことは誰もがわかっているけれど…
しかし、「少しでも長く寝ていたい」「起きてすぐは食欲がない」などの理由から、朝食を食べない人が増えています。
子供が朝食欠食した場合、学力の低下、集中力の低下やそれによる怪我の増加が指摘されています。
それでは、大人はどうなのでしょうか?
生活習慣病のリスクが高くなる
朝食欠食をしていると高血圧、脂質異常症、糖尿病など生活習慣病のリスクが高くなることはわかっていました。
国立がんセンターが行った調査では、45歳以上の成人の場合、朝食欠食している人の脳卒中、中でも脳出血につながっていることがわかりました。
脳出血の原因は、高血圧や糖尿病が知られています。
朝食欠食はなぜ良くない?
朝食欠食が早朝高血圧の原因に・・・?
血圧は、起床一時間前から活動に備えて徐々にあがります。
その後、食事摂取などにより普通の人は、徐々にまた血圧が下がり安定します。
しかし、高血圧傾向のある人の血圧は、上がり続けて早朝高血圧(モーニングサージ)と呼ばれるようになります。
朝食は、このモーニングサージを予防します。
朝食を摂取すると、胃や肝臓が働き始め、血圧を上げるホルモンの分泌を抑制します。
そのため、朝食摂取している人の血圧は、上がり続けず、下降し安定するのです。
理想の朝食
水分、糖質、タンパク質、野菜のおかずがあるのが理想の朝食
理想の朝食は、和食であれば、ご飯に味噌汁、焼き魚に野菜といった旅館の朝定食のようなスタイルをいいます。
ごはんと味噌汁、それにタンパク質のおかずと野菜のおかずが一品ずつ、という朝食が良いようです。
このルールは、洋食でも同様です。
ある教授の調査によると、「体が重い、目覚めが悪い、気力がないなどの不調を訴えた」人は、
朝食に何も食べていない人で、食べる品目が一つ、二つと増える毎に不調を訴える人が減ったそうです。
ただ、4品目以上になると食べすぎのためか、おなかの張りや胃痛を訴える人が多くでました。
オススメの食品は?
朝食に必要なのは、頭を働かせる栄養素である「ブドウ糖」とブドウ糖などの糖質を効率よくエネルギーに変える働きをするビタミンB1やB2を持つタンパク質を同時に取ることです。
ふりかけご飯よりは卵かけご飯や納豆ごはんがよいでしょう。
一番お手軽なのは、フルーツヨーグルトです。
コンビニエンスストアでも手軽に入手でき、朝、出勤後にも簡単に食べられます。前の夜に用意をすることもありません。
今、朝食欠食している方も一週間だけ、何か血糖値が上昇するようなものを召し上がってみませんか?
体調がよくなったと感じるかもしれません。
出典
人生を変える!食の新常識 文春ムック
監修者情報 名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
ヘルスライフと目指す未来。小さなことを少しずつ。よい生活習慣を身につけることが健康への第一歩。