血圧測定

    特定感染症保険

     

    今回は、寒くなると高くなる血圧のお話です。

    簡単に高血圧の基礎を解説していきます。

     

    監修者情報

    佐藤祐造 []

    名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

    内科医、医学博士。名古屋大学大学院医学研究科修了。専門は内科・糖尿病学・スポーツ医学など。日本糖尿病学会理事、日本臨床スポーツ医学会会長、日本肥満学会会長などを歴任。著書に『糖尿病教室』(新興医学出版)ほか。

     

    高血圧とは

     

    血圧は心臓が動脈を通して全身に血液を送り出す圧力です。

    血液が体内をめぐる際には、心臓が収縮する力を利用しています。

    押し出された血液が血管の壁を押す力が一定の数値を越えた状態を高血圧といいます。

     

    人の血圧は120mmHgくらいです。

    一方、キリンの血圧は260mmHgほどです。

    キリンの身長は5mほどあり、心臓は高さ3mくらいのところにあります。

    しかし、脳はさらに2m上にあるので、そこまで血液を送る必要があります。

    そのため、心臓にかかる負荷も高く、血圧も260mmHgと高くなってしまいます。

     

     

     

     

    血圧は血流量と血管抵抗で求められる

     

    血流量とは血管内の血液量のことをいいます。

    そのため、塩分の過剰摂取でむくんでいたり、腎臓病などで尿を排泄できない場合には、血液量が増加して、血圧が上がります。

    また、血管抵抗は、動脈硬化や血液の粘度(ドロドロ血かサラサラ血か)などが関係します。

    動脈硬化が進んだ場合も、血液の粘度が高い場合にも血圧は高くなります。

     

     

    血圧の「上」「下」って?

     

    血圧には、収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)があります。

    心臓が収縮して血液が送り出されているとき、もっとも高いのが収縮期血圧で、心臓が膨らんで血液が戻ってきているときのもっとも低い血圧が拡張期血圧です。

    イラストは、左が収縮期を、右が拡張期をイメージしています。

     

    収縮期血圧と拡張期血圧

    左は収縮期血圧、右は拡張期血圧をイメージしています

     

     

    高血圧になる理由

     

    血圧は、血流量×血管抵抗で求められると先に書きましたが、それ以外の要因も血圧には影響を与えます。

    たとえば、運動時や強いストレスがかかったときの血圧上昇など、自律神経やホルモンが関係している場合や、塩分の摂りすぎによる循環血液量の増加などもある一方で、生活習慣病としての高血圧は、動脈硬化が大きく影響しています。

     

     

    動脈硬化が高血圧の原因に

     

    細い血管に動脈硬化が起こると、細い血管まで血液を送り出すのにより強い圧力が必要になり、まず、拡張期血圧が上昇します。

    さらに、動脈硬化が進んで、太い血管が動脈硬化になると、心臓から送り出すときの圧力が余分にかかるようになるので収縮期血圧も上昇します。

    ただし、太い血管の動脈硬化が進行すると、血管の循環機能がうまく働かなくなるために、拡張期血圧は下降します。

    そのため「収縮期血圧が高く、拡張期血圧との差が大きい」タイプの高血圧の人は、動脈硬化が進んでいる可能性があります。

    自覚症状がなく、静かに進行する血圧はサイレントキラーと呼ばれます.

     

     

    高血圧の合併症

     

    高血圧による合併症

     

    高血圧の合併症はいくつかあります。

    脳卒中や狭心症、心筋梗塞、心肥大、心不全、慢性腎臓病や腎不全、大動脈瘤、末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)など多岐に及びます。

    しかし、高血圧の自覚症状はほとんどありません。

    そのまま放置していると、突然このような疾患が発症することもあります。

    そのため、高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」と呼ばれることがあります。

     

     

    高血圧の治療

     

    食事療法(減塩)などの生活習慣の改善を行い、それでも目標値に達しなかった場合には、降圧薬を服用します。

    生活習慣改善のポイントは、減塩、健康的な食事パターンといった食事療法、減量、運動、節酒、禁煙などです。

    減塩については、高血圧の人は一日の食塩量6.0g未満を目指します。

    現在、日本人の平均塩分摂取量は10.8gなので、ほぼ半分くらいの量を目指すことになります。

    味付けは、現在を基準としたら、かなり薄味になりますし、汁物、スープを残す、調味料は使わないなどの工夫も必要になります。

    味付けに関しては、塩味ではなく、出汁や酸味、スパイスなどを上手に利用することも大切です。

    高血圧の方の食事は、食塩量6.0gを目指しましょう.

     

     

     

     

    家庭での測定が大切

     

    白衣性高血圧症など医療機関で計測するとふだんと違って高めの血圧がでてしまう人は、家庭で毎日朝と晩に計測して記録をしましょう。

    計測するうちに、血圧測定に慣れてきて、家庭血圧が安定するという効果があるかもしれません。

    また、家庭血圧の管理目標が達成されている場合には、薬剤調節などの目安となり、医療機関で相談のきっかけとなる可能性もあります。

     

    高血圧は、自覚症状がないため気がつきにくい生活習慣病の一つです。

    日本には、推定4,300万人の患者がいるといわれています。

    年間医療費も1兆8500億円を超える国民病です。

    生活習慣を改善することで、効果が現れやすい病ですので、血圧が気になる方は、運動や減塩から心がけてみましょう。

     

     

    参考

    南山堂 坂根直樹 まるごとわかる!生活習慣病 

     

    一駅手前で歩いてみよう!歩数管理はヘルスライフで!