今回は、穴のあいたその形状から先の見通しがきく縁起物として正月料理や精進料理に用いられ、
親しまれている野菜「れんこん」のご紹介です。
監修者情報
名古屋大学名誉教授・健康評価施設査定理事長
れんこんの旬
市場へは、一年中流通していますが、一般的な旬は11~3月です。東京市場では、茨城県産、大阪市場では、徳島県産が主流となっています。
私たちが通常食しているれんこんは、ハスの地下茎が肥大したものを食用としており、主に蓮田という泥沼の中で栽培されています。
収穫方法は、干上がった状態の泥の中を専用のクワで付け根からていねいに掘り起こす方法と、水はそのままにしてホースで勢いよく泥の中に水圧を加えて泥を飛び散らせ、れんこんを浮かび上がらせる水圧堀りという方法があります。
日本へ来たのはいつ頃?
中国、インドあるいはエジプトが原産と言われ、中国を経て仏教と共に奈良時代に日本に伝わったと考えられています。
最初は主に「ハスの花」として観賞用に利用されていたようですが、鎌倉時代以降、食用品種が中国から導入され、全国各地に広がって在来種の基となっています。
明治中期以降「支那種」や「備中種」など肥大性の良い食用専用種の栽培が普及して、大衆的に食べられるようになりました。
ハスの花は、薄桃色の神秘的な美しい花で、仏前にお供えしているところもありますが、仏教の釈迦誕生の時に、近くにあったハスの花が一斉に咲いたとされていることから、仏教と深く結びついています。
れんこんの栄養
れんこんは、でんぷん質とビタミンCを多く含んでいます。
ビタミンCは強い抗酸化力によって動脈硬化や脳卒中、がん等の病気を予防したり、皮膚や骨を強化する働きがあります。
ビタミンCは熱に弱い成分ですが、れんこんに含まれるでんぷん質に守られているため、加熱調理による喪失はそれほど多くありません。
そのほか、高血圧の予防に有効なカリウム、ビタミンB群の一種でエネルギー代謝を大きくサポートするパントテン酸、糖質代謝の補酵素として働き、疲労回復に効果的なビタミンB1等も含みます。
おいしいれんこんの選び方
れんこんは、全体的にずっしりとしてまっすぐなものを選びましょう。
皮が白すぎるものは漂白されている可能性があります。
漂白されたものは、シャキッとした食感や味が落ちるので、本来の皮の色である茶褐色、又は淡黄色のものを選びましょう。
また、穴の大きさがほぼそろっているものは良品といわれています。
切り口が変色しているものや、穴の中が黒くなっているものは鮮度が落ちているので避けましょう。
保存の仕方
一節まるごと保存する場合は、濡らした新聞紙に包み、ビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。
皮をむいたれんこんはなるべく早く調理しましょう。
保存する場合は、密閉容器に入れ、れんこんが全部つかるように水を張って冷蔵庫に保存します。
ただし、変色は防げますが、ビタミンCが流失しますので翌日には使い切るようにしましょう。
おいしく召し上がるには
れんこんは、さっと火を通すとシャキッとした食感が楽しめ、さらに火を通すと主成分であるでんぷんが糊化(こか)して、もっちりとした食感が楽しめます。
酢の物や煮物、炒め物、揚げ物等、用途に応じて食感を活かし、調理しましょう。
出典
農林水産省 北陸農政局 今月の今月の園芸特産作物:2月 れんこん
独立行政法人農畜産業振興機構 野菜ブック~食育のために~ れんこん
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