ワクチン接種

    特定感染症保険

     

    全国で新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が開始されました。

    すでに、職場で1回目のワクチン接種を終えた方も大勢いらっしゃいますね。

    最近よく聞かれるのが「ワクチン接種したけど、変異株にも効くの?」という疑問です。

    今回は、変異株とワクチンについてお伝えします。

     

    監修者情報

    佐藤祐造 []

    名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

    内科医、医学博士。名古屋大学大学院医学研究科修了。専門は内科・糖尿病学・スポーツ医学など。日本糖尿病学会理事、日本臨床スポーツ医学会会長、日本肥満学会会長などを歴任。著書に『糖尿病教室』(新興医学出版)ほか。

     

    そもそも、変異株とは?

     

    一般的にウイルスは増殖・流行を繰り返す中で少しずつ変異していくものです。

    新型コロナウイルスも同様で、約2週間で一か所程度の速度で変異していると考えられています。

    現在、新たな変異株が世界各地で確認されており、こうした新たな変異株に対して警戒を強めていく必要があります。

    国立感染症研究所では、こうした変異をリスク分析を行いました

    その評価に応じて、変異株を「懸念される変異株(Variant of Concern:VOC)」と「注目すべき変異株(Variant of Interest:VOI)」に分類しています。

     

    変異株

     

    これらの変異株は、従来株よりも感染しやすい可能性があります。

    (B.1.1.7系統の変異株(アルファ株)は、実効再生産数の期待値が従来株の1.32倍と推定、

    診断時に肺炎以上の症状を有しているリスクが従来株の1.4倍(40-64歳では1.66倍)と推定)。

     

    また、B.1.1.7系統の変異株(アルファ株)、B.1.351系統の変異株(ベータ株)、

    B.1.617.2系統の変異株(デルタ株)は、重症化しやすい可能性も指摘されています。

     

    我が国では、B.1.1.7系統の変異株(アルファ株)の割合が全国で約8割となり、

    一部の地域を除き、従来株からほぼ置き換わったと推定されています。

     

    また、B.1.617.2系統の変異株(デルタ株)については報告数が増加しつつある状況です。(令和3年6月2日時点)。

     

    変異株というのは、従来のコロナウイルスが徐々に変化をしている段階で生まれるものといえます。

     

    今のところ日本国内では、爆発的な感染につながるような変異株はなく、

    落ち着いた状態であるように思われますが、油断は出来ません。

     

     

     

     

    コロナワクチンは大丈夫?

     

    現在までのところ、各ワクチンの変異株に対する有効性に高低はあるものの、

    どの変異株に感染した場合であっても高い重症化予防効果が期待できるとされています。

     

    そのため、これまでに知られているどの変異株が蔓延してもワクチン接種のメリットは大きいと考えられています。

    アルファ株ベータ株・ガンマー株
    ワクチン

    病気の予防効果

    感染予防の有効性

    病気の予防効果

    感染予防の有効性

    ファイザー社

    91%

    (86%)

    (86%)

    (82%)

    モデルナ社

    94%

    (89%)

    (89%)

    (85%)

    アストラゼネカ社

    74%

    52%

    35%

    (31%)

    上記の表は、IHMEのCOVID-19 resources(http://www.healthdata.org/covid/covid-19-vaccine-efficacy-summary)より抜粋、改変したCOVID-19ワクチンの有効性の概要図です。

    変異株ごとの、ワクチンの効果を示しています。

    数値は、試験のデータに基づくもので、( )内の数値は試験データに基づいた定値です。

     

     

    変異株に対応したワクチンを開発しない?

     

    変異株に対してワクチン効果が減弱する可能性があるという報告を受け、

    一部の企業では変異株に対応したワクチンの開発が始まっています。

     

    モデルナ社では、現在、あらたにベータ株に対するワクチンの開発を進めています。

    マウス実験では、効果が認められており、臨床試験中です。

     

    ファイザー社もベータ株に対応した改変型ワクチンの開発に着手しています。

    同じく、アストラゼネカ社も2021年4月からベータ変異株に向け改変型ワクチンの開発を始めており、年内の供給開始を目指すとしています。

     

     

     

     

    まとめ

     

    新型コロナウイルスが甚大な被害をもたらす中で、

    1年足らずという異例のスピードでワクチンが開発されたというのは素晴らしいことです。

     

    現在広く接種されているmRNAワクチンは有効性も高く、パンデミックの収束に大きく貢献することが予想されていますが、

    変異株の出現が相次いで報告されており、引き続き警戒がとても重要です。

     

    変異株向けのワクチン開発も始まっていますが、実用化されるまでにはまだ時間がかかると考えられています。

     

    コロナウイルス感染は、従来型でも変異株型でもワクチン接種によって完全に防ぐことができるわけではありません。

    ワクチン接種後の感染例が報告されていることは、みなさんもご存じのことでしょう。

     

    変異株の監視や解析を続けるとともに、ワクチンの効果を過信することなく、

    基本的な「密の回避、マスク着用、アルコール消毒」などの感染対策の徹底を続けていくことが必要です。

     

    今後も生活の中での感染症対策を継続していきましょう。

     

     

    出典

    厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A

    国立感染症研究所 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 関連情報ページ

    武見基金COVID-19有識者会議 SARS-CoV-2変異株の特徴とワクチン開発の動向

    IHME COVID-19 vaccine efficacy summary