飲み合わせと食べ合わせに注意!知っておきたい薬の 「相互作用」

 

あなたは普段薬やサプリメントを飲んでいますか?

最近では、風邪薬やアレルギー、痛み止めの薬等だけではなく、

手軽な栄養補給や美容目的で薬やサプリメントを飲んでいる方も

多いかと思います。

 

薬と薬、薬とサプリメント、薬と食べ物や飲み物の組み合わせによっては、

副作用が強く出たり、薬の効果が十分に得られないことがあります。

効果的かつ安全に薬を飲むために、「相互作用」について知っておきましょう。

 

監修者情報

佐藤祐造

名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長

 

身近な薬でも起こる薬の「相互作用」とは?

 

ある薬とある薬を一緒に飲むと、

効果が弱くなったり、強くなったり、副作用が強く出ることがあります。

 

同じようなことは、薬とサプリメント、

薬と食べ物(飲み物や嗜好品も含む)でも起こり、

このような飲み合わせや食べ合わせによる影響を、「相互作用」と呼びます。

 

 

危険な「飲み合わせ」「食べ合わせ」は?

 

相互作用の代表的な組み合わせは、痛み止めと総合感冒薬です。

膝痛や腰痛などのために、医療機関で処方された痛み止めを飲んでいる場合、

風邪を引いたからといって、安易に総合感冒薬を買って飲んでしまうと、

そのなかに含まれる解熱鎮痛成分が処方薬と重なり、

効きすぎたり、副作用が出やすくなるのです。

 

また、今年の花粉症の季節はすみましたが、

くしゃみや鼻水などの症状を抑えるアレルギー用薬を飲んでいる人は多いと思います。

それを飲んでいる期間は、

総合感冒薬、咳止め薬、乗り物の酔い止め薬などは要注意です。

 

アレルギー用薬に含まれる抗ヒスタミン薬など、

眠気の起こる成分が重なって、想像以上に強い眠気が出ることがあります。

 

 

危険な相互作用を避けるためには?

 

2種類以上の薬を飲む場合は、

必ず相互作用のリスクに気をつけなければなりません。

 

ただし、医師が複数の薬を処方する場合は、

相互作用の起きにくい組み合わせを考え、薬剤師もチェックするため、

基本的に心配はありません。

 

自己判断で飲むべき薬を飲まずにいると、医師は治療効果を正しく評価できず、

その後の治療に悪影響を与えることがあるので、

処方された薬は指示通りきちんと飲みましょう。

 

医療機関で痛み止めやアレルギー用薬を処方されている人が、

風邪薬を飲みたいと思ったときは、医師に相談するのがベストです。

もしそれが難しい場合は、薬局やドラッグストアの薬剤師に相談し、

相互作用の起こりにくい薬を選んでもらいましょう。

 

 

「お薬手帳」を活用しましょう

 

その際に役立つのが、「お薬手帳」です。

お薬手帳には、いま病院で処方されている薬、過去に処方された薬の記録があり、

もし過去に大きな副作用が出た薬があれば、そのことも書いてあります。

 

その記述を見れば、その人にとってもっとも安全な薬を選ぶことができ、

適切な説明も行えます。

 

お薬手帳は、複数の医療機関にかかっている場合に、

似たような薬が重複して処方されるのを防ぐことにもつながるので、

ぜひ作っておきましょう。

 

そして、医療機関を受診したり、市販の薬を買うときには

忘れずに持って行ってください。

 

 

食べ物や飲み物と薬の組み合わせにも注意を

 

薬と食べ物の相互作用としては、

高血圧の薬である一部のカルシウム拮抗薬とグレープフルーツ(ジュースも含む)

よく知られています。

 

グレープフルーツに含まれる天然フラボノイド成分が、

カルシウム拮抗薬の代謝を阻んでしまい、薬の血中濃度が過剰に高くなるために、

血圧が下がり過ぎたり、副作用が強く出たりするのです。

 

血液をサラサラにするワルファリンという薬を飲んでいる人は、

納豆や青汁を避けるように医師から言われていると思います。

 

納豆や青汁には、血液凝固作用のあるビタミンKが含まれており、

ワルファリンの血液サラサラ効果を妨げてしまうからです。

 

また、ほとんどの内服薬の注意事項には、「お薬は水かぬるま湯で飲んでください」

と書かれていますが、これは相互作用を避けるためです。

お酒はもちろん、お茶や牛乳、スポーツドリンクなどで飲むのは絶対にやめましょう。

 

とくに、睡眠薬や安定剤、アレルギー用薬とお酒は危険です。

アルコールが薬の作用を強め、強い眠気や、ときには意識障害

引き起こすこともあります。

 

カフェインを含む緑茶、紅茶、コーヒー、ドリンク剤などは、

咳止め薬や総合感冒薬と一緒に飲むと、

不眠のほか、不整脈などの危険な副作用の出現につながります。

 

薬とお茶類は、30分以上あけて飲むようにしましょう。

牛乳やヨーグルトなどの乳製品は、

アルカリ性で胃酸を中和する働きがありますが、

これが薬の効果に悪影響を与えます。

 

胃酸が薄まって中性に近づくと、薬のコーティングが壊され、

腸で働くべき薬が胃で溶けてしまうため、十分な効果が得られなくなるのです。

 

また、乳製品に含まれるカルシウムやたんぱく質が、

抗菌薬の有効成分と結合し、効果を弱めてしまうこともあります。

 

薬の 「相互作用」の例

 

薬を効果的に、かつ安全に飲むために、相互作用には十分な注意を。

心配なときは、かかりつけ医や、薬局などの薬剤師に相談しましょう。

 

 

取材・文:NPO法人 医療機関支援機構 カルナの豆知識 編集部
医療ライター/看護師 天野 敦子

 

mis医療機関支援機構カルナの豆知識

 

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