猫背以外にも悪い姿勢があった!正しい姿勢を解説

悪い姿勢というと猫背を連想してしまいますが、

一見〝背筋の伸びたいい姿勢〟も、

実は体に大きな負担をかけていることがあります。

 

無理な姿勢は、腰痛の原因になるだけでなく、歩行に支障を来す病気を招くことも。

また、体型のくずれにつながるなど、美容の大敵でもあります。

 

どんな姿勢が身体に悪影響を与えるのか、正しい姿勢とともにご紹介します。

本記事を読み、よい姿勢を心がけ、若々しい体を保ちましょう!

 

胸や腰を反らせすぎても腰痛や坐骨神経痛の原因に

 

全身の骨の数は、おとなでおよそ206個。

そのうち、体の中心で上半身を支える背骨は33〜35個※です。

 

背骨はゆるやかなS字状カーブを描いており、

そのおかげで、私たちは体のバランスをうまくとって自由に運動したり、

体にかかる衝撃をやわらげたりできるのです。

 

ところが、姿勢が悪く、背骨の自然なS字状カーブがくずれていると、

腰などに余分な力がかかり、痛みが出現しやすくなります。

 

 

悪い姿勢の代表格は猫背ですが、

姿勢をよくしようと意識するあまり、

胸や腰をそらせすぎている人も少なくありません。

 

まっすぐに立った状態で横から見たとき、

脚のつけ根の横の出っ張りが、

中心より前にある場合は胸や腰を反らせすぎです。

 

一見、〝背筋の伸びたいい姿勢〟も、

実際は腰に大きな負担のかかる「悪い姿勢」の1つなのです。

 

 

長年の悪い姿勢で、腰に負担がかかっていると、

「腰椎椎間板ヘルニア」や、「腰部脊柱管狭窄症」という病気のリスクが高くなります。

 

腰椎椎間板ヘルニアは、

背骨の骨の間でクッションの役割を果たしている「椎間板」が、

つぶれて飛び出し、神経を圧迫する病気です。

 

一方、腰部脊柱管狭窄症は、

背骨の中心を走る「脊柱管」という管が狭くなり、

神経を圧迫する病気で、高齢者に急増しています。

 

 

これらの病気で神経が圧迫されると、腰痛だけでなく、

おしりや下肢に痛みやしびれを感じる坐骨神経痛も起こります。

 

正しい姿勢で腰痛予防 体型のくずれも防ぐ

 

背骨がS字状カーブを描く姿勢は、

まっすぐ立って横から見たときに、

耳・肩・脚の付け根の横の出っ張り・ひざ・くるぶしが、

ほぼ一直線になっています。

この状態で視線を落とし、足の甲を見ると、

ちょうど前半分が見えるはずです。

 

日常生活でときどき姿勢をチェックして、

正しい姿勢にもどすように心がけましょう。

 

すると、体がその感覚を覚え、徐々に正しい姿勢が保てるようになります。

 

 

ただし、すでに腰部脊柱管狭窄症がある人は、

少し前かがみの姿勢の方が腰に負担がかかりません。

 

 

痛みの出る姿勢は避けるのが、

腰痛や坐骨神経痛を悪化させない基本です。

 

 

また、立ちっぱなし、座りっぱなしなど、

長時間同じ姿勢でいるのは避けましょう。

 

ときどき(1時間に1回程度)ストレッチングを行い、

筋肉をほぐすと血行がよくなり、腰痛の悪化を防げます。

 

 

姿勢の悪さは、筋肉の衰えにもつながり、

体型がくずれる一因ともなります。

 

正しい姿勢を保つことにより、

腹筋や背筋、おしりの筋肉などを自然に鍛えられ、

若々しい体型がキープできるというわけです。

 

正しい姿勢でいると、

わずかながら消費カロリーが増えるというデータもあります。

 

 

健康と美容のために、今日から姿勢を気にしてみませんか。

 

 

※背骨のうち、尾骨(尾椎)は3個から5個と人により数が異なる。

 

 

取材・文:NPO法人 医療機関支援機構 カルナの豆知識 編集部

医療ジャーナリスト 松沢 実

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※記事/図版等の無断使用(転載)、引用は禁止といたします。


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