和食、洋食で様々な料理に使われる「鮭」。
おにぎりの鉄板の具材ですね。
そんな鮭ですが、白身魚だということをご存じでしょうか?
エサとして食べているプランクトンやエビなどに含まれる「アスタキサンチン」という
成分によって、身がピンク色になるのです。
鮭は、産卵のために川を遡上します。
そのときに食べるプランクトン、藻、海老、かにの幼虫にアスタキサンチンが多く含まれています。
このアスタキサンチンが鮭の体内ですぐに代謝され、鮭が産卵をする一週間の間、鮭を
活性酸素による酸化や老化など様々な障害から鮭の体を守っているのです。
アスタキサンチンをはじめ、アンチエイジングに効果的な栄養素が豊富に含まれている
すごい魚、それが鮭なのです。
老化防止、美容効果など女性に嬉しい効果があるので、積極的に摂取したい食べ物です。
そこで今回はアンチエイジングの観点から鮭の持つ栄養素とその効果、そして
おいしい鮭の選び方をご紹介します。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
老化防止や美容に効果がある?
一般的に、魚は老化防止や美容に効果があるとされています。
これは、魚に含まれるDHAやEPAなどの成分が、血液をサラサラにしたり、肌の
キメやツヤを良くしたり、記憶力を保ったり、ガンの予防に役立ったりしているためです。
かつて日本人が肉よりも主食として食べ続けていた魚が、本当はアンチエイジングに
一役買っていた、なんて驚きですね。
鮭の栄養素
鮭には、主にビタミンA、D、B群、E、たんぱく質、βカロチン、DHA、EPAなど
様々な栄養素が含まれています。
今回は、アンチエイジングの観点から、以下の3つの栄養素に着目しました。
【アスタキサンチン】
アスタキサンチンは、体の酸化を予防し、「サビ」ないからだ作りに役立つ「抗酸化力」が非常に強力な成分です。
これにより、紫外線によって生じるシミやシワを防ぐことが出来ます。
【DHA(ドコサヘキサエン酸)】
DHA(ドコサヘキサエン酸)は、魚の油に多く含まれる成分です。
認知症や動脈硬化の予防改善、脳の発達促進に効果があります。
【ビタミンE】
ビタミンEは抗酸化作用が強く、ストレスに強い体を作り、老化防止にはたらきます。
具体的には、シミやシワの増加抑制、結構の改善、動脈硬化の予防などがあります。
鮭とサーモンの違い
鮭は英語でサーモンと呼ばれています。
しかし、おにぎりでは鮭、回転寿司屋ではサーモンといったように、同じ鮭なのに
名前の使われ方が違うのはなぜでしょうか?
実は、鮭とサーモンは食べ方や育ち方によって名前が変わるのです。
鮭は火を通して食べるもの、サーモンは生で食べるものを指します。
また、天然のものを鮭、養殖のものをサーモンと呼ぶこともあります。
鮭は自然界でオキアミを食べて成長しますが、このオキアミが寄生虫である
アニサキスを含んでいる危険性があるため、鮭は生で食べるのはNG。
冷凍する、火を通すなどしてこのアニサキスを死滅させてから食べるようにしましょう。
一方、サーモンは養殖されているため、アニサキスの危険性はありません。
生で食べることが出来るのです。
おいしい鮭の選び方
鮭のもつ栄養素と効果を学びました。
では、実際にスーパーなどで鮭を買うとき、どのようにしておいしい鮭を選べばよいでしょうか?
【見た目】
一般的に、鮭は皮がきれいな銀色、切り口につやがあるものほどおいしいとされています。
また、切り身を買う際は、皮と身の間に白い筋(ハラス)が入っているものを選びましょう。
脂の乗りがよく、焼き鮭にすると非常においしくいただけます。
【産地】
おいしい鮭を選ぶ際に一番注目したいことがあります。
それは、アラスカ産の鮭かどうかです。
アラスカ産の鮭がおすすめである理由としては、以下の通りです。
① 天然魚と養殖魚では味や色がまるで違う
② 州の法令で、ひれ魚の養殖が禁止されている
先述したアスタキサンチンは、天然ならではのもの。
養殖された鮭はエサに着色料をつけて育てているため、
アスタキサンチンはほとんど含まれていないそうです。
天然の鮭と養殖の鮭は、色を見比べるとよくわかります。
天然の鮭は濃いオレンジ色に対し、養殖の鮭は薄いオレンジ色です。
また、アラスカ州ではひれ魚の養殖が禁止されています。
これは、アラスカ産と書いてある鮭は天然の鮭であることの何よりの証拠。
少々お値段は張りますが、アラスカ産の鮭をなるべく選びたいですね。
おすすめの調理法
鮭は、切り身の部位によって、おすすめの料理が異なります。
頭に近いほど弓のような形の切り身になり、脂がのっているため、
塩焼きにすると美味しくいただけます。
一方、尾に近いほどカマボコのような形の切り身になり、さっぱりした味わいです。
鮭に含まれるアスタキサンチン、DHA、EPAなどは油に溶けやすい性質を持っている
ため、フライやムニエルといった油を使った料理にすると美味しくいただけるだけでなく、
栄養素も逃さず吸収できます。
また、鮭の皮には美容に欠かせないコラーゲンが豊富に含まれています。
このコラーゲンは「フィッシュコラーゲン」と呼ばれており、肉類などから
摂取できるコラーゲンよりも体へ吸収されやすい特徴を持っています。
苦手な方も多く捨てられがちな部位ですが、アンチエイジングのためにも
なるべく食べたいですね。
おすすめの食べ合わせ
鮭をより効果的に食べるには、どういった食材と合わせると良いのでしょうか?
おすすめの食べ合わせをご紹介します。
【ゴマ】
ゴマには脳を活性化させる成分が含まれているため、鮭とも相性バツグン。
ごま油で鮭を焼くと香ばしい香りも味わえて、食欲をそそります。
【チーズ】
鮭には、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが豊富に含まれています。
カルシウムを多く含むチーズと合わせることで丈夫な歯や骨を作り出すことが出来るのです。
チーズの他にも大豆、豆腐などもカルシウムを多く含んでいるのでおすすめです。
【レモン】
鮭に含まれるアスタキサンチンと相性が良い成分はビタミンC。
一緒に摂取することでアスタキサンチンによる効果がアップします。
ビタミンCが豊富に含まれているレモン、ブロッコリー、キャベツなどと併せて食べましょう。
チーズの他にも、大豆、豆腐などもカルシウムを多く含むため、おすすめです。
クセのない脂乗りで飽きがこない濃厚な味わいです。
焼き鮭、おにぎりの具、ムニエル、パスタなど様々な料理に組み合わせることが
出来ることも特徴です。
まとめ
鮭はアスタキサンチン、DHA、ビタミンEといったアンチエイジングに効果的な
栄養素を豊富に含んだ食材です。
火を通して食べるか生で食べるかによって名称が変わります。
鮭は寄生虫であるアニサキスを死滅させるため、冷凍や加熱をしなければいけません。
部位によっておすすめの料理が変わります。
また、天然の鮭をいただくのであればアラスカ産の鮭がおすすめです。
【出典】
食べ合わせ大百科 良い?悪い?知るべきサケの食べ合わせと栄養
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