私たちの生活に様々な「便利」をもたらしてくれるスマホ。
便利な一方で、使いすぎからくる眼のトラブルも多くなっています。
今回は、日常生活に不可欠なスマホとの健康的な付き合い方についてお話します。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
使いすぎをチェック
あなたはふだんどのくらいスマホを使用していますか?
- 一日二時間以上使っている
- 朝起きたらすぐにチェックする
- 電車での通勤・通学中にチェックする
- 寝る前に利用している
- 時間が空くといつも見ている
あなたはいくつチェックがつきましたか?
2つ以上チェックが入ったあなたは要注意です。
スマホを使っているときの眼の状態
人が物を見ているときは、眼球の中の「水晶体」と呼ばれる部分が厚みを変えて、焦点を合わせています。
厚みを変える役割をサポートするのが、毛様体筋と呼ばれる筋肉です。
近くを見ている時(スマホを見ている時)は、この筋肉が水晶体の焦点を合わせるために、
水晶体を押して厚みをつけている状態のため、筋肉に力が入っています。
自覚はありませんが、非常に毛様体筋には、ストレスがかかった状態となっています。
なぜ毛様体筋にストレスがかかるの?
スマホの画面はとても小さいですね。小さな画面に、さらに小さな文字がたくさん並んでいます。
その画面をパソコンやテレビよりも、ずっと近い距離で凝視することになるスマホ利用は、眼に大きな負担がかかります。
いつでも、手軽に便利に運べるだけに、使用時間が長くなることもストレスの原因になります。
VDT症候群ってなに?
長い時間スマホやパソコンなどのディスプレイを見続けることにより生じるからだの様々な不調を総称してVDT症候群といいます。
一日の連続作業が長くなるほど眼に関する訴えが多く見られるようになります。
VDT作業の不調とは
・眼の不調、ドライアイ、眼精疲労
・心身の不調(肩こり、首の痛み、手の痛み)
・心の不調(イライラ、不安、抑うつ状態など)
などを指します。
眼の症状「ドライアイ」
涙量の不足、涙の質のバランスが崩れることによって、眼の表面の健康が損なわれる病気を「ドライアイ」といいます。
眼の乾きによる不快感だけでなく、「眼の疲れ」「集中力の低下」など、心身の不調にもつながるため注意が必要です。
人はスマホを見るときなど、画面に集中するとまばたきの数が少なくなります。
まばたきが減ると眼の表面に十分な量の涙を十分にいきわたらせることができなくなり、涙の蒸発が増えるためドライアイになりやすくなります。
眼精疲労
近年、スマホやパソコンなどデジタル機器の普及によって、眼の疲れや痛み、頭痛・肩こりなどの症状を訴える人が急増しています。
眼を休めてもこういった症状がとれないことを「眼精疲労」といいます。
疲れ眼は睡眠など休息をすると回復する一時的な眼の疲れをいいます。
ただし、放置することにより眼精疲労に移行する可能性があるので、疲れ目のうちに対応することが大切です。
スマホとの健康的な付き合い方
スマホと上手に、健康的に付き合っていくポイントは以下の通りです。
1. 時間を守る
時々スマホの画面から眼を離し、意識的に遠くを見て、眼を休ませることが大切です。
10分間に1、2秒でよいので3mくらい先を見るようにしましょう。
2. 環境整備
スマホとは40cm以上離れましょう。
また、正しい姿勢で画面を見ること、明るすぎない、暗すぎない程度に照度を調節しましょう。
3. 眼の乾きを防ぎましょう
意識して、まばたきの回数を多くしましょう。目薬を利用するのも良い方法です。
スマホは現代生活には必須アイテムとなりました。
しかし、まだ、生活に取り込まれてからの時間が浅いだけに上手な付き合い方を模索しているのが現状です。
今後も長くスマホとお付き合いをしていくのであれば、
眼の負担なく健康的にお付き合いできるように工夫をしていきましょう。
出典
株式会社シード 眼科医が教える 現代人の必需品スマートフォンとの上手な付き合い方
ヘルスライフと目指す未来。
小さなことを少しずつ。
よい生活習慣を身につけることが健康への第一歩。