ラクトフェリンには、わたしたちの身体に嬉しい作用がたくさん詰まっています。
ずっと元気でいられる秘訣は、ラクトフェリンにあるかもしれません。
ラクトフェリンとは
ラクトフェリンとは、牛乳や母乳に含まれている糖たんぱく質です。
ホエイという液体の部分に多く含まれています。
加熱していない牛乳100mLには約20㎎、ナチュラルチーズ100gには約300㎎含まれているため、牛由来のラクトフェリンがわたしたちには馴染みが深いです。
ラクトは牛乳、フェリンは鉄のことで、鉄と結びつく性質があることからこの名前が付けられたと言われています。鉄結合性糖たんぱく質とも呼ばれます。
特に初乳(出産直後の乳汁)に多く含まれており、仔牛や乳児の感染予防に重要な役割を果たしていると考えられています。
ラクトフェリンの効果
わたしたちの身の回りに存在している細菌は、増殖する際に鉄を必要とします。
言い換えると、鉄がなければうまく増殖できないということになります。
ラクトフェリンは鉄に結び付くため、細菌が十分な鉄を得ることができなくなることが想定されます。
そのため、ラクトフェリンには細菌の増殖を抑える効果があると言われています。
その他にも
・抗菌作用
・抗ウイルス作用
・ビフィズス菌増殖促進作用
・免疫調整作用
・抗酸化作用
・鉄吸収作用
など、さまざまな効果があることがわかっています。
しかし、ラクトフェリンは加熱処理や消化酵素によって効果が弱まってしまいます。
加工食品の安全を保つためには、加熱処理は避けては通れない道です。
できるだけ最大限の効果を発揮できるよう、最先端の技術が駆使されています!
生理痛にもラクトフェリン!?
女性の悩みの種の1つである、生理痛。
生理痛軽減にもラクトフェリンが役立つかもしれません。
生理痛のある女性18名に対して、ラクトフェリンを飲んでもらった月と、偽薬を飲んでもらった月の痛みの比較が行われました。
その結果、14名では生理痛が軽くなり、生理にともなう集中力の低下や日常生活の悪化が抑制されたということでした。
この効果は偽薬を飲んでもらった月には生じなかったということであり、ラクトフェリンの作用である可能性が高いです。
ただし、どのように作用しているのか?ということは明確にはわかっていないそうです。
生理痛がひどい方は、一度お試しする価値はありそうですね。
わたしたちの健康を守ってくれるラクトフェリン。
今後の研究成果から目が離せませんね!
参照
吉瀬 蘭エミリーら 鉄・ラクトフェリンの経口摂取による月経痛緩和効果
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長