夏になると「土用の丑の日」として、毎年スーパーや飲食店でおいしそうな蒲焼のウナギを目にしたり、食べたりする機会が多くなりますね。 なぜ、夏にウナギを食べるのでしょうか。今日は「土用の丑の日」にちなんで、ウナギについてお話しします。
ウナギについての素朴なギモン
江戸時代から始まった、土用の丑の日にウナギを食べる習慣は、栄養面でもとっても理にかなっています。
ウナギの優れた栄養効果で、夏バテを防ぎましょう。
Q1.ウナギはどうして夏バテ予防に効くの?
A1.ウナギには、ビタミンA、B1、B2、E、Dのほか、カルシウム、鉄分、亜鉛、脂質(DHA、EPA)、コラーゲンなど、夏バテ予防に必要な栄養素が豊富に含まれています。
特にビタミンAは、100グラム食べれば成人の一日に必要な摂取量に達します。
Q2.炭火で焼くとおいしいのはなぜ?
A2.火力の強い炭は、ウナギの表面にタンパク質の膜を張って、うまみ成分をぎゅっと閉じ込めます。
遠赤外線が芯まで浸透することでアミノ酸を形成し、うまみ成分(グルタミン酸)を増加させる効果があり、外はサクッと中はふっくらと焼き上がるのです。
Q3.なぜ土用の丑の日にウナギを食べる習慣があるの?
A3.土用の丑は年に何度か訪れますが、特に夏の土用の丑は酷暑日の続く7月下旬にあたります。
そのため、夏バテ防止の意味もこめて「ウナギを食べる」食生活習慣が根付いたといわれています。
ウナギの優れた栄養効果
安くはない食材ですが、土用の丑の日は健康増進の為にうなぎを食べてみませんか?
- 活性酸素を減らす「ビタミンAレチノール」
ウナギは動物性ビタミンAレチノールが豊富ですが、このレチノールは最近の研究で、体内の活性酸素(細胞にダメージを与え、がんの発生や老化を早める原因になる物質)を減らす働きがあることがわかってきました。
ストレスなどで疲労蓄積している方にも、ウナギはおすすめですね。
- うまみを増し、血や筋肉のもとになる「アミノ酸」
炭火による遠赤外線効果は、ウナギのアミノ酸形成に役立ちます。
アミノ酸は、日ごろ慣れ親しんでいる和食を構成する代表的なうまみの一種で、おいしさにもつながります。
さらにご飯との相性もよく、暑い夏でも食欲増進に繋がります。
加えて体内で血や筋肉の元になる酵素でもあるため、味よし、効果よしと一口で二度オイシイ素材ともいえますね。
最近では、お値段も高価となり効果の入手が難しくはなりましたが、酷暑の一日を乗り切ったごほうびご飯としてお試しされてはいかがでしょうか。
出典
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
そういえばそんなこともあった。
あの頃の体型にはヘルスライフ。