ワクチン接種が開始されて数か月。
まだまだ、進みそうにありません。
大阪、東京では、自衛隊の力を借りて野外テントを設営しワクチン接種を行うとしていますが、追い風になるのでしょうか。
気になるワクチンですが、ワクチン否定派もすくなからず存在し、「接種しようかどうしようか」と自治体からのお知らせもまだなのに、悩む日々。
今、気になっているのは?
「ワクチン以外でも、免疫力を上げる方法があるんじゃない?」という発想。
風邪やインフルエンザの時でも「免疫を上げるといいんだよ~」と呪文のようにテレビや雑誌で取り上げられています。
「そうか免疫を上げればいいんだ」
と思い、まずは厚生労働省のホームぺージでどんなものがいいのかを調べてみます。
目に飛び込んだのは?
「Q 免疫力はワクチン接種以外でも上げられますか。」
という厚生労働省 新型コロナワクチンQ&A。
やっぱり同じこと考えている人がいるのねと安心しながら読み始めると、
なんと
「睡眠時間の確保、運動、禁煙、肥満や低体重を避けること、バランスの良い食事を摂ることなどが感染防御のために有利だと考えられています。
しかし、食事の工夫などのみでワクチンのように特定の感染症のリスクを下げることは困難です。」
という一文が・・・
なんということでしょう。
「特定の感染症のリスクを下げることは困難です」だなんて。
理由は2つ!
一つ目は、「免疫力」という言葉の定義の曖昧さ。
「免疫力」は厳密な定義のある言葉ではありません。
人間の体を病原体から守る免疫の仕組みは非常に複雑なものであり、免疫機能を単純な言葉で表現することは困難です。
そのため、何が、どの免疫に効果があるとか、効果がないとかはっきりとした根拠がわからないのですね。
最近でこそ「はたらく細胞!!」シリーズのように、わかりやすい病理の漫画などを目にすることによって少しずつ免疫が体に及ぼす影響などは知られてきましたが、まだまだ不明な点も多く、そのために治療方法が確立されていない病気も多くあります。
人間の中の免疫が解き明かされるまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
2つ目は、栄養、運動、睡眠、ストレス、肥満などが免疫に与える影響についてまだよくわかっていないということです。
これらについても、多くの研究が行われていますが、完全にメカニズムが解明されているわけではありません。
免疫システムは大きく「自然免疫」と「獲得免疫」に分けることができます。自然免疫と獲得免疫はお互いに協力しあって私たちの体を病原体から守っています。
一般的に、よく睡眠を取ること、運動すること、禁煙すること、健康な体重を維持すること、バランスの良い食事を摂ることなどが、感染防御に有利に働くのではないかと考えられています。
一方で、ワクチン接種は特定の感染症に対して、自然免疫や獲得免疫を活性化させ、感染リスクを下げることが知られています。
逆に、食事などの工夫のみでワクチンのように有効な感染症防御を行うことは難しいと考えられています。
ただ、日常生活において、規則正しい生活やバランスの取れた食事をするとしないとでは大きく疾患に対する脆弱性が違います。
丈夫な体を作ることは、感染予防にも役立ちますし、規則正しい生活は、心とからだを健康にします。
ワクチンほど、感染のリスクを下げることはできないかもしれませんが、健やかな体を保つことは大切なことだと思うのです。
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「免疫って?」「細胞って?」子供でも分かるからだの中の不思議な話。
看護学生時代にこんなのがあれば、病理のテストも追試にならなかったはず・・・。
楽しみながら、難しい解剖生理や病理の話が分かる優れもの。
なんといっても、私はかわいい血小板が好きです。
出典
厚生労働省 新型コロナワクチンについて 新型コロナワクチンQ&A
監修者情報 名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長