アイキャッチ

    特定感染症保険

     

    皆さん、トイレで流す前にご自分の「尿」をチェックしていますか?

    実は尿の色や状態によって、身体の健康状態や糖尿病などの病気までわかってしまうのです!

    どのような尿の色、状態がどのような病気のサインとなるのでしょうか。

    本記事を参考にして、自分の「尿」から病気のリスクについて考えてみましょう!

     

    監修者情報

    佐藤祐造 []

    名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

    内科医、医学博士。名古屋大学大学院医学研究科修了。専門は内科・糖尿病学・スポーツ医学など。日本糖尿病学会理事、日本臨床スポーツ医学会会長、日本肥満学会会長などを歴任。著書に『糖尿病教室』(新興医学出版)ほか。

     

    尿は健康のバロメーター?

     

    薄い黄色の尿、濃い黄色の尿など、日によって尿の色の違いを感じたことがあるかと思います。

    この色の差は、血液を分解した時にできる代謝物であるウロビリンの量によって現れます。

    このウロビリンは常に一定の量が排出されていますが、

    体内の水分量が多くなると体内の水分調整のために多くの水分が排出される(尿量が多くなる)ため、

    ウロビリンの量が薄まり、尿の色は透明に近い色になります。

     

    また、尿の色は食事や薬の摂取によって変化が起こることもあります。

    例えば、ビタミンB2等が入ったビタミン剤を飲んだ際には、

    通常の尿の色よりも鮮やかな濃い黄色の尿が出ることがあります。

     

    このように、尿の色は摂取した水分量や食べ物などによって変化が起こるため、

    尿を見ることで自身の健康状態を知ることができ、

    尿は健康のバロメーター」と言われているのです。

     

     

     

     

    様々な尿の色とその原因、考えられる病気のリスク

     

    健康な人の尿の色は、淡黄色から淡黄褐色です。

    この一般的な尿の色を基準に、いつもとは違った色の尿が出てきた場合、

    様々な病気のリスクが考えられます。

     

    しかし、前提として言っておきたいのは

    「尿の色がいつもと違う=必ず何か病気のリスクがある」訳ではないということです。

    例えば、起床時や運動で汗をかいた時は少し濃い色の尿が出ます。

    反対に、汗をあまりかかない寒い時期や水分をたくさん摂取した時は、薄い色になります。

     

    また冒頭でも申し上げた通り、尿の色は食事や薬の摂取内容によっても変わります。

    ですので、“色がいつもと違う=全てが病気のサイン“とは言いきれません。

     

    ですが、尿は「健康のバロメーター」として力を発揮することに変わりはありません。

    ここでは特に気を付けるべき色や状態の変化、そこから考えられる病気のリスクを紹介しますので

    参考にしてみてください!

     

    赤色

     

    いわゆる「血尿」と言えます。

    体内で尿が生成され、排出されるまでのどこかで出血が起きているため、これには注意が必要です。

    考えられる病気は以下の通りです。

     

     ○膀胱炎(ぼうこうえん)

     ○尿管結石(にょうかんけっせき)

     ○前立腺炎(ぜんりつせんえん) ※男性の場合

     ○尿路系の癌(膀胱がんなど)

     ○急性糸球体腎炎

     

    以上のように、緊急性の低いものから命にかかわる病気まで、

    可能性は多岐に渡ります。

    出血が起きている状態は平常ではありませんので、自己判断に任せず

    お近くの医療機関を受診して下さい。

     

    茶色

     

    「脱水症状」または「ビリルビン尿」が考えられます。

    尿は、本来血液がろ過されて排出されるものです。

    その尿が元のウロビリンを含んだ原尿に近い色であるということは、

    尿を薄める水分が不足していることが原因として考えられます。

    また、「肝炎」や「肝硬変」等によって肝臓が異常をきたしたことで

    尿の中に「ビリルビン」という物質が混じり、茶色くなっているという可能性もあります。

     

    白濁色

     

    白く濁っているのは、尿に「膿」等が混ざっている可能性が考えられます。

    考えられる病気は以下の通りです。

     

    ○膀胱炎

    ○腎盂腎炎(じんうじんえん)

     

    無色透明

     

    水分を多く摂りすぎることで、尿が薄まり、色は透明に近づきます。

    考えられる病気は以下の通りです。

     

    ○糖尿病

    ○尿崩症(にょうほうしょう)

     

    糖尿病の症状としては、高血糖になることで喉が渇き、それに伴って水分を多く摂取した結果です(口渇、多飲、多尿)。

    尿崩症では、ホルモンの異常等で体内に水分を吸収することができず、排出する尿の量が増え、色が薄くなります。

     

    このように、尿の色の違いによって、様々な病気のリスクが考えられます。

    細かく分類するとこのほかにも様々な病気の可能性が考えられますが、

    大まかには前述のような病気、症状に注意して下さい。

     

    アイキャッチ

     

     

    様々な尿の状態とその原因、考えられる病気のリスク

     

    これまでは尿の「色」に注目してきましたが、色だけではなく、

    以下のような尿の状態の変化からも様々な病気のリスクが考えられます。

     

    臭い

     

    通常の尿はわずかに芳香臭がするだけですが、

    以下のように病気によっては独特な臭いを放ちます。


    糖尿病 臭い まとめ

     (出典:医療法人社団倫生会 みどり病院「尿の見た目でわかる病気のサイン」を元に作成)

     

    上記は代表的なものをあげましたが、病気にかかっていなくても食事(ニンニクなど食物)や運動等で

    臭いに影響がでる場合もありますので、必ずしも上記の病気に繋がるとは限りません。

     

    濁り

     

    少し濁りのある尿には細菌が混じっています。

    腎炎や膀胱炎など、泌尿器が細菌に感染している時に見られます。

     

    泡立ち

     

    「なぜか尿が異常に泡立っている」という状態を経験したことがある方も

    いらっしゃるかと思います。

    尿が泡立つ原因と、それに伴って考えられる病気としては以下のようなものが考えられます。

     

    糖尿病 原因 尿

     

    ①の場合、通常、尿中にたんぱくは含まれませんが、腎臓に異常があると

    腎臓の尿をろ過する機能がうまく働かず、尿中にたんぱくが漏れてしまいます。

    そのため、尿中にたんぱくが含まれていると、腎臓の機能に異常があることが

    考えられます。

     

    ②の場合、尿に細菌が含まれていると尿が泡立ちやすくなります。

    健康な人の尿中には細菌は含まれていないので、細菌が含まれている時は

    注意が必要です。

     

    ③の場合、糖尿病が進行すると尿中に糖が混じるようになります。

    腎臓の糸球体で糖は一度ろ過され、尿細管で再吸収されます。

    しかし、糖尿病で血糖値が高く、原尿中の糖濃度が高すぎると再吸収されず

    尿中に糖が放出されます。

     

    実際には、大きな異常が見られることは少ないですが、上記のような原因である場合は

    病気のリスクも十分に考えられます。

     

     

    トイレに行く「回数」にも注意が必要!

     

    「最近トイレに行く回数が増えたな」そんな人にも思わぬ病気のリスクが隠れているかもしれません。

     

    糖尿病

     

    頻尿の症状がある代表的な病気としては「糖尿病」が挙げられます。

    糖尿病でトイレの回数が増える理由は、「水をたくさん飲むこと」になるからです。

    糖尿病になると、血液中のブドウ糖が多くなり(血糖値が高くなり)、その濃度を下げようとして体が水を欲します。

    それに伴い、水を大量に飲むようになるため、その結果トイレに行く回数が増える(尿量が増える)事になります。

    頻尿とされるトイレの回数は1日に8回以上と言われています。

     

    その他

     

    頻尿の原因には、糖尿病以外にも以下のような様々な原因も考えられます。

     

    糖尿病 尿 表

    (出典:京都糖尿病相談室「糖尿病でよくあるお悩み 尿が多い 夜中何度もトイレに行く」を元に作成)

     

     

     

     

    まとめ

     

    尿は、色や状態、量といった様々な視点からその変化、違いを見ることで様々な病気の可能性を見出すことができます。

    尿の色が、赤色・茶色・白濁色・無色透明のいずれかの状態が続く時は、

    膀胱炎や糖尿病など様々な病気のリスクがあります。

    また、尿にいつもとは違う臭い・濁り・泡立ちが見られた時も

    膀胱炎や腎臓の病気などのリスクが考えられます。

    さらに、トイレに行く回数が18回以上という日が何日も続いている場合は

    糖尿病やその他の病気が原因として考えられます。

     

    普段自分の尿を気にしたことがないという方も本記事を参考にして、

    自分の健康状態を確認してみてはいかがでしょうか。

     

    本記事で示したような色や状態、量の異常が続いた場合、

    また少しでも気になる点がある場合は、

    ぜひ一度お近くの医療機関にご相談されることをおすすめします。

     

    「健康のバロメーター」をうまく活用して、ご自分の健康状態をチェックしてみましょう。

     

     

    【この記事を読んだあなたにおすすめの記事】

    急な腹痛は糖尿病の前兆?糖尿病患者の腹痛は合併症の疑いも!?

    「糖尿病予防にはコーヒーが効果的!」って本当?

     

     

    【出典】

    富野康日己(2018)『尿検査のみかた、考えかた』p.5 

    栄研化学「私たちと臨床検査」

    大宮エヴァーグリーンクリニック「尿が泡立つ・尿が臭う」

    ららぽーと横浜クリニック「尿の色で健康チェックをしてみましょう」