今回は、ちょっぴり苦手な人もいるけれど、実は、とっても栄養豊富なピーマンについてです。
ピーマンは唐辛子の一種です
ピーマンは、中南米原産のナス科の辛味のないトウガラシの一種です。
15世紀にコロンブスによってスペインにもたらされ、香辛料としてヨーロッパに広がり、世界中に広まったとされています。
我が国には、16世紀末に南蛮貿易により伝えられたと言われています。
明治の初期に、品種改良による現在食べられているような甘トウガラシのピーマンが、アメリカから伝えられました。
昔のピーマンは、現在より大きめで、青臭く、独特の香りが強くて、少し食べづらいものでした。
現在は、品種改良により中型の薄肉で香りが少ない品種が主流となって、急速に消費が拡大しています。
この他にも赤や黄色等の様々な色があり、大型で甘みのあるパプリカや緑色のピーマンより甘みが強く、
栄養価に優れた独特の香りが少ない赤色に熟したピーマンも注目されています。
なお、ピーマンの語源はフランス語のピマン(Piment)から来ているといわれ、
我が国では当初欧米系の大型の甘トウガラシを指してピーマンと呼んでいましたが、近年は辛くないトウガラシ全般をピーマンと呼んでいます。
どこで作られているの?
ピーマンの全国の作付面積は3.4千ha、出荷量は126千t(平成25年産以下同じ)となり、
北陸管内では、新潟県の作付面積は73ha、出荷量は374t、富山県の作付面積は8ha、出荷量は27t、石川県の作付面積は15ha、出荷量は44t、福井県の作付面積は18ha、出荷量は46tです。
ピーマンの生産は、大きく夏秋ピーマン(6月~10月)と冬春ピーマン(11月~5月)に区分されます。
かつては、夏から秋中心の野菜でしたが、現在ではハウス等施設栽培により、周年栽培となっています。
夏秋ピーマンの主な産地は、茨城県、岩手県、福島県等で、北陸管内もおおむね夏秋ピーマンが作付けされています。
冬春ピーマンは、西南暖地の宮崎県、高知県等で生産されています。
おいしいピーマンの選び方
へたの切り口がきれいで、ピンとしているものが新鮮です。
全体にハリがあって、まるまるとした肉厚なものが美味しいです。
多少曲がっていても、へこんでいても、味には問題ありません。
皮にシワがよっているもの、色が黒ずんでいるものは、鮮度が落ちている証拠です。
保存方法
ピーマンは、水気に弱いので、通気性を良くした穴あきのポリ袋等に入れて保存しましょう。
冷やしすぎると品質が落ちるので、10℃前後の冷蔵庫の野菜室に入れて、1週間が目安です。
まとめて保存する場合には、ヘタの色をこまめに確認し、痛んだものは取り除くようにするのが良いでしょう。
ピーマンの栄養
ピーマンは、栄養豊富な野菜です。
特にビタミンCを多く含み、実にレモンの2倍、トマトの5倍もあります。
そのほか、ビタミン類やカロチン類、食物繊維を豊富に含んでおり、
加熱調理しても栄養価が損なわれることが少ないので、どんな料理でも栄養バランスよく、食べられる野菜といえます。
おいしい召し上がり方
ピーマンは、炒めてもビタミンCを多く吸収することができます。
カラーピーマン等大型のものは皮が固いので、表面の水気を拭いてから直火で焦げるまで焼き、冷水につけると簡単に皮がむけます。
加熱しすぎると栄養価が落ちてしまいますので、強火でサッと調理しましょう。
また、切り方によって歯触りが異なるので、料理によって切り方を使い分けるのもおもしろいです。
ちょっぴり青臭く、苦味のあるピーマン。
キライな方は、色鮮やかなパプリカから入門するとピーマン克服の近道かもしれません。
出典
監修者情報 名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
カラダにいいものはココロにもいい。 毎日の食事を大切に。 食べたら、運動。 歩数確認はヘルスライフで。