ほうじ茶とは
ほうじ茶は煎茶、緑茶と同じく、茶の木の葉で作られます。
風味が違っているのは、その製法の違いです。
煎茶は、日本でもっとも一般的に飲まれている緑茶です。
細く、丸く、よれていて、針のような形状が特徴。
嗜好に応じてブレンドされ、種類も豊富。
うまみと苦みのバランスを重視したものが多いです。
煎茶は摘まれた新芽の生葉を蒸して、揉んで熱乾燥します。
ほうじ茶はさらに、その煎茶や番茶などを強火で炒って作ります。
香ばしい香りとともに、スッキリとした飲み口となっています。
カフェインが少なめで、刺激が抑られたやさしい口当たりが魅力です。
“ストレスフリー”で人気
ほうじ茶の人気が高まっているようです。
ほうじ茶飲料のトップメーカーの伊藤園によれば、ほうじ茶飲料市場は、06年の約60億円から昨年は5.8倍の約340億円まで12年連続で拡大したとのこと。
2017年から清涼飲料やカフェなどで、相次いで商品化されており、コカ・コーラシステムも2018年から「綾鷹 ほうじ茶」(525mlPET)を発売。
ほうじ茶人気の理由は、昔からなじみのある刺激の少ない香ばしい味わいと、比較的カフェインが低めであること。
それが安心感とリラックス感につながり、ストレスフリーなイメージを持つことから、他の無糖茶に比べて、女性の支持が高いということです。
仕事をしながら、リラックスする時などに飲まれているようです。
最近では、こだわりの“加賀棒ほうじ茶”や“ほうじ茶ラテ”への注目も高まり、話題化も図れてきました。
女性の社会進出とともに、ほうじ茶の拡大も続きそうです。
ほうじ茶リラックスの秘密
2013年金沢工業大学心理情報学科の学生が、ほうじ茶のリラックス効果を「サイエンス・インカレ」で発表しました。
お茶を飲むと「ホッ」とするという行動から、お茶には人をリラックスさせる効果があるのではないかと考え、お茶に含まれる香気成分が、人間にどのような効果をもたらすかについて、化学的・心理学的側面から調べました。
結果、ほうじ茶に含まれる香気成分の中でも、フルフラール(はちみつのような甘い香り)と、香ばしさを引き立てる酸化物(脂肪臭、揚げ臭)がリラックス効果をもたらしていることを突き止めました。
お茶を飲むと「ホッ」とするのは、科学的にも解明されつつあるのですね。
ほうじ茶の成分
日本食品標準成分表(本表)し好飲料類で調べたところ、ほうじ茶は煎茶と比較して、ビタミン類は低くなっています。
あまり変わらないのはカリウムでした。
そのほかには、カフェインが低くなるという情報が多いのですが、煎茶とほうじ茶のカフェイン含有量はどちらも100gあたり0.02gで変わりはありませんでした。
煎茶と同量のカフェインを含んでいるので、就寝前の飲用は控えたほうがよいかもしれません。
PETボトルだけでなく
ほうじ茶アイテムはカフェにも拡大しています。
多くは「ほうじ茶ラテ」の形で販売されていますが、その香りと味は女性に支持される傾向があり、働く女性のリラックス効果に一役買っているようにも思われます。
出典
農林水産省 aff 2017年4月号
金沢工業大学 心理情報学科の学生がほうじ茶のリラックス効果を「サイエンス・インカレ」で発表
食品産業新聞社ニュースWEB
監修者情報 名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
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