「年を重ねるごとに、
鏡を見るのが嫌になってきた……」。
そんな風に思ったことはありませんか?
老化は誰にでも起こる現象ですが、
老化スピードには個人差があります。
「どうせ生まれつきのもの」と諦めてはいけません。
最近の研究では、老化と生活習慣は
大きな関わりがあることがわかってきました。
とくに重要なポイントが「糖化」と「酸化」です。
今回は、老化に影響を与える糖化や酸化のメカニズム、
そして老化防止を期待できる
食事方法についても解説します。
老化の三大原因
老化には、「糖化」と「酸化」、
そして「炎症」が関わっています。
何が原因なのか、くわしく見ていきましょう。
糖化
糖化は老化や病気の原因のひとつです。
糖質がたんぱく質と結びついて糖化が起こると、
悪玉物質のAGE(終末糖化産物)がたまっていき、
細胞を老化させます。
糖化は肌のシワやくすみの原因になるだけでなく、
アルツハイマー病の発病とも関連性がある
といわれているのです。
糖化にはからだの熱が関与していて、
酸化が「からだのサビ」と例えられることに対し、
糖化は「からだの焦げ」といわれています。(※1)
酸化
酸化は、活性酸素が原因で起こり、
老化を促進する一因になります。
体内にとり込まれた酸素のうち、
2~3%ほどが活性酸素に変化します。
からだは酸化から身を守る抗酸化作用を持っていて、
活性酸素の産生抑制や傷ついた細胞の修復、再生を行っていますが、
活性酸素が過剰に増え、抗酸化作用のバランスが崩れると、
「酸化ストレス」という状態になり、からだがサビついてしまいます。(※2)
炎症
近年の研究では、老化の原因に
慢性的な炎症が関係していると考えられています。
炎症とは、本来、生体の防御反応です。
老化の原因となる慢性炎症は、
自覚症状がない炎症で、
常に弱い炎症を起こしている状態になります。
加齢による新陳代謝の低下や細胞の衰えや、
活性酸素による酸化ダメージ、
紫外線による外部刺激などの原因が重なり、
炎症が起こります。
マウス実験では、慢性炎症の蓄積によって
老化のスピードが早まり、
加齢性の疾患を早期に発症することが示唆されています。
炎症は老化だけでなく、
疾患の原因になる可能性があるのです。(※3)(※4)
老化の対策
糖化や酸化を完全に防ぐことはできませんが、
生活習慣を見直すことで、進行を遅くすることができます。
糖化や酸化の原因の一例を挙げました。
<糖化の原因>
・朝食をよく抜く
・白米、パン、麺類をよく食べる
・野菜嫌い
・運動不足
<酸化の原因>
・紫外線
・喫煙
・加工食品の摂りすぎ
もしこれらの原因に多く当てはまる場合、
糖化や酸化のリスクが高い
生活をしていることになります。
逆に、原因をひとつでも減らすことで、
糖化や酸化の進行を抑えることができます。
食事バランスを見直したり、直射日光を避けたり、
禁煙したりするなど、
普段の生活からひとつずつ改善していきましょう。
老化の予防食材
ここからは、老化の予防食材をご紹介します。
糖化、酸化、炎症の予防が期待できる食材を挙げました。
糖化の予防が期待できる食材
糖化予防には、
悪玉物質のAGEをためない食事が重要です。
AGEをためないためには、
糖質を過剰に抑えるよりも、
血糖値を上げにくい食事を摂ることが大事です。
糖化予防におすすめの食材をご紹介します。
<糖化予防におすすめの食材>
・甜茶
・どくだみ茶
・マイタケ
・モロヘイヤ
・米ナス
・サニーレタス
生で食べられる食材は、
生のままのほうがAGE量は少なめになります。
逆に、加熱調理するとAGE量は上がってしまいます。
生以外には、蒸す、茹でる、煮るといった
調理方法もおすすめです。
酸化の予防が期待できる食材
酸化の予防が期待できる食材には、
ビタミンやアントシアニン、
カテキン、サポニンといった栄養素が多く含まれます。
一例を挙げてみましょう。
<酸化予防におすすめの食材>
ビタミンA
・モロヘイヤ、にんじん
ビタミンC
・ブロッコリー、赤ピーマン
ビタミンE
・アーモンド、ドライトマト
アントシアニン
・ブルーベリー、赤ワイン
カテキン
・緑茶、烏龍茶
大豆サポニン
・大豆、豆乳
酸化を予防する栄養素 | 補える食材 |
ビタミンA | モロヘイヤ、にんじん |
ビタミンC | ブロッコリー、赤ピーマン |
ビタミンE | アーモンド、ドライトマト |
アントシアニン | ブルーベリー、赤ワイン |
カテキン | 緑茶、烏龍茶 |
大豆サポニン | 大豆、豆乳 |
とくに、カテキンは
抗酸化作用、抗ウイルス作用だけでなく、
コレステロールを下げ、血糖値上昇を防いだり、
肥満を予防したりするなど
さまざまな健康作用を期待できます。
炎症の予防が期待できる食材
炎症を避け予防するには、
魚介類や野菜、果物を中心にした食事がおすすめです。
炎症の予防が期待できる食材をご紹介します。
<炎症予防におすすめの食材>
・さつまいも
・ほうれん草
・ケール
・アーモンド
・ひよこ豆
・柑橘類
逆に、穀類や肉類、お菓子などを
よく摂取すると炎症を起こしやすくなります。
これらの食品の食べすぎは避け、控えめにしましょう。
老化の対策には漢方薬を試してみて
老化対策には、漢方薬もおすすめです。
漢方薬は植物や鉱物など
自然由来の生薬をもとにして作られていて、
西洋薬よりも副作用リスクが低いといわれています。
老化対策には、
「肌の新陳代謝をよくして紫外線ダメージを修復する」
「水分の循環を整え肌に潤いを与える」
「血流をよくしてからだ全体に栄養をいきわたらせる」
「ホルモンバランスを整える」
などの働きを持つ漢方薬を選び、からだの内側から
アンチエイジングにアプローチします。
老化対策に適した漢方薬をご紹介しましょう。
<老化対策におすすめの漢方薬>
六味地黄丸(ろくみじおうがん)
体力がなく疲れやすい、ほてりや口の乾きなどの
自覚症状がある方に向いています。
生殖器系、泌尿器科系の働きを高めて、
弱ったからだを補い元気づけます。
手足の冷えが強い場合は
八味地黄丸(はちみじおうがん)が適していることもあります。
人参養栄湯(にんじんようえいとう)
胃腸の働きを高め、血流を促し、
からだにエネルギーと栄養を補って
元気や体力をアップさせます。
体力低下や食欲不振が目立つときにおすすめです。
スマホで気軽に専門家に相談できる
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糖化や酸化を避け、いつまでも若々しく
糖化や酸化は老化の原因になります。
普段の生活習慣に気を配り、
ひとつずつ原因をとり除くことで、
老化の進行を遅らせることも期待できます。
糖化や酸化を防ぎ、健康的な生活を送りましょう!
【参考文献】
(※1)「老化の原因『糖化』を防止しよう」オムロン ヘルスケア
(※2)「活性酸素と酸化ストレス | e-ヘルスネット」厚生労働省
(※3)「慢性炎症と加齢関連疾患」CiNii Research
(※4)「老化T細胞が老化・炎症を引き起こす仕組みを解明」理化学研究所
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師
中田 早苗(なかだ さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。
健康・美容情報を発信するMedical Health –メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。
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