喫煙所が新型コロナウイルスのクラスター発生源に!
喫煙所の中は密閉環境です。
もし喫煙所の部屋の中に新型コロナウイルスが浮遊していれば、
喫煙の為にマスクは外して喫煙、呼吸をすることにより、
ウィルスを吸い込んでしまう可能性が高くなります。
そのため、喫煙所は、新型コロナウィルス感染予防の観点から閉鎖するところが増えています。
喫煙は新型コロナウイルス(COVID-19)重症化因子
中国の武漢から広がった新型コロナウイルスですが、
初期の臨床データからも、男性の致死率は女性の3倍であること、
男性喫煙者が重症化していることが報告されています。
現在+過去喫煙者の重症化リスクは 2.19 倍、
人工呼吸器 or 死亡リスクは 3.24 倍と報告されています。
新型コロナウイルス(COVID-19)の伝播様式
出典:新型コロナウイルス感染症 COVIT-19 診療の手引き第 4.1 版 5 ページ
感染経路
飛沫感染が主体と考えられ、
換気の悪い環境では咳やくしゃみなどが無くても感染すると考えられます。
また、ウィルスを含む飛沫などによって
汚染された環境表面からの接触感染もあると考えられています。
有症者が感染伝播の主体であるが、
発症前の潜伏期にある感染者を含む無症状病原体保有者からの感染リスクもあります。
エアロゾル感染
エアロゾル感染は厳密な定義がない状況にあります。
SARS-CoV-2 は密閉された空間に於いて
短距離でのエアロゾル感染を示唆する報告がありますが、
流行への影響は明らかではありません。
喫煙とウィルスの関係、重症化のリスク因子
新型コロナウィルスに感染した喫煙者は、
なぜ重症化しやすいのでしょうか?
ニコチンが新型コロナウィルスの侵入口であるACE2受容体を増やすためです。
さらに喫煙も新型コロナウィルスも同じ有害作用を肺と体全体にもたらすのです。
出典:日本禁煙学会 2020 年 11 月「新型コロナウイルス感染症とタバコ」2 ページ 松崎道幸氏資料より引用
喫煙と新型コロナウイルスワクチンの効果について
コロナワクチン接種3カ月後に年齢、喫煙で抗体量減(国立病院機構宇都宮病院調査)
新型コロナウイルスのワクチン接種を巡り、
高齢者や喫煙者は接種完了後の 3 カ月後に抗体の量が大きく低下する傾向にあることが、
国立病院機構宇都宮病院の調査で分かりました。
同院呼吸器・アレルギー内科のチームが、
ファイザー社製のワクチンを2回接種した同院職員378人を対象に、
免疫機能の強さを示す「抗体価」を調べました。
発表によると、51~64歳の職員6人の抗体価は
2回目の接種から2週間後に10~20倍へと上昇しました。
しかし、接種から3カ月後には3分の1~5分の1程度に低下していました。
3カ月後の抗体価の中央値を年代別に比較すると、
年齢が上がるにつれて低下し、60~70代では20代に比べ半分程度となっていました。
年齢差を補正し、喫煙習慣の有無で比べると、
喫煙者は非喫煙者や禁煙した人と比較して抗体価が低値でした。
飲酒習慣や生活習慣病については、
年齢を調整すると統計学的な差はみられませんでした。
海外の文献でも、喫煙者はワクチン免疫が早く低下する、
中和抗体が4割少なくなることが広告されています。
まとめ
喫煙者の方は、新型コロナウィルスの侵入口であるACE2受容体が増えており、
感染のリスクが高く、感染してしまうと重症化するリスクも上がり、
予防のために摂取したワクチンの効果が減弱することが報告されています。
建物内の喫煙所での喫煙は、
各種ウィルスの感染リスクが高まることが報告されていますので、
喫煙所の閉鎖も進んでいます。
タバコが吸いづらくなったこの機会に、
禁煙、卒煙にチャレンジしてみませんか!
文責:株式会社リンケージ 日本禁煙学会専門指導者 健康管理士1級指導員 泉水 貴雄