本日のお話は、夏に見た目も涼しげな「あゆ」。
実は、おいしいだけでなく、骨ごと食べられるので、骨粗しょう症予防などにも向いています。
そのほかにも健康要素がいっぱいです。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
あゆの旬
旬は夏で、毎年6月に解禁されるあゆ釣りは各地の初夏の風物詩となっています。
秋に川でふ化した稚魚は、すぐ海へ下り、春まで暮らします。
その後再び川を上り、中流で成長して、秋には産卵のため下流へ下ります。
養殖ものは4月頃から入荷され、秋口の子持ちまで続きます。
天然ものは6月〜7月までは価格が高く、8月になると値を下げますが、それでも高値です。
現在は、市場に出回る約9割が養殖物です。
あゆの謂れ
漢字で書くと「鮎」。
中国ではこの字は「なまず」のことを指しますが、日本で「あゆ」を指すように変化しました。
日本書紀に神功皇后が「あゆ」を釣って戦の勝利を占ったという記述があり、
これが「魚」へんに「占」と書くようになった由来と考えられています。
名前の由来は「あひ」が原語で、「あ」は愛称語、「ひ(い)」は魚名語尾。
これが「あゆ」に転訛したと考えられます。
「愛らしく味佳き魚」という意味なのです。
あゆの栄養
養殖ものは天然ものの3倍ほど脂肪が多く、たんぱく質が少なめでエネルギーが高いです。
ビタミンDやビタミンEなどを多く含みます。
ビタミンDはカルシウムやリンの吸収をよくして、骨や歯を丈夫にします。
ビタミンEは体内の脂質の酸化を予防し、活性酸素から細胞を守ります。
DHAとEPAは、血液中のコレステロール状態を改善したり、
血圧を下げることによって血管の若さを保ち、老化の速度を遅くしてくれます。
ミネラルの中では、カルシウムが非常に豊富です。
カルシウムとともに骨を丈夫にするリンも多いので、骨の健康が気になる中高年女性にもオススメです。
独特な風味と苦みを持つ「あゆ」の内臓は、栄養の宝庫でもあります。
ビタミンAや、鉄分、亜鉛、銅、マンガンなどのミネラルをたくさん含みます。
また、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、葉酸、パントテン酸などのビタミンB群も多く含まれるので、ぜひ内臓ごと食べてください。貧血や疲労回復にも効果が期待できます。
オススメの食べ方
あゆはなんといっても塩焼き。
囲炉裏で串に刺して焼くのは最高ですが、一般的な家庭用グリルを使っても、ひと手間で美味しく焼くことができます。
例えば、アルミホイルを丸めるなどして、グリルの端に置き、尾側をその上に置いて、頭がやや下になるようにして焼くと、身から染み 出した脂が頭にたまって落ちるので、胴の部分は脂が消えてさっぱりします。
頭は身から出た脂で唐揚げのような香ばしさが味わえます。
愛知県の三河地方では、「あゆご飯」といって焼いた鮎をご飯と一緒に炊き込みます。
炊き上がったら、身を崩してご飯に混ぜ、混ぜご飯としていただきます。
そのほかにも各地で様々な調理法で食べられているあゆ。あなたの近くではどんな食べ方をしていますか?
出典
大阪市水産物卸協同組合ホームページ「大阪食文化・おさかな味わい図鑑」
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